ブックスマートで生きるかストリートスマートで生きるか【暮らしのポートフォリオ】
久しぶりの「暮らしのポートフォリオ」シリーズです!
今日は「ブックスマート」と「ストリートスマート」についてお話していきます。
今回お話するメンバーは、ブックスマート?ストリートスマート?
今回の記事では「ブックスマート」と「ストリートスマート」をこのように定義しています。
ブックスマート:知識の中で生きていくことに長けている人
ストリートスマート:現場で生きていくことに長けている人
半田理人
ビールと郷土料理を愛するシェアビレッジ町村の家守。大学卒業後、銀行員、大学職員を経て五城目に移住。
あなたはどっち?
→ブックスマートの社会を経験した後ストリートへ
akapos
立川を拠点に活動する青学卒のラッパー。探求テーマはヒップホップとコミュニティの関係性。
あなたはどっち?
→ストリートスマート
清田周子
建築の大学院を卒業後、建築の道に進まずアパレル業界等を経て沼津に移住。ぬまつー(村)村長。
あなたはどっち?
→周りはストリートスマートが多いが、自身はどちらでもない
鈴木希授
国際教養大学3年生。高校時代に海外ボランティアに取り組み、特別入試で大学に合格。
あなたはどっち?
→大学生活はブックスマートだが、同年代よりはストリート寄り
ブックスマートとストリートスマートの境目
akapos:このテーマでお話したいなと思ったきっかけが、僕の実体験からなんです。
自分は、ヒップホップのなかでラップをやっていくうえで、自分の中で「大卒」で、しかも「青学卒」であることがネックに感じていたんです。
でもストリートど真ん中なタトゥーの彫師に、ブックスマートの面がうらやましいって言われて衝撃を受けました。
半田:これからはストリートスマートだよねって風潮が今は強い気がしますけどね。
ネットで定義を調べてみても、「ブックスマート」は「知識はあるが実用性に欠ける」。「ストリートスマート」は「身をもって体得したことを糧に実社会でたくましく生きていく」。って言われてる。
自分は、大学を出て新卒で銀行員になって、その後大学職員になってたので、ブックスマートの人が多いところで働いてきました。
でも今は田舎で事業立ち上げて、ストリート寄りの生活をしています。
個人的な興味分野はビールや郷土料理なので、ゴリゴリにストリートな人が多い世界。こだわりが強くて「俺はこれで食っていく」みたいな。
一方で、もちろん飲食は免許が必要だったり、質をあげていかないといけなかったり、そういうところはやっぱりブックスマートとは切り離せないですよね。
akapos:ストリートのその風潮はめっちゃわかります。
いわゆる職人みたいな人たちって「素人が簡単に手出すんじゃねえ!」みたいなイメージがある。ドラマとかのイメージかもしれないですけど。
それこそ「大卒がヒップホップなんかやりやがって!」みたいな空気も感じちゃうんです。勝手に境目を作っちゃうんですよね。
逆もしかりで、農家でバイトしてた時に、友達に「よくそんな仕事できるな」って言われたんです。
「俺は第一次産業で働きたくないから勉強してるんだ」って。
彼、言い方は悪かったし、農業を楽しんでいる俺に向かって言う必要はなかったと思うけど、一理あるなと思いました。
きつい肉体労働をしなくて済むように大学にまで行って勉強してる人ってたぶん多いと思う。
その溝がどんどん大きくなっていっているなっていうのを感じています。
清田:私はブックスマートにもストリートスマートにも当てはまらない気がしていて…。勉強ができるのも現場対応力があるのも両方うらやましいなと思っちゃいます。
今のお話を聞いていると、沼津の仲間はストリートスマートが多い気がするんですが。
akapos:ブックスマートの人とストリートスマートの人でグループがわかれてるきがしちゃうけど、きっと清田さんみたいなどっちでもない人がうまくつないでいたりするんだろうな。
鈴木:私は大学生の目線からすると、教育にはその差がなくなってきているのかなと思っています。
私自身は普段は大学で勉強しているので、社会的にはブックスマートなのかなと思うんですが、同年代と比べるとストリート寄りなのかな。
うちの大学って面白くて、入試形態がたくさんあるのでいろんなタイプの子がいるんです。
一般入試のレベルはだいぶ高くて、一部はセンター試験や共通テストの得点率が東大とかを越えて一番だったりするんですけど、一方で半分くらいの子たちは推薦とか総合型選抜とかその他の特別入試で入ってくる。
私みたいにボランティアとかを頑張ってた子もいれば、海外生活が長い子とか、スポーツや音楽ですごい実績を持ってる子もいて。
そういう人たちが、どっちがすごいとかではなく、一緒に学んでいるのが面白いです。
うちの大学だけじゃなくて、日本の大学入試の傾向だと思います。
一般以外の入試で入る子たちが増えてきていて、高校時代にストリートスマート的な学び方をしていても、評価してもらえるようになってきている。
さっきakaposさんが大卒であることがストリートで生きるのにネックになっていると感じたとおっしゃっていたんですが、ストリートスマートであることと大学に行くことの両立がしやすくなってきているんじゃないかなと思います。
半田:国際教養大の子はストリートスマートの子が多いね。
五城目まで来て作業手伝ってくれたり、学内コミュニティが活発だったり。そもそもシェアビレッジでインターンしようと思ってくれる時点でストリート寄りだと思う。
挫折を知って生きる術を得る
清田:そういえば、大学入った時に、浪人して入ってきた子たちってすごく大人に見えたなって今思い出しました。
挫折を味わって、予備校とか通いながら頑張ってた時間が大きいのかな。
大人になってからは、新卒で就職せずに世界を放浪していた人に、同じ空気を感じます。
akapos:挫折して馬鹿にされるのってキーポイントかもしれないですね。
馬鹿にされてもいいから好きなことをしたいっていうタイプがストリートスマートに多くて、馬鹿にされたくないから頑張ってる人がブックスマートに多い。
ストリートの人たちってどこまでやったら怒られるかわかってるんですよ。ずる賢いというか、言い方を変えれば生きる術というか。
半田:そうですね。
自分の経験として挫折を味わってきているから、達観した人ってストリートに多い気がします。
逆にそれを自らの経験として味わってこなかった人たちが、教科書を頼りにストリートに突っ込んでいって失敗するっていうパターンもある。
生きる術を知っているのはストリートスマートの人たちなのかな。
逆に、幅広いものに接点が持てるような場所にいるブックスマートの方が、豊かな発想で物事を見られるのかななんて思ったりもします。
ネットで定義を見たら「ブックスマートは頭でっかち」なんて書かれてましたけど、その地や文化の中の価値観でギュッと固まって生きているストリートスマートの人たちと比べて、ブックスマートの人たちは物事を引いた視点から見れるイメージ。
どっちがいいとかじゃなくて、自分の中のバランス感覚の問題なんでしょうね。
ブックスマートとストリートスマート。
価値観に応じて自分に合った学び方ができたり、あえて違うやり方を取り入れることで視野が広がったり、自分がどちらか知ることは深い学びにつながりそうです。
ラーニングビレッジは、「あそぶように学び、学ぶようにあそぼう」をテーマにした学び場。参加者それぞれにあった学び方を実現できます。
ストリートスマートの人が多いイメージかもしれませんが、ブックスマートの人も大歓迎!ブックスマート・ストリートスマートの垣根を超えたチャレンジも応援します!
ブックスマートもストリートスマートもさまざまなバックボーンを持った人が混じり合うからこそ起きる化学反応に期待です。
トークの後編も近々公開予定ですのでお楽しみに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?