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中国勤務7年超の経験からこれから中国へ仕事で渡航される中国語初学者向けに学習ノウハウをまとめてみた

 彼是、2016年4月に中国北京へ駐在員として渡航して、2018年4月に現地採用として中国深センへ飛び込んでから、早7年以上が過ぎた。

 私は、もともと28歳から中国語を語学学校を使いながらも、基本的には独学でコツコツ勉強をしてきたものであるが、今ではお蔭様で、20数人越の中国人がいる職場の中で、円滑に中国語を用いてコミュニケーションができるようになった。その経験を下に、今後中国へ渡航される中国語初学者向けに私がこれまで経験してきた学習ノウハウを以下まとめてみたので、ご笑覧頂きたい。

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 1枚目:まず、語学の勉強はビジネスと同じ。つまり、端的に上記の通りであるが、社会人である以上、自分でとことん考え抜き判断し行動するということ、その結果中国語を学ぶという決断する以上、語学の勉強も①自分の立ち位置と目標を定め、②仮説と実践と失敗を繰り返し、③それでも継続的な努力を絶やさず、④徐々に力をつけていくこと、を回していくのみである。特に、徐々に力をつけていくこと、巷の語学学校や語学コーチングスクールでは、「〇か月間でHSK5級・6級等」とあたかも短期間で中国語が修養できるようなことを謡っているものがあるが、実際中国で働いているとそんな数か月間で中国語をペラペラに喋れている方にほとんど出会うことはありません。継続的な努力の必要性については、こちらのKazuさんのTwitterの話にすごく共感しました。

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 2枚目:中国語の特徴。上記スライドは、英語と日本語を対照にした場合の中国語の立ち位置。日本語と中国語はかなり近い。単に漢字を使っている理由でけではなく、①英語と異なり発音の音声の組み合わせは母音と子音の組み合わせで一音節がなる(日本語と同じ、英語は子音のみで音節を構成する単語が多くなりこれが日本人が英語のリスニングを苦手とする要因)、また②中国語の文法はロジカル120%の英語よりも文脈ごとに柔軟に変化する日本語に実は、近い。そして、単語は圧倒的な日本人がこれまで学んできた漢字の優位性が活かせる。つまり、日本人にとって、中国語は圧倒的に学びやすい言語なのである。

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 3枚目:目標設定の考え方。初学者にとって陥りがちな目標が定まらないを避けるために新規に実際に駐在・仕事のために中国へ行かれる方向けの目標設定を例示。例えば30で新たに外国語を学ぶにあたって語学の天才でない限りネイティブレベルを目指すのは非現実的ではあるしそもそもここを目標設定にすべきではない。駐在する目的(習得する目的)に応じて段階的にレベルを設定し、目標を設定することによって合理的なPDCAを回せばよい。繰り返しではあるが中国語の全てを完璧にする必要はない、例えば財務等管理部門での駐在・勤務であればその分野のこれまでの専門知識プロトコルを用いることにより、それを外国人に伝わる技術さえ身に着ければ専門分野の知識経験と外国語のハイブリットでより効率的に中国での業務をこなすことができるのであり、そのレベルで十二分なのである。

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 4枚目:中国語の導入として発音についての説明。発音は中国語にとって超超超重要である。初学者にとってまず大事なことは、日本語にはない短母音「e」と「yu」の発音を完璧にすること、さらに子音の中でも巻き舌音「zhi,chi,shi,ri」を完璧にすることである。見様見真似でまずはこれが出来る様になったという達成感を得ること、そしてそれは中国人に教わるというよりも(日本人のできないくせをしっている)日本人に教わった方が良い。その上で、中国語の発音の最大の鬼門、四声のトレーニングに入るのである。
なお、資料は、フルーエント中国語学院の以下より使用させて頂きました。

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 5枚目:文法については、初学者にとっての中国語の学習上の重要性は低い(圧倒的に発音の重要性が高い)。但し3枚目のスライドのビジネス(下)レベルに到達するには早めの修養は必須である。文法においては、まずは全体像をつかむこと、文法の基礎的なルール、英語にはない中国語の特有のルールを覚えることが最優先である。文法と単語さえ使うことが出来ればビジネス上最低限の交流(メール)を使いこなすのは時間の問題である。
ちなみに写真については、中国語文法のベストセラー「繋がる中国語文法」より使用させて頂きました。

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  6枚目:そして業務上、書面、メールでのやりとりで必須になるのが単語の習得。何かしら外国に駐在命令ないし勤務するには学ぶ者にとっての専門分野があるはず。日常用語とは別に専門用語を覚えることは早期に業務上の現地スタッフと速やかに交流する上でも必要不可欠です。そして多くの場合、その専門分野には特定のプロトコルが存在するので、現地スタッフとは言語以上にそのプロトコルでやりとりができるものである。同じ分野のものであれば相手は「あぁ~このことをこの人は言いたいんだ」と分かってくれるものである。そうした環境から文法や発音の言語の学習としてのPDCAサイクルを同時に回していくこととができるので職場で慣れない中国語でもどんどん使っていくべきである(そして通じない苦しみ・悲しみ、通じる喜びを感じるべきである)。ちなみにスライドで紹介したのは会計専門職を例に水野真澄先生が著者である「中国ビジネス会計税務用語集」より引用させて頂きました。

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 7枚目:ここまでの参考書籍を紹介。特に1つ目の「HSK・中国語検定・最強の学習法」はおススメ、この分野の第一人者の三宅先生のご著書。ここまでのスライドの説明をもとにこのノウハウ本をもとにまずは自分なりの目標値の設定及び学習方法を検討・実施して頂きたい。

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 8枚目:1枚目のスライドと再掲。繰り返しになるが、語学の勉強について、①絶対的唯一の方法論はなく、②その都度自分で考え、自分の立ち位置と目標を定め、③仮説と実践と失敗(実践と失敗は特に重要)を繰り返し、
④それでも継続的な努力を絶やさず、⑤徐々に力をつけていくこと
、これの繰り返しが日々の中国語の成長に繋がるのである。近道等ない、日々練習と訓練と実践の繰り返しのみである。

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