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甘じょっぱいのが流行りと聞いたので


フォークで丁寧に切り分けながら食べたニューヨークチーズケーキ
二等辺三角形のお尻の方に行くにつれて大きくなるのは分かっているのに、先っぽがあった頃と同じように切り分けてしまい、最後の一口には少し大きいくらいの塊を口に押し込んだ。
生活していると急に泣きそうになることがある。
優しいものに触れた瞬間だろうか
カフェでも、誰かと食事していても
どんな気持ちの時だろうか
嫉妬、羨望、悔しさ、情け無さ、不安、劣等感
慈しみ、愛おしさ、切なさ、思慕
温かさに慣れないと不安定だし、寂しさに慣れないと弱い


2人で曲を出し合ってプレイリストを作って、そんな気はないかもしれないけれど、RADWIMPSのふたりごとが流れてきた時は、胸がきゅっと縮まった。
新幹線の座席に座って広げたバッグ、カメラを持ってきた君が可愛かった。繋いだ手、眠りながら親指で撫でる君が愛おしかった。
涼しいねと笑う顔も、ふざけてシャッターを押すのも。
片っぽずつのAirPodsで口ずさみながら歩く知らない街。
指の先の先まで触れていたくなる。
私はあなたが好きだ。


幸せで満たされる時間はそう長くはない
寄せては返す波のように
温かさが去って行ったあとは不安が隣にやって来る。安心は後ろ髪引く間もないほどのひと時に過ぎない。


君が誰かと過ごした冬があるのなら、君と過ごせる冬なんて来なくていいとさえ思ってしまう。
夏の君しか知らない
秋の、冬の、春の君が知りたい
知らない君が多すぎる
過去の写真で見るいろんな季節の君
ほんとの気持ちとは矛盾していて、羨ましくて、切ない。


私の知らない温もりにハッとさせられ、

そっと涙が出てしまう。

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