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違法行為に耐えてまで成功する必要があるのか…

先日ジャニオタの方とお話する機会があったので、今のジャニーズ問題についてどう思っているのか聞いてみた。

そこで印象的だったのが、

「今問題を訴えている元ジャニーズの人達は実力がなかったから売れなかっただけ。
芸能界なんてそんなもんだって分かって入ってたくせに、自分が成功しなかったからって今更なにを言っているんだと思う。」

「当事者の会に名を連ねている人達は、カウアンに便乗して事務所にタカっていて厚かましい。」

という意見だった。


私はジャニーズ問題については今のように話題になる前から知っていたし、なんで今さら騒いでるんだろうと思っていたので、どちらかといえば騒ぎ始めた当初は冷ややかな目で見ていた。

しかし意外にも問題が収束しないままどんどん引き返せない状況に陥ったので、悪しき習慣を浄化する良い機会になったと思い始めた。


これまで黙認していたメディアや企業たちが、今になってジャニーズ事務所を鬼の首を取ったように批判をしている。

でも彼らは「叩ける相手」に容赦なく石を投げつけることで善人を気取っている悪人だと思う。

ジャニーズに限らず芸能事務所、広告代理店、大企業、マスコミなどの絡みでの性接待の噂はいつの日も絶えない。
批判してる者の中には同じようなことをしてる者だっているはずだ。

同様のことが、宗教問題でも起きていた。
粛清すべきは統一教会だけじゃないし、統一教会と繋がりを持ってたのは自民党だけじゃないのにそこはスルーし続けている。
宗教とズブズブ過ぎるのが明確な政党があるのに…。
あれをまずなんとかしてもらわない限り、日本は絶対に変わらない。

これらはいじめの構図と同じだと思う。
自分がいじめの標的になりたくないから、叩いてもいい相手を叩く。


そういう気持ち悪い世の中の矛盾が、私の気持ちをモヤモヤさせる。


一方で先述したジャニオタの意見では、その悪しき習慣を乗り越えてこそスターになるものなんだから、売れなかったからと言って文句言うのがおかしいという。

それも一理あるのかも知れない。
実際にそれで成功して来た人が、今いるのだから。


でも、このような考えはブラック企業的な考えだと思った。

会社が違法なことを社員に強いてる場合に
「これを耐えて乗り越えない限りは絶対に出世させない」と言われて、納得できる人がいるなら相当ヤバイと思う。


やたら「コンプラ」という言葉を多く聞く今の世の中において、これまでのやり方は通用しなくなってきた。


今まではスポーツの世界でも厳しい指導が当たり前だったが、今は名コーチと言われてたような人でも訴えられる世の中になった。


訴える人間を「甘えてる、ワガママだ」と言う人の気持ちが分からなくもないけれど、だからと言って圧倒的に立場が上の人から完全に違法な行為を受けても、文句ひとつ言わずに受け入れてこそ一人前というのは絶対に受け入れたくない。

それで出世できないと脅されたとしても、私なら「上等じゃねぇか」と啖呵を切って、合法的かつ徹底的に仕返しをする方法を考える。


ジャニーズ問題において、当事者の会に名を連ねている人達が怪しいという噂は見聞きしている。

しかし、思想信条が生まれてから死ぬまで一切変わらない人間はいないと思うし、いい機会だから取れるだけ取ってやりたいという気持ちも理解出来る。


結果としてなにが言いたいかというと、アイドルやエンタメの世界は、強く光が当たっている部分もあるが一方で暗い影もつきまとう。

それは、私たちが普段楽しませてもらってるエンタメ全てに共通する。

その暗い影の部分が「下積みが長かった」や「売れっ子になって休みがなくなった」というようなレベルなら許容範囲だと思う。

でも犯罪の被害にあってるというレベルなら、私は応援するのは辞める。

タレント自身に罪はないだろうが、その人を利用して金を稼ぐ連中がいるのが許せないから。


そして以前、別の記事でも書いたが今の日本のエンタメはレベルが低い。

若者のテレビ離れはどんどん加速しており、昔のように国民的スターが現れることはかなり難しくなった。

だから性的搾取のような違法行為を我慢してまで得られるものは、昔に比べるとだいぶ失くなっているんじゃないだろうか…?

名女優と言われるような方々の多くも下積み時代に水着のグラビア時代を経ているが、それって本当に必要なんだろうか…?


悪しき習慣を排除して、その分エンタメのクオリティを高める方向にシフトチェンジしていって欲しいと思う。


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