見出し画像

「キネマの神様」山田映画は原田マハの書いた奇跡の物語じゃない。

原田マハの「美しき愚かのたちのタブロー」に大感動したから「キネマの神様」を手にとったらもう止まらなかった。すごい、これも傑作。最後は泣きそうになったよ。
で、あまりに感動が大きくて冷めないものだから、我慢できずに山田洋次の映画化作品を観たんだけど。
うーん、唸ってしまった。
原田マハ、なんでこんな映画化に同意しちゃったの?
いや原田の映画化作品じゃないってことなら、いい、面白かった、って言える。まさに山田映画だ。ジュリーも寺島しのぶも宮本信子も他のひともみんないいし。
しかしねえ、これはモチーフが違いすぎる。原田マハが書いた “キネマの神様が起こした奇跡の物語” じゃない。
ゴウとローズ・バッドの映画愛いっぱいの往復書簡がさまざまな奇跡を起こしたのに。
その本質を全部消した脚本を山田センセイ自身が書いたわけだけど。
山田センセイ、こんなことやっていいんですか? って言いたくなっちゃうねぇ。
こんなに素晴らしい小説、誰か原作のハナシを映画にしてくれないかなあ。