支払い用紙を 300枚 持ち込まれた話し。

300枚。1センチほどのぶ厚い公共料金の支払い用紙の束。

男(30代)は1度にこれを全部、コンビニに持ち込んだ。店員バイト君に聞くと連日こうだと言う。パートリーダーの私が「連日ですか?これからもこのような状態でお持ち込みですか?銀行には行かれましたか?」 こう聞くと男は

「銀行に断られたから、ここに来たんだ」とふてくされた顔で言うので

私は思わず 「銀行が受けない仕事をなぜ、金融機関でもないコンビニにそのまま持ち込むのですか?困ります」 と言って途中で断った。手間もかかる上に他の業務にも差しさわるからだ。他のお客さんを待たせてしまう。なのに店長は 「断らないで」という。クレームを嫌がっていると思えた。

「少しは手数料ももらえるんだし、お客様の言うことは聞いてあげて下さい」

そうは言うけど、店長は自分が持ち込まれたときは「今は1人だけでレジをしているので無理がありますね」と断ったとバイトくんから聞いている、ズルいゾ。何しろこんな事が続いたら問題だからオーナーに言うと

「そんな人がいるんですか。営業妨害だからと断りなさい」

と言ってくれた。店長とは大違いで、可笑しくなった。また、担当の本部社員も「いっそ断ってクレームが来たら、本部で稟議できるから気にせず断って」とはげましてくれた。それにしても、コンビニに300枚も持ち込み社宅や賃貸の支払い代行する仕事って本来は銀行と契約して効率化するものでしょうに。用紙に書かれた会社名はテレビCMで有名な大手企業の下請け会社。

社員にこんなことやらせて恥ずかしくないのかしら。と、呆れた。

それからしばらくは男を見かけなかったが、先日とうとうやって来た。 今度は100枚だ。( 一応は減らしたつもりらしい )もちろん私は「あいにくと、今度からは店の方針で10枚以上はお受けできません。どうしてもというなら、並び直して10 枚ずつでお願いします」と説明。男は「わかった」と10枚だけ会計をすませ電話をかけた。やがて若い女が現れ用紙を分け合う。支払い用紙90枚分。コンビニで払わせるのが彼らの仕事なんだろうか。2人は別々の方角へと店を出た。手わけして払われる先の近所のコンビニさんを思い浮かべて祈った。
さて仕事。「お次のお客さま、どうぞ」そこには支払い用紙を30枚持った別な会社の事務員さんが 立って・・

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