これは貴方が物語を届けるまで#3【文体で世界観を表現したい】

世界観なんてねぇよぉ〜!!!!
うるせぇよぉ〜!!!!!
世界感なんてねぇよ〜!!!!
甘味こそが正義〜!!!

はいというわけでね、茶鹿秀太なんですけれども。

世界観ってなんだよ。

マジで。

世界観って、なんなんだー!!!!!!!

(完)

さて世界観の話だ。

これについては難しい。

何故かっていうと、定義そのものが違う人が多すぎて何を言っても「それは違うと思うなぁ」とか言う人多いから。

面倒クセェなぁ!!!!

でも世界観っていうのは大事だ。

世界観がない創作なんて味のないガムですよ。

というわけでまずは

「文面上の世界観について」

書こうと思います。

ちなみに僕ぁ趣味でVラップをしてるんですがね? 世界観がすごいと言われている人もまぁ多いわけですよ。ラップでいうところのリリック、つまり歌詞ですね。

歌詞っていうと音楽の中で表現する文体なんですがね、まぁーこれで独特な尖があって、雰囲気が通常のポップスと違い、病みとか透明感がありどこか鬱的で美しいみたいなの、ありますよね。あれは世界観良いですよね。

じゃあその世界観って再現性ありますか?って言われるとあんま無いんですよね。

理屈がないから。

感覚と天性のモノで作るから良い時は良いけど悪い時はとことん悪いなんてのはザラですよ。

これってメリットとして「売る気はない、今の自分ができる世界に対する視点をぶつけて感情を表現する」とかなら全然おっけー。変えなくても良いです。

でもデメリットもあって、「まぁ、良いんじゃない?世界観すご〜。こういうのも良いよね」で処理されることも多いと思います。いわば大衆ウケしないってやつですね。消費されちゃう聞かれ方するんですよ。

売れること考えるのは悪だって風潮昔たくさんありましたけど、まぁ正直一発屋で終わる可能性が高まってしまう諸刃の剣ですね。

さてまぁ色々書いたんですがね。なんのこっちゃですよね。

例えばこんな例文どうぞ。

1、
ある日、猟師さんは森の中に小さな熊の赤ちゃんを見つけた。

2、
某日、草枯に色煤けた葉が生い茂るのをヤケに目立つ森の真昼間の時間に猟銃を持った男が1人。獣の気配を感じ恐る恐る森を進むと、そこに生まれたばかりの熊が地を蠢く。

3、
ワイ猟師、森歩いてたら熊の赤ちゃんがいたんだがwww

4、
残響、鴻鵠、鉄砲の熱、拭う汗、衝動、食欲、生への渇望。人を喰らう森の果て、赤子の獣、慟哭、震え、喉の渇き。熊だ。

5、
ある日私が行きつけのカフェーでコーヒーを飲んでいる時だった。
「熊だって?」
「そう、生まれたばかりの」
小さなテーブルを挟み目の前に座る、垂らした墨のように美しい黒髪を持つ女性が、艶かしく口を開く。
「森に、いたんだって」
その瞳を見つめていると、どうにかなってしまいそうな扇状的な意識が沸々と湧き上がるのを抑え、私はマドラーでコーヒーを掻き混ぜる。湯気がじわりと肌にまとわりついた。
「それで、私にそれを聞かせてどうだってんだい?」
「見てみたいの、その熊。一緒に」
「馬鹿な」
私はかつて北海道に住んでいた。10年ほど前だったろうか。20代の私は猟友会に酒の付き合いで加入させられ鹿を2頭ばかり駆逐した。しかしクマはダメだ。あの鋭い爪や眼光が、未だ私の足を震えさせる。思わず自分の胸の辺りを撫でていた。
「無茶だ。やめた方がいい」
「……これを見て」
彼女が取り出したのはスマホで、どうやらオンラインで新聞を契約しているようだった。私の手を重ねて、スマホを持たせる。……熱を帯びた手のひらを撫でられながら、冷静な思考も頭によぎっていた。紙面情報は、既に歴史の残骸となっており(ry

はい。これも全部表現ですね。

さて文面上だけで世界観っていうのは出せます。

1は例文なので分かりやすく、頭に入ってきやすいですね。

2は難しい言葉をたくさん使いました。小説を書く人はこういうの好きです。たくさん説明するし、いっぱい感情を表現するし、ドラマの文字化みたいですよね。

3はネット構文ですね。こっちの方が好きな人も今は多いかも。口語調によって平易な文よりも頭に入りやすいです。ギャルが説明したら分かりやすいみたいな。でも紙の小説では見たくないっていう人も多いですよね。

4は歌詞とかでも良くありがちな尖った表現です。漢字の情報量とか、ワードチョイスで説明してるっぽくしてるんですね。雰囲気が良いとか良く言われます。芸術家肌ですね。

5はまぁ某作家リスペクトです。でもこういう前段から丁寧に書いてよりクマと出会う衝撃を高める、言わば1発の場面のためにひたすらエネルギーチャージをするタイプ。

文面で世界観を表すのは簡単です。

書き方。

これ以上ありません。

小説もそう、歌詞もそう、宗派があります。

例えば

「わかりやすく、初見の人でもスッと入ってくるような文面が理想だよ」

とか

「現代小説ではなく昭和文豪を参照し、近現代文学の発展を願う」

とか

「俺は俺の言葉だけで物語を紡ぐ、読者すらノイズ、この世界の中だけで俺は完成する……」

とか。

宗派です。

宗派なので、まぁ、好きにすれば良いんじゃないかな…(妥協)

さて、基本作家さんは文体というものを持っています。たくさん書いていろんなスタイルを混ぜてオリジナルになっていくわけです。

じゃあ貴方はどうするか。

結局どうすれば良いのか。

どうしようね(爆笑)

じゃあまずこうしてみよう。

1人称? 3人称? どっちが好き?

じゃあ次。

広くいろんな人に読んでほしい?
分かる人にだけ分かってほしい?

じゃあ最後。

口語調と文語調どっちが好き?

はい、選びましたね。

それが貴方の個性であり世界観です。

文体の個性っていうのは「情報の取捨選択の結果」です。

例えば1人称、文語調、広く読んでほしいを選べばもうそれで個性が出てます。

さぁその個性で、文章で、様々な世界を彩るように書いてみよう!!!!

じゃあ何書くの……?(涙)

というわけで次回は「作品の中身の世界観」について書きます。しゅわっち!


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