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Six Star Journey〜まずはロンドンマラソン(その7・完結編)〜ロンドンマラソン(23.4.23)走りました

「思えば遠くに来たものだ」

ゴールの瞬間にそう思った。
それは東京からロンドンという物理的な距離のことではない。
物心ついたころから、地球儀をまわして遊んでいるような子だった。漠然と遠くの国、外国の旗や世界地図の好きな子だった。中高生の時の憧れはイギリス、ロンドン、ユニオンジャック、ゴット・セーブ・ザ・クィーン。すっかり忘れていたけど、自分はここが、この国が大好きだった。長い長い人生を経てここに辿り着き、ロックスターのような大歓声を浴びながら、42.195キロ(こちらでは26.2マイルが一般的ですが)を走り切った。
「楽しんで」とは言うものの、何度走ってもフルマラソンは苦しいし、正直言って、世間的な「楽しい」とは違う。それでも走るし、走りたいし、「丈夫でケガしない身体に産んでくれて、ありがとう」と、金メダリストでもあるまいし、決して言わないけど、心の中では思っている。

I did it !!!

スタート地点へ

スタート地点にはホテル最寄りのヴィクトリア駅から乗り換えなしで27分。ゴール地点に近いことで選んだロケーションであったが、スタート地点へのアクセスが良いのは偶然のラッキーだった。
ウェブスタートの順番毎に到着列車が指定されており、欧米人が従うとは思えないが、早からず遅からずの設定なので、その通りの9:07に乗る。

レース参加者は乗車無料なので、
改札前にランナーが集合してきて待つ。

コンパートメント型のほぼランナー貸し切り列車化した車内では、ランナーグループが大声で話して盛り上がる。こういう時に、日本では、皆静かにしているが、そうでもないみたい。隣りに座った英語ではない言葉の白人女性がバナナの皮を外に捨てたのには、流石に驚いたが、楽しそうなのはよく分かった。
前の列車がつかえているのか、到着駅の前でノロノロ走行、停止を繰り返して、30分近く遅れて到着。
小雨が降ってきた。

万国共通、レース前のトイレ事情
長蛇の列

雨は徐々に強くなり、ウェブスタート13番目の自分がスタートする11時頃には、完全に本降りとなる。

国内レースでは、これまで一度もスマホを携帯して走ったことはないが、海外で命綱のスマホを手離すことが怖くて、初めて携帯して走った。
ただ、レースが撮影旅行になっては本末転倒なので、レース中の撮影は、20キロ地点のタワーブリッジだけと決めていた。

レース中に撮影した唯一渾身の一枚

道路を広く使わず、観客をランナーの近くに置き、観客は大声と言うか、何言ってるのか分からないけど、奇声を発して声援し続ける、よく海外の自転車レース中継で見かける、あの光景が延々と続いている、そう思っていただけるとわかりやすい。

結果の速報、4:42:25、シーズンベストからも15分以上遅く、最近の目標目安であるサブ4.5ペースを維持出来たのは中間点くらいまでという、時計的には意味のない内容だ。
それでも、完全に潰れることなく、ペースを落として最後まで歩かずに走り切ったのは、「世界一のチャリティー・スポーツ・イベント」と豪語するロンドンマラソンへの敬意と、大声援で後押ししてくれた観客、大会関係者、チャリティー団体(Phab Kids)のJanine Williamsへの感謝、そして何より「しゃれぷろランナー」を自認する自分へのちっぽけなプライドだ。

英語かぶれになっているので、もう一度言う。
I did it !!!
2つ目の星を手に入れた。

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