【News】アリババグループと中華保険グループが包括提携協定を締結(20200608)

【Newsの概要】
6月1日、アリババグループと中華保険グループが北京で包括協力協定を締結し、双方が協力して中華保険グループにおける新たな保険基幹システムの構築に取り組むことになった。
今回の提携協定によると、アリババグループのアリババクラウドは、中華保険グループの子会社である中華損保の為に次世代完全分散型保険基幹システムを構築し、これにはアリババクラウド独自のクラウドプラットフォーム・データセンター・ビジネスセンター・金融技術製品を採用し、同時に公共の金融クラウドプラットフォームを導入することで、保険業界で初めてハイブリッドクラウドモデルに基づく基幹システムを構築することとなるという。
中華損保のイノベーション研究センター総責任者である胡大麗氏は、次のように述べている。
「保険会社はビジネスの観点で革新的な変化に迅速にキャッチアップしたいと考えても、それに対応する情報システムをバージョンアップするのに6ヶ月-9ヶ月かかってしまう」
「9ヶ月後にはそうした『革新的な変化』は終わってしまい、市場の需要も変わってしまうというのが、従来の情報システムの能力と現在の急速に発展している保険市場の間にある大きな溝だ」
胡大麗氏がコメントするように、マッキンゼーが以前発表した調査報告書でも、中国において革新的な保険商品や非接触サービスモデルに対する個人や企業の関心は既に蔓延していることが指摘されており、顧客のニーズに迅速に対応し、それに応じた変化ができる保険会社は、市場からのより豊かな果実を得ることができると予測されている。
逆に部門を跨ぐ際の複雑な連携や階層的な承認プロセスの仕組みから脱却できず、コミュニケーションに大きなコスト・期間をかけてしまっている企業は新製品の発売が何度も遅れ、市場の需要を最初に応えるチャンスを逃している。
今回の両社の試みは、従来の組織や枠組みの下で逃していた機会をグリップしにいくことを企図していると見られる。
(出典:中国金融新聞網等の記事から筆者が引用&翻訳・要約)

【一言コメント】
「次世代完全分散型保険基幹システムを構築」することがそんなに万能なのか疑問符が残るところではありますが、こうした取組がいわゆる大企業病を克服する一つの手立てとなるのであれば凄いことですね。

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