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岩井志麻子『五月の独房にて』を読了

長年、『5時に夢中!』の木曜日のヘビー視聴者である私。

『5時夢』(木)を観たいという理由で、仕事をせずに木曜日は休みに設定して来た。(勿論口には出さないが)

『5時に夢中!』の木曜日は、ホラー作家の岩井志麻子さんと新潮社の中瀬ゆかりさんが、平日の夕方から下ネタを連発している。

どんなに日々の生活にうんざりしていても、2名の熟女がくだらない下ネタでガハガハ大笑いしている姿を見ると気持ちが穏やかになる。


森三中の黒沢さんも5時夢の木曜日の大ファンらしく、
たくさんの芸能人と仕事をしてきた彼女でさえも、志麻子さんと中瀬さんに囲まれて5時夢の木曜日に出演されていた際はとても緊張していた。

言わずもがな私は志麻子さんと中瀬さんの大ファンだ。


でも志麻子さんの著書は読んだことがなかった。
ハッキリ言ってファン失格だ。


そんな時折、図書館で志麻子さんの著書を発見したので借りてみた。

本当は代表作の『ぼっけえ、きょうてえ』から読みたかったが、
不在だったため、本書を読むに至った。


ネットで調べたところ、本書は福岡美容師バラバラ殺人事件という実際に起きた事件をモチーフに描いているらしい。

ところどころ志麻子さんが5時夢などで話していた内容がストーリーに散りばめられていて、点と点が繋がった。


本書はリアルでグロテスクな描写が多く決して退屈なわけではないけれど、びっくりするほど読むのに時間がかかった。

通常なら2日もあれば読めるボリュームのはずなのに、2週間以上も…

なんでだろう…。
読んでも読んでも全然ページが進んでいないからビックリする。

終始重苦しい内容だからだろうか…

でも岡山弁で綴られる文章は、男の登場人物のセリフは千鳥のどちらかで脳内再生されるので少しだけ気が軽くなる。


主人公はバラバラ殺人を起こした女性受刑者なので、やはり狂気を感じる。

そして生育環境(特に親子関係)というのは、その後の人生に大きく影響することを本書でも強く感じた。

絵に描いたような幸せな親子関係を築いている家族というのは、実際どれほどいるのか、はたまた実在するのかは私には全く分からない。

「毒親」という言葉をここ数年でよく耳にするようになった。


世間には親子関係に悩む人がとてもたくさんいる。

だから「なんでも親のせいにするんじゃない」という意見も御尤も。

幼少期からの悪循環に脱することが出来るかどうか、
そもそも自分が悪循環に陥っている事実に気づけるかどうかというのは大きい気がする。


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