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バイブスとパッション、そして共感(コミュニティ編)

こんにちは。キュレーターの赤坂です。
前回『ヒップホップとコミュニティの関係性』という記事を書かせていただきました。

別の顔として持つラッパーakaposとして、ヒップホップの表現者としてのアーティスト活動をしながら、シェアビレッジや地元立川のチームなどでコミュニティに携わる活動をして、「ヒップホップとコミュニティ」という命題を追究する日々を過ごしています。

今回は前回の記事に続いて、『バイブスとパッション、そして共感』というタイトルで「コミュニティ編」「ヒップホップ編」それぞれ記事を書きました。


なお、「ヒップホップ編」は趣旨が異なるので、ラッパーakaposとして運用しているnoteにて公開しています。
両方合わせて一つの物語になるようにライティングを頑張りましたので、ぜひとも「ヒップホップ編」もご覧いただきたいです。
大した物語ではないですが、執筆者としてはストーリーテリング的に、ちょっとマニアックな内容を含むものの、「ヒップホップ編」からお読みいただくことをお勧めします。


本記事の結論として、タイトルにある「バイブスとパッション、そして共感」こそが、コモンズにつながりコミュニティが成り立つプロセスになっていくということを、キュレーター赤坂に加え、ヒップホッパー・ラッパーとしての私見を述べていきます。

バイブスとパッションが合ってジョインしたシェアビレッジ

早いもので、シェアビレッジと関わりを持つようになってからちょうど1年が経過します。
「村づくり」「コミュニティ」というテーマに対して、「テクノロジー」からアプローチするという求人を発見して、「よくわからないけど面白そう!」という勢い任せに応募したのを覚えています。

当時、ちょうど地元立川の工務店チームでコミュニティ事業を立ち上げて、ビジョンとかフィロソフィー設計をしていて、漠然とコミュニティとかサードプレイスをつくっていきたい、と思っていた頃でした。

新規事業として「地域と関わりしろをつくる何か」を始めた時期で、なんとなく個人的に、まちづくりとか地方活性とかエリアリノベーションとか、なんかちょっと堅くてしっくりこないな〜と思っていて、コミュニティとかサードプレイスみたいなテーマで新規事業を推進していこうと決めていました。
せっかくだから、他のチームでも同じような経験ができるといいな〜というモチベーションでシェアビレッジを見つけました。

応募してから面談前、シェアビレッジについて調べているとビジネスモデルやフィロソフィーが「なんか凄そう」と思い、さらにウェブサイトや求人ページに書かれていることや思想が難しそうだな〜とか思いながらも、なんだかワクワクする感触を感じていました。
一方で、そこにいる人(シェアビレッジメンバー)が、めちゃくちゃ凄そうな人たちだから、自分みたいな半分アングラみたいな人間(笑)では会話が噛み合わないかもしれないとか思ってました。

実際に面談をしてみると、結構会話が盛り上がったのを覚えています。
会話の内容は正直覚えていませんが(笑)

合計で3〜4回面談?面接?をしてジョインさせていただくことになりましたが、どれも会話内容のディテールを全く覚えていません(すみません笑)

ただ唯一、鮮明に覚えていることがあって、ボードメンバーとそれぞれ会話するなかで、明確に空気感というか温度感に心地よさを感じていました。
今だから言いますが、正直な話、業務についての具体的なイメージが湧かないままジョインしたのですが、話が進んでいく中で両者のバイブスが高まっていく感じと、自分自身のパッションが上がっていく感じがしたので、あまり不安がなかったです。

ジョインが決まってから秋田に出向いて合宿を行いましたが、採用された理由を聞いたところ「バイブスとパッションが合ったから」と言われたことがとても印象的で、当時の秋田合宿をダイジェストをラップにしてフィードバックしましたが、そこにも「バイブスとパッション」という表現を入れました。

一番最初の秋田ミーティング。夜は茅葺き屋根の古民家で焚き火を囲みました。

もちろん今ではキュレーターとして誇りを持ってコミットできていると思っています。
ただ、当時を振り返ると、立川チームでは採用や人事をしている僕からしても、お互いに考えられないほどすごい温度感のなかで話が進んでいっていたなと思います。

とにかく「難しいことは解らない」からできることを

当初感じていた「めちゃくちゃ凄そうな人たち」がいるという感覚は実際いまでも変わっていません。
メンバーそれぞれが持つコミュニティでの活動も、週次で行われているミーティングや時たま行う合宿での意見交換や、丑田さんのnoteも、「すごいなあ」というシンプルに語彙力のない感想を持つとともに、メンバー最年少としてとても魅力的なインプットと刺激を受けていて、提供できることより学ぶことの方が多いなと思っていました。

それぞれのメンバーが別々の拠点で活動しているということもあり、普段Slackを用いてコミュニケーションを取っていますが、Slack上での日常会話ですらレベルが高い。
自分以外のメンバーのそもそもの素養が高い次元にあるから、「自分には難しくて解らないよ!」と思うこともありました。

ただ、そんなことでせっかくご縁をいただいて、しかもバイブスとパッションが合ってジョインしたところをエスケープしたくないなと思って、解らないことはzoomなど繋いでしつこく質問攻めしたり、時には自分の思いを伝えてみたり、リアルオフィスがないからこそ、積極的にコミュニケーションをとりつつ、自分のスタンスを伝えてみるということを実践してみました。

zoomの一幕。背景はふざけてますが、真面目にお話をしています。

雑談を含む日常生活の対話を通して、丑田さんのよく言う「公でも私でもない共を持つ」とか「共異体」とかいう概念がだんだんと理解できてきて、その頃から、立川チームでのコミュティ事業のあり方や自分の持つコミュニティの目指したい先が明確になってくるようになりました。

ちょうどヒップホップの体現者としてラッパーとしての活動も明確に決まり始めていた時期とも重なっていたので、「ヒップホップとコミュニティ」というテーマがひとつ自分の武器になり、自分にとってこの命題こそがいまのキャリア形成そのものなのかもしれない、と気づくことができました。

僕なりに力強く、バイブスとパッションを持ってシェアビレッジを通して、僕なりのコミュニティやコモンズってことを語っていきたいと思うようになりました。

未だに「難しいことは解らない」という状況は変わりませんが、解らないなりにも、他のメンバーにはできない僕しかできない表現とやり方で、シェアビレッジの看板を背負って発信していきたいと強く思うようになりました。

まさに、シェアビレッジと関わりを持ち始めた当初、感じていたバイブスとパッションがようやく言語化でき体現できるようになってきて、モヤモヤと抱えていた問いに対する一つの答えに辿り着いた気がしています。

コミュニティとかコモンズって結局なんなんだろう?

ここからようやくシェアビレッジらしい話題に移ります。

諄いようですが、本当にシェアビレッジは多様で優秀なメンバーが揃っていると思っていて、それぞれがコミュニティとかコモンズに関して明確な「解」を持っています。
(もしかしたら、それぞれのメンバーがその「解」を現在進行形で模索している最中かもしれませんが、現時点での「解」としてしっかりと言語化してくれるのがシェアビレッジのメンバーです)

コミュニティとかコモンズについては、丑田さんや他のメンバーが記事を執筆してるので、ぜひこちらも覗いてみてください。

そんな僕自身でいうと、コミュニティとかコモンズへの明朗な「解」については、やはり「正直よくわかっていない」というのが答えだったりします。
ただ、1年間僕なりにコミュニティやコモンズについて真剣に考えてきて思っていることをここでアウトプットしようと思います。

これまでいろんな企画をシェアビレッジしてきました。その中でも印象に残っているのが俵山ビレッジの吉武さんとのリリース記念イベント。

そもそもキュレーターとして初めて初回面談から携わらせていただき、現地まで足を運んでコミュニティのリリースまでサポートさせていただいたプロジェクトなんです。

そこで、吉武さんが「2人以上人が集まればそこはコミュニティ」と仰っていて、シンプルに「あ、なるほど」と思いました。

僭越ながら補足をすると、ただ2人以上人が集まってもただのミニマムな集合体でしかない。
そこにある要件って、多分、バイブスとパッションなんだと思います。
まさにシェアビレッジと僕がつながったように。

なにか一つの事象や事実、思考に対して、バイブスとパッションが一致して人が集いつながりが生まれる
これって、めちゃくちゃ素敵なことであると同時に、ここからあらゆるストーリーが生まれる原石だと思うんです。

そして、その事象や事実、思考というバイブスやパッションがコモンズとしての一面を持っている、と今は思っています。

前章でも書いた通り、あまり小難しく考えるのが得意じゃないので、現時点での僕の「解」としては、ロジカルな理論を超えた精神的なバイブスとパッションの高まりの一致がコモンズへと注がれていき、そこからつながりが生まれていくことがコミュニティなんじゃないかなって思っています。今のところ。

じきに公開されるnote記事でも語る予定ですが、「言語化できない確固たるコモンズ」が存在すると、ヒップホップの視点でもっても信じています。

辿り着いたのが「共感」だった

さて、冗長に語りすぎましたので、この記事の結論づけをしていきたいと思います。

ところで、そもそもバイブスとパッションってなんなんだろうってことは、「ヒップホップ編」で、ヒップホップ的エッセンス強めに記しているつもりです。

ここまでお伝えしてきたことで、バイブスとパッション、コミュニティとコモンズについての関係性がちょっと行ったり来たりになってしまいましたと思います。
僕は、あくまで先立つものとしてバイブスとパッションが存在していると思っています。

バイブスとパッションが高まってジョインしたシェアビレッジ。
それだけではおそらくここまで真剣にコミュニティやコモンズについて追究できていないと思います。

その両者のなか(「バイブスとパッション」と「コミュニティやコモンズ」)にある潤滑油的な、セメダイン的な役割って「共感」だと思っています。
※なぜセメダインという表現を用いたかは、ぜひ「ヒップホップ編」をご参照ください

コミュニティやコモンズという理論を逸脱して、もちろんヒップホップ的な要素もないところで、思想や哲学以前の趣味や好きなことなど、どんなことにも個人的なバイブスやパッションって存在していて、でも、それって独りよがりだと誰もついてこないと思うんです。
つまり、先ほども示したように、ただ単に2人以上集まってもコミュニティが組成されることはないと思います。

マグマのように燃えるバイブスやパッションに対して、「これめっちゃいいじゃん」とか「超わかるわ〜」みたいな共感があって初めてそこに人がアクセスしてきて、ようやくつながりが生まれてくると思うんです。

例えば、シェアビレッジプロジェクトの茅葺き屋根の古民家。
ここも、ただの古民家だったら関係人口的にたくさんの人と関わりが持てなかったと思うんです。
茅葺き屋根の古民家自体の歴史や、地域での役割、その古民家を用いてどんな世界観を築きたいと思っていたか、というようなさまざまなことがプロジェクトのバイブスやパッションとして表れて、たくさんの方にアクセスいただいて、愛される場所になっていったんだと思います。
もちろん、古民家自体がコモンズと表現されますが、バイブスとパッションが吹き込まれて、人が集まるコモンズになる。

なんかこうやって文章にすると当たり前のことを言っていると思われるかもしれませんが、実はこれってとても奇跡的なことで、めちゃくちゃ素敵なことだと思っています。

バイブスやパッションというバックグランドから発生するものに対して、共感があって、そこから明確なつながりが生まれてそれがコモンズになって、コミュニティとして広がっていく

(一介のラッパーとして、ちょっとしたヘイトを込めて)軽々しく「コミュニティ」と語られる世の中ですが、このプロセスを経てできるコミュニティってめちゃくちゃつながりが強いと思うんです。

手前味噌ですが、このプロセスを経てつながったシェアビレッジは僕にとっての財産になると思ってますし、仮に誰かが欠けたり、仮に散り散りにになっても関係性は継続するんだろうなって思っています。

結局、コミュニティに捉われず、友達になるにしても、チームになるにしても、恋人やパートナーになるにしても、バイブスやパッションという前提条件のうえに「共感」というプロセスは、欠かせないファクトなんだと思っています。


かなり長くなりましたが、『バイブスとパッション、そして共感(コミュニティ編)』は以上になります。

ShareVillageプラットフォームで、これまでもこれからもコミュニティを立ち上げるオーナーの方々は、なんかしらのバイブスとパッションを持って、コミュニティを立ち上げたいと思っていると思います。
だからこそ、そのバイブスとパッションを、キュレーターとして、一人の人間として最大限にリスペクトして、たくさんの共感を生み出して素敵なコミュニティづくりの伴走をしていきたいと思っています。

ShareVillageでは、新たなコミュニティ立ち上げの伴走支援として、二つのキャンペーンを開始しています。

最後に、ラッパーakaposとして楽曲だけでなくnoteやラジオを通して情報発信をしています。
ヒップホップ的な視点を交えながらコミュニティについての考察などしていきたいと思っていますので、興味がある方はぜひ覗いていただけますと幸いです。


皆で持ち寄って育む、“村”のようなコミュニティをつくってみませんか? コミュニティをつくりたい方、コミュニティに参加したい方はホームページをご覧ください!


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