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舞台作品の感想

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演劇だけでなく、お笑いライブの感想など
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記事一覧

街裏ぴんく/虚構の身体性

街裏ぴんくがR-1グランプリを獲ったという嘘のような本当の報せにとてつもなく心が踊った。そ…

月の人
1か月前
9

そこにないものを探す~男性ブランコ「嗚呼、けろけろ」/「マヂカルラブリーno寄席」

男性ブランコが国立科学博物館を会場にして繰り広げたコントライブ「嗚呼、けろけろ」を観た。…

月の人
4か月前
6

令和ロマン、爆発の夜を終え

あれはそう、とても暑かった日。三密回避でステイホームな日々が続いたコロナ初年、夏にオープ…

月の人
4か月前
34

対象喪失と思い出の瞬き/ダウ90000『また点滅に戻るだけ』

ダウ90000の第5回演劇公演『また点滅に戻るだけ』を配信で観た。とてつもない面白さである。ネ…

月の人
10か月前
12

男性ブランコ『やってみたいことがあるのだけれど』とスピッツ『ひみつスタジオ』

男性ブランコのコントライブ『やってみたいことがあるのだけれど』を配信で観た。繊細な詩情に…

月の人
10か月前
21

ロロ『BGM』とスカート × 街裏ぴんく『VALETUDO QUATRO』

ステージというのは、可能性が溢れ続ける空間だ。こんなことも見せれるのか、こんな宇宙も広げ…

月の人
11か月前
10

小林賢太郎『回廊』/繰り返せど繰り返す繰り返し

2020年にステージパフォーマーとして引退して以降、作・演出としても劇場での新作公演を行ってこなかった小林賢太郎。今年に入り、オンライン上に架空の劇場「シアターコントロニカ」をオープンし、配信コントはいくつか発表してきたが、この度待望の劇場コント公演が配信されることになった。 神奈川芸術劇場KAAT大スタジオで収録された有観客ライブを編集して仕上げられた今回の配信公演。出演者に小林はいないが、久ヶ沢徹、竹井亮介、辻本耕志という馴染み深いメンツから南大介、高崎拓郎、松本亮とい

令和ロマンとウエストランド、反芻に耐える疾走感

M-1ファイナリストと敗者復活戦進出者が全国をサーキットする『M-1ツアースペシャル』。毎年恒…

月の人
1年前
31

12月に観たお笑いライブ(よしもと有楽町シアター/ワラムゲ!/THE大喜利/ナゴッパチ/名…

今月は東京に講習会で行ったので、色んな劇場を回りました。M-1に特化してお笑いを語るのもま…

月の人
1年前
8

最近配信で観たお笑い(浦井が一人と「話」が三つ/ダウ90000ドキュメンタリー「耳をか…

11.19 浦井が一人と「話」が三つ(アーカイブ11.26まで) 昨年に続いて行われた、男性ブランコ…

月の人
1年前
20

わからなさの濃度~岩松了「クランク・イン!」@ウインクあいち

2022年11月19日、夜公演にてM&Oplaysプロデュース「クランク・イン!」を観劇。岩松了が作・演…

月の人
1年前
8

2022.11.16 MOROHA × 蛙亭、挫け昂るということ

MOROHAがお笑いコンビを迎えて敢行している全国ツアー。名古屋ReNY Limitedのゲストは蛙亭。蛙…

月の人
1年前
13

お笑いブームの極致にて~2012 to 2022

2022年10月22日、ウインクあいちで「天高く馬肥ゆる東名阪漫才興行」の名古屋公演を観た。カナ…

月の人
1年前
17

Aマッソ 第9回単独ライブ『与、坐さうず』@愛知県芸術劇場小ホール

生では初めて観るAマッソの単独ライブ。名古屋での単独は初めてとのことだが330席は満席。客層はオシャレな男女が多く、クールなカルチャーと化したお笑いを実感する。ぱっと見たらカネコアヤノのライブの客層とほぼ同じ。そしてそんな支持の厚さを裏付けるような内容の上質さは圧巻だった。 加納愛子の作り上げるネタはそのどれもが客側の様子を伺うことなく、ひたすらに己の面白いという感覚を研ぎ澄ませてある。媚びてないのだ。活動のフィールドも広がり、お茶の間の入り口に立ちつつある彼女たちだが単独