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ドキドキという音楽に頼って生きている



ライブハウスに行くことが好きだった。


アルコールと副流煙、自分にない匂いを纏って歩いて帰る夜道は特別感を感じたし、生で今を掻き鳴らすバンドの荒々しさに、日常の喧騒なんて消し去られて、うっとりしてしまうほどだった。
最近ではめっきりライブハウスに足を運ぶことは少なくなってしまい、"あんなに好きだったのに、無くてはならないものだったのに、あたしは薄情だな"と思うことがある。
他に大切なものが増えたからだろうか。
足繁く通っていた数年前から少し大人になったからだろうか。
だけど、一度芽生えた好きという気持ちは無くなりはしなくて、ある時ひょっこり出てきだと思ったら、ザラザラしたあの感覚を蘇らせてくる。
SNSで最新の情報収集や数秒毎に更新される今に振り回されることはなくなったけど、それでもまだ音楽には頼らざるを得ない。新譜が出ると知ると嬉しく、人から教えてもらう知らない音楽は気持ちを弾ませる。


音楽と共に感情を見つめながら、自分に向き合い過ごしてきた。
忘れていた煌めきと興奮、羨望と好奇心
スイッチになるのはいつも音楽だ。



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