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ONARA RECORD #18「よー、そこの若いの/竹原ピストル」

今回ご紹介するオナラレコードは「よー、そこの若いの/竹原ピストル」です。

竹原ピストルは日本のフォークシンガーです。1999年に大学在籍時に知り合ったハマノヒロチカと共にフォークバンド野狐禅を結成し、2003年にメジャーデビューしました。
また、俳優としても活動をしており、2006年の映画『青春☆金属バット』に主演、2011年、松本人志監督作品『さや侍』にもエンディングで出演し、感動的な歌を披露しています。

そんな竹原ピストルが一躍有名になったきっかけが「よー、そこの若いの」です。住友生命のCMソングとして起用され、一気に知名度が広がりました。

▼PV

▼歌詞

さて、まずはこの曲を簡単に3行でまとめてみたいと思います。

よー、そこの若いの、忘れがちだけど大切なことがある。
ひまわりや桜があからさまなだけで、季節を伝えない花なんてない。
君だって何者かになる必要はない、今の自分のままでいいんだ。

なんともロックで、しびれるアツい歌詞ですね。
人は何者かになろうとしてしまいますが、今の自分と向き合う、そして認めてやることが何より大事なのでしょう。

でも、これは「オナラレコード」です。
一体どんな屁理屈を歌っているのでしょうか。

それは、美容室に来た迷惑な客の屁理屈を歌ったオナラレコードです。
ちょっと意味わからないですよね。

今回は屁理屈野郎のパーソナリティも含めて、物語形式でご紹介して行きます。
では、「よー、そこの若いの」がどんなオナラレコードなのか、実際に見ていきましょう。

Let’s ONARA RECORD!!!



入店した時から、何か不気味な男だとは思っていた。
もう冬だと言うのに浴衣に草履。髪型は武士がちょんまげを雑に切ったようだ。

「どんな感じに致しましょうか?」
「ハイカラな感じで頼む」
「ハイカラ…ですか」

困ったのでいつも通り雑誌を取り出し、適当なページを開いてみる。

「こんな感じですか?」
「おい、若いの…」

男はすくっと立ち上がって、こう言った。

とかく忘れてしまいがちだけど
とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば桜やらひまわりやらが
特別あからさまなだけで
季節を報せない花なんてないのさ

「お前らは勘違いをしがちだ。
人は桜やひまわりを見て季節を感じられるかもしれないが、季節を知らせない花なんてないんだ。

それはひまわりやらが特別あからさまなだけ。
その雑誌に載っている男もあからさまにハイカラなだけで、ハイカラじゃない髪型なんてないんだ。」

俺は思った。
「じゃあ、ハイカラって注文すんなよ」と。



男はよし、と言う具合に頷いて再び腰掛けた。
俺は方向性を変えることにした。

「短めとか、長めとかあります?」
「短めで頼む」
「あーじゃあ、渡辺謙さんとかみたいにしますか?」
「おい、若いの…」

男はまたぬうっと立ち上がって、こう言った。
(いちいち立たないでほしい)

(中略)
とかく忘れてしまいがちだけど
とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば芸能人やらスポーツ選手やらが
特別あからさまなだけで
必死じゃない大人なんていないのさ

「お前らは勘違いしがちだ。
人は芸能人やら、スポーツ選手を見て『頑張っているな』と思うかもしれないが、頑張っていない大人なんていないんだ。

彼らがあからさまなだけで、誰もが必死に生きている。
渡辺謙だから良いと言う、安直な発想はやめたほうがいい。」

俺は思った。
「頑張ってるとかの話じゃない。髪型の話だ。」と。



俺はどうしていいか分からず、あからさまに苦悶してしまう。
すると男は、にいっと笑ってこう言った。

よー、そこの若いの
こんな自分のままじゃいけないって
頭を抱えてるそんな自分のままで行けよ

「よー、そこの若いの。俺の言うことを聞いてくれ。
こんな自分のままじゃいけないって悩んでる。そんな自分のままでいけよ。」

「いや、そんな悩み方は…」
驚いたことに声に出ていた。



よー、そこの若いの
君だけの汗のかき方で
君だけの汗をかいたらいいさ

「よー、そこの若いの。君だけの汗のかき方がある。君だけの汗をかいたらいい。
何がハイカラか、何が短めか。そんなことは君が決めたらいい。それが君らしい仕事ってもんだ。」

「はあ…。じゃあお任せでいいってことですね?」



よー、そこの若いの
俺の言うことをきいてくれ
「俺を含め、誰の言うことも聞くなよ。」

「よー、そこの若いの。今から俺が言うことを聞いてくれ。
『俺を含め、誰の言うことも聞くな』よ。お任せとか、そんな次元じゃない。俺発信で決められるな。」

「そう言うシステムなんで…」



よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で
君だけの花を咲かせたらいいさ

「よー、そこの若いの。普通の美容師がどうとか、システムがどうとかじゃないんだ。
君がやりたいと思う髪型を、君なりの切り方でやっていけばいいんだ。それがアーティストってもんだろ。」

そう言うと、なぜか料金だけちょうど置いて帰ってしまった。
なんだったんだ…。

ふと、アーティスト、と口に出してみる。
響は悪くないな。とも思える。



いかがでしょうか。
なんだか偏屈な野郎で、絶対に客で来て欲しくないと思ってしまいますが、なんか一本筋が通っていると言うのは偉大にも感じられるものですね。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。