オナラことわざ辞典__8_

【オナワザ】#18 巫女が言えど信じるか信じないかはあなた次第

2019.01.01

お正月、私は大阪で最も参拝者の多い住吉大社へ行きました。
宮内が全て人で埋まってしまうほどの盛況に、私と友人は唖然としつつ、とにかく並ぶこと40分でようやくお賽銭箱にたどり着き、今年の抱負を神様に宣言してまいりました。

「みうらじゅんになります、見ていてください」

(参考:親愛なる、みうらじゅん様へ


そして、自然な流れでおみくじを引くことに。
セブンイレブンの1番くじで3連続まったく同じ「パウダー洗顔」を引き当てた私です。ロクなものではないと思っていました。

その結果は。

「大吉」

おそらく人生で2度目ぐらいの奇跡に私は歓喜しました。
そして仕事に関しても「力を尽くせば結果よし」と書かれており、住吉の神様が「なんか『みうらじゅんになる』ってよくわかんないけど、まあ頑張れよ」と力強く言ってくれている気がしなくもない。


2019.01.03

調子に乗った私は、二度目の初詣として京都でとても有名な貴船神社へ行きました。
こちらも宮外まで行列が続くほどの大盛況で、小雨が降り注ぐ中凍える手をすり合わせて並びました。ここでも例のごとく今年の抱負を宣言。

「みうらじゅんに、俺はなる!」

祈った瞬間に突風が吹いた気がしますが、激励かな?と自己暗示して、今回もおみくじを引くことに。

「大吉」

なんということでしょう。あれほどくじ運のなかった私が3日間で2度も大吉を引いたのです。
さらに願望に関して「望みのままなり 人の言葉に迷うなかれ」と書かれてあり、貴船の神様が「お前アホやなあ、なんかおもろそうやからそのままやってみいやw」と両手でガッツポーズをしてくれているように思えなくもない。


調子に乗った私はお守りも買うことにしました。

目に留まったのは「梶取守(かじとりまもり)」という、船の舵を形取ったお守り。
貴船神社は水にまつわる神様を祀っているようで、この梶取守には人生の進路などを決める際にお力添えいただけるものなんだとか。巫女さんにご紹介いただくままに私は1000円を奉納し、このお守りをいただきました。


今年は良いことしかない気がする。
神様がその大きな指の腹で私を背中からグンっと押し出してくれている、そんな気がする。

家について早速お守りを開封してみました。
私はパッケージに書かれた文字を見て愕然としました。

梶取大神の御神徳をいただかれますように」


え?「ように」ってどういうこと?
そっちサイドは「いただけますよ」って言ってくれるんじゃないの?

そっちも祈る側に立つの?え??

美容師が散髪前に「いい髪型になりますように」って言わないでしょ?
ファミレスの店員が生肉運んできて「美味しいハンバーグになりますように」って去っていかないでしょ?

おかしくないですか!?


私は本気でそんな感情を抱きました。
しかし、瞬時に全てを悟ります。

あ、そうか授ける貴船神社側も人間だから「信じる」しかないのか。
水の神様とか、舵取りがとか、全て誰か「人間」が解釈をして信じているに過ぎないのか、と。


そういえば去年流行った「サピエンス全史」という本にも同じようなことが書かれていました(ちゃんと読んでませんが)。

人間というのは脳が発達し、目に見えない『概念』などを思い描くことができるようになりました。
その結果実態のない宗教や国境を信じ込むことが出来たので、赤の他人でも結束することが出来たり、未来を描いて信じられたり投資できたのだと。


つまり、人間は実態のないものを信じやすく、そのおかげで進化してきたのです。
その際たるものが「信仰」であると。

そう考えた途端に、さっきまで浮かれて小躍りせしめていた自分が腹立たしくなりました。
でも、こうなれば「信じる」しかないですよね。「信じる」しかない。

あれ、ということは都市伝説テラーの関暁夫(現:セキルバーグ)さんが言っていることも同じですよね。

「信じるか信じないかは、あなた次第です」


つまり都市伝説も、おみくじの結果も、星占いも、ビットコインだってそう。
実態のないバーチャルなものの価値は、人間の勝手な「信じる」という行為に依存するのです。

ともすれば「都市伝説は信用しないけど、おみくじは引く」というのは非常に愚かな行為ではないでしょうか。
おみくじを信用するのであれば、同じ理屈で都市伝説にも信用する価値があるはず。その矛盾に気づけないのはエゴが強いだけでしょう。

ちなみに私は関さんの言っていることを全面的に信用しています。
おみくじも引きますし、星占いも信用して時には凹みます。

どちらにせよ、どれか一つでも信じるのであれば統一した方がいいのではないでしょうか。

関さんが言ってることも、経済評論家が言うことも、巫女さんが言うことも。
信じるか信じないかは、あなた次第です。


というわけで本日のことわざはこちら。

巫女が言えど信じるか信じないかはあなた次第

【意味】
歴史ある宗教信仰も、いかがわしい都市伝説も、どちらも人間の「信じる」という行為によって成り立つのでおなじということ。

【例文】
お前大吉でテンション上がってるけど、フリーメイソン信じないよな。巫女が言えど信じるか信じないかはあなた次第なんだぜ。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。