翔一

大事なカメを守るための作戦を練っています https://kagashaw.jimdo…

翔一

大事なカメを守るための作戦を練っています https://kagashaw.jimdo.com/

マガジン

  • アカミミガメ

    アカミミガメの生態や問題について紹介します。暇なときに。

  • カメ探し

    お外にカメを観察しに行く人が増えるように、カメ探しの面白さを紹介していきます。

  • ニホンイシガメ

    日本固有種のニホンイシガメについて、最新の知見を加え、現状やその魅力を発信していきます。

  • カメの生きざま

    一般的にはあまり知られていないカメの生態・行動・進化について、自分が面白いと感じたものを中心に紹介していきます。更新ペースは週1、2本ほどです。

  • カメの調査方法

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和亀よどこへゆく

日本にしか生息しないカメが各地から消えてゆく ニホンイシガメと呼ばれる日本固有種である 人間の手によって 多くの人に知られることもなく、様々な地域からいなくなっている 人間が引き起こした直接的, 間接的な影響によって, この貴重な固有種が絶滅しつつあるのに、多くの人はその事実を知らずにいる だからこそ、この問題を社会へと発信し、多くの人たちがこの問題を認識し, 適切な対策を検討・実施することにより, この問題を解決する必要がある. では一体、このカメがいなくなって

    • 防除されずに放置されるクサガメに対して思うこと

      日本各地に生息するクサガメは外来種であるとの考えが定着しつつあるが、これまでに在来生態系の保全を目的とした防除対策はほとんど進められていない。これは、単に生態系への影響が軽微だからということではない。クサガメが大好きな人たちにとって、昔は保全対象としていたカメを外来種だからという理由で駆除対象にはしたくない。こういった感情に由来するようだ。 クサガメ擁護派(防除慎重派)の主張として、現在クサガメが優占する環境の多くではニホンイシガメがほとんど残っていない(置き換わったとの考

      • 天敵のいない外来種アカミミガメも野外では意外と死んでいます

        北米原産の外来種アカミミガメ(主に見られるのは亜種ミシシッピアカミミガメ)は既に日本各地に分布を拡大させ、平野部を中心に個体数を激増させています。 その原因として、日本には競合する他のカメが少ないこと(在来種ニホンイシガメ、外来種クサガメなど)、成体を食べるワニ類等の捕食者がいないこと(天敵がいない)、産卵数が他のカメに比べ圧倒的に多いことなどがあげられています。 そんな無敵と思われてるアカミミガメですが… 実は成体が死んでいる場面に出くわすことがあります。 例えば、

        • 奇抜な淡水ガメ「マタマタ」も2種に分かれました

          みんな大好きマタマタさんも、2020年にChelus fimbriataとChelus orinocensisの2種へと分割されました。 関連論文はこちら。 とても嬉しかったのか、あの時の私はこんなツイートしていたみたいです。 懐かしい… 日本語でも記事があったみたいなので気になる方はこちらへ。 なお、最新のカメさんチェックリストでも2種が別種として紹介されています。 2種の写真と分布域が気になる方はこちらへ。 ちなみに、以前よりペット業界では、形態が異なること

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        記事

          ワニガメは2種いた

          従来、ワニガメ属(Macrochelys)の現生種はワニガメ(Macrochelys temminckii)の1種のみとされていたが、見直しにより現在では以下の2種が認められているようだ。 1. Suwannee Alligator Snapping Turtle (Macrochelys suwanniensis) 2. Alligator Snapping Turtle (Macrochelys temminckii) : いわゆるワニガメのこと。 3種目も提案され

          ワニガメは2種いた

          カミツキガメは4亜種ではなく、3種の独立種とする説が一般的になっていた

          カミツキガメの分類に関するメモ書き。 アメリカ大陸に分布するカミツキガメ(Chelydra serpentina)は、基亜種のホクベイカミツキガメ(C. s. serpentina)、フロリダカミツキガメ(C. s. osceola)、チュウベイカミツキガメ(C. s. rossignoni)、ナンベイカミツキガメ(C. s. acutirostris)の4亜種に分類される。その一方で、チュウベイカミツキガメとナンベイカミツキガメをそれぞれ独立種とする説もある。というのが、

          カミツキガメは4亜種ではなく、3種の独立種とする説が一般的になっていた

          ミミズを食べるカニ

          カニはミミズを襲って食うようです。 これも懐かしめの写真。

          ミミズを食べるカニ

          モズの"はやにえ"にされる日本のカメ

          肉食の鳥類であるモズは、捕えた獲物をなわばり内の木々の枝先などに突き刺して"はやにえ"を作ります。 バッタ類などの昆虫、アマガエルなどの両生類やニホンカナヘビなどの爬虫類が"はやにえ"として枝に突き刺さっているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。 中には、「どうやって食べるのだろう」と不思議に思ってしまう動物の"はやにえ"もあります。その筆頭として、カメがあげられるでしょう。 以前、私は日本に生息するカメ類の捕食者を整理した和文(加賀山・小賀野 2021)を

          モズの"はやにえ"にされる日本のカメ

          アカミミガメは魚の死骸を食べる

          この前、アカミミガメが魚の死骸を消費することを紹介しました。 私が撮影した動画よりもインパクトのあるものはないのかな、と探してみたら以下の動画が見つかりました。 私の動画に比べ、かなり分かりやすい映像です。 動画1 動画2 動画3 今日はこんな感じで。 ではでは。

          アカミミガメは魚の死骸を食べる

          アカミミガメは水辺のお掃除屋さん

          ミシシッピアカミミガメたちが川岸に打ち上がるコイの死骸を摂食していました。 アカミミガメは多種多様な在来の水生生物を捕食し、ハスなどの農作物を食害するなど、生物多様性や経済への多大な悪影響が問題視されている一方で、生物の死骸をすばやく消費する腐食動物としての良い一面もあるようです。 詳しくは以下の動画をご覧ください。 ちなみに、この観察例は以下の論文(観察記録)として発表しました。 加賀山翔一. 2020. ミシシッピアカミミガメによるコイ科魚類の死骸の摂食事例.

          アカミミガメは水辺のお掃除屋さん

          雨季に集団で孵化するスッポンモドキ

          今回はペットとして人気があるスッポンモドキ(Carettochelys insculpta)の不思議な孵化についてです。 スッポンモドキはニューギニアやオーストラリアに生息するカメで、スッポン類と同様に甲板がなく、吻端はブタのような形状をし、前肢はオール状になっているといった独特の形態をしています。 本種は他のカメと同様に、地面に穴をほって卵を産みますが、孵化に関しては他のカメと大きく異なります。 卵の水没が孵化の鍵スッポンモドキの卵は、産卵巣が浸水し、酸素供給量が低下

          雨季に集団で孵化するスッポンモドキ

          クサガメ色々

          これまでに撮影したクサガメの写真の一部です。

          クサガメ色々

          ニホンイシガメ

          ニホンイシガメ Mauremys japonica は日本固有種である。今回はこのカメを紹介する。 分布本州、四国、九州及び周辺島嶼(佐渡島、壱岐、対馬、淡路島、五島列島など)に広く分布する。Yasukawa et al(2008)によると、東限は千葉県・茨城県、北限は新潟県、南限は鹿児島県となるようだ。東北地方からも分布が確認されているが、これらは人為的な移入によるものと考えられている。 生息環境 平地から丘陵地にかけての河川、溜池や湿地に生息する。灌漑期には河川や溜

          ニホンイシガメ

          日本に生息するカメの捕食者

          多くのカメ類に共通することとして、卵から幼体の時期には様々な捕食者に食われる一方で、成体など体が大きく育った個体はほとんど捕食されることがないといった特徴があります。 では、日本に生息するカメ類はどのような捕食者に食べられてるのでしょうか? 実は日本に生息するカメ類の捕食者はよく分かっていません。それは、そもそもカメが捕食される瞬間を観察した事例が少ないことに加え、これらの報告を網羅的に整理し、各カメがどのような成長段階のときにどのような捕食者に食べられるかをまとめた文献

          日本に生息するカメの捕食者

          捕食者がカメを襲う瞬間

          これまでに、日本に生息するカメ類の捕食者を整理した文献を紹介しました。 加賀山翔一・小賀野大一. 2021. 日本に生息する淡水性カメ類の捕食者に関する文献調査. 爬虫両棲類学会報 2021: 36-43. 上記の文献により、日本に生息するカメ類の捕食者に関して、その全体像が見えるようになりました。 しかし、ネット上には上記の文献では引用文献に含めることができていない一方で、今まで記録にない捕食者がカメを捕食した瞬間を鮮明に映した動画が投稿されています。 そこで、今回

          捕食者がカメを襲う瞬間

          アライグマはカメの主要な捕食者です

          アライグマは卵から成体にかけた全成長段階のカメを襲う捕食者です。 *多くの論文があるので後日まとめます。 今回はアライグマがカメを襲う貴重な瞬間を撮影した動画をまとめてみました。 アライグマがカメを捕獲し、肢を食いちぎろうとしています。 ニホンイシガメもこうやって腕をもぎ取られているのだろう。 アライグマがトウブハコガメを襲う動画です。 アライグマが産卵中のカミツキガメ?に襲いかかる動画です。

          アライグマはカメの主要な捕食者です