映画と本ともうひとつ

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青山史愛です。映画と小説、その他にドラマやドキュメンタリーの感想を書いてます。ブログも書いています。https://blog.goo.ne.jp/fa2019, https://blog.goo.ne.jp/sa2016

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「ロシアを捨てたロシア人たち」ダメな政治家を選ぶと。

「ロシアを捨てたロシア人たち」(BSスペシャル)はウクライナ侵略後、ロシアを捨てて国外に生きる4人の家族のドキュメンタリー。 ホントに戦争が起こってしまった国は、人々われわれとは全く異なる世界に生きることになるんだなぁ。 ウクライナの兵士の人が言っていたが、彼らの戦争は”2022年のウクライナ侵略“からではない、2014年のクリミア侵略からなのだ。 10年も勝てる見込みのない戦争を続けることになったのは、政治家がダメだったということだろう。国民がダメな政治家を、政治体制を選択

    • トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」正義のために闘う人たちに胸が熱くなる。

      トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」(1993年)はアカデミーの作品賞、助演男優賞、編集賞、音響賞受賞。 今週BSが放送したので観た。 正義のために闘う人たちがいて、正義が勝つのだが。2人の兵士は殺人で無実となるも規律違反で有罪、恐れていた除隊となる。でも彼らはきっと前を向いて生きていくと思えるエンディングで胸が熱くなる。 クルーズはこれがベストと思えるぐらい。若々しく正義感に溢れるデミ・ムーアが素敵。ジャック・ニコルソンうまい。 名画はやっぱりいいなぁ、とこの頃よく

      • 大下英治「孤高奮戦変革の人 平沢勝栄」興味深い内容あった。

        大下英治の平沢勝栄の評伝を読んだ。発刊は2023年11月と新しく、興味深い内容があった。 そのひとつ。巷噂されている、岸田総理が近く電撃訪朝して、拉致被害者の田中実さんと金田龍光さんを帰国させ、見返りに巨額支援を与えるのではないかということについて、平沢はこれを支持している。この2人の帰国で北朝鮮は拉致問題を幕引きにしようとしているかもしれないが、それじゃ拒否すればいいという理由だ。そんな懸念より、2人でも拉致被害者を奪還することを優先すべきだと。 西岡力や山口敬之らはこうい

        • 「愛と激しさをもって」恋愛心理を濃密に描いたまさにフランス映画。

          「愛と激しさをもって」(2022年)は人気女優J・ビノシュの主演。監督C・ドゥニがベルリンで銀熊(監督)賞を受賞した作品。 言ってみれば、現在と昔の恋人との三角関係のハナシだが。 この雰囲気、まさにフランス映画。ビノシュとバンサン・ランドンの心理、葛藤、愛憎がとても濃厚に描かれて、苦しくなるほどだ。 ハリウッドの映画人たちが撮ったら、こんな感じにはならない。愛憎よりも性欲ばかり強調され、セックスシーンももっと濃厚だろう。 高校、大学の頃はフランス映画の方をよく観た。ドロン、ベ

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          「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。

          オスカー総なめした「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。夜の最終回で終わるの0時なのに109シアター1はほぼ埋まっていた。オスカー総なめだし、全米の公開2023年7月から8カ月も待たされたから当然でしょう。 この作品、オッペンハイマーの為人、マンハッタン計画などについて、なんとNHKは3番組(クロ現、プロファイラー、映像の世紀)で扱った。 それらを観ていたから、ナチスが原爆を開発することを恐れてオッペンハイマーが原爆開発にのめり込み、被害に惨状を知り、開発を後悔、水爆開

          「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。

          「ナバロンの要塞」こんな上質の戦争映画をもっと観たい。

          先日「ナバロンの要塞」をBS1が放送したので観はじめたらやめられずに最後まで観てしまった。1961年制作だから60年前の映画ということになるが、全く古臭い感じがしなかった。 そもそも戦争映画って少ない。大金がかかるし撮影もたいへんだからだろう。 戦争映画だからもちろん殺戮のシーンはあるが、グレゴリー・ペックがスパイのイレーネ・パパスを苦悩の末に撃つ場面などのように、残酷なシーン映像はあまりない。 先日のモスクワ郊外のテロ事件関連の報道での、捕らえた容疑者への拷問、耳を切り落と

          「ナバロンの要塞」こんな上質の戦争映画をもっと観たい。

          「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」ドラマも傑作だ。

          「舟を編む」は三浦しをんの原作も読み、松田龍平主演の映画も観ていた。 とても面白かった、からか、NHKのドラマが2月から始まったがあまり気が惹かれず観ていなかったのだが。 まとめて再放送があったので録画したのを一昨日観たらやめられず続けて4話まで。5話6話を録画し忘れてがっかりしているところ。 三浦しをんがこんなコメントを寄せていた。 “.....脚本家の蛭田直美さんがお書きになるシナリオを拝読して、私は早くも爆笑したり涙したりしています。その「舟」に、魅力的で実力のある役

          「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」ドラマも傑作だ。

          「トレーニング デイ」デンゼル・ワシントンがオスカーだけど。

          「トレーニング デイ」(2001)はデンゼル・ワシントンが悪役での主役。こういうの珍しい。 しかもこれでワシントンはアカデミー賞主演男優賞を受賞した。 確かに演技はすごい。悪役がはまりすぎるぐらい。だからかえってよくないよなぁ。 ドラマはスリリングでハラハラドキドキして見た。リアルだと思うけど、改めてアメリカってひどい国だなぁて思って、ちょっと悲しい。 もう一度観たいと思うことはないだろう。ブルーレイには焼かなかった。

          「トレーニング デイ」デンゼル・ワシントンがオスカーだけど。

          NHK「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」は見応えあった。

          BSスペシャル「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」。NHKはいい取材をした。 毎日放送してる国際報道などは、現地取材もしないスタッフ、キャスターが、CNN、ABCなど海外メディアを見てそれにコメントつけてるだけの内容で見る価値ないのに。 日本のジャーナリストはダメだなぁ、欧米のジャーナリストはスターアンカーだって、みんな現地に行くのに、って思ってたけど。 この番組は見応えあった。 バルト3国の人々がウクライナ侵略を見て、何を思うか、感じるか。 そして自分たちがロシアに

          NHK「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」は見応えあった。

          横山秀夫「第三の時効」犯人との闘い以上に刑事部内の闘いが凄まじい。

          横山秀夫「第三の時効」は凶悪犯罪者を追い詰める刑事たちのハナシ6編。各編とも巧妙なプロットがストーリーをスリリングなものにしている。 だが刑事たちと犯人との闘い以上に、刑事部内の上司部下の、ライバル同士の闘い、確執がすさまじく、ドラマに引き込まれる。 短編集というより、6部構成の長編だ。読みはじめると止められないのはいつものこと。まだ当分は横山秀夫から離れられない。

          横山秀夫「第三の時効」犯人との闘い以上に刑事部内の闘いが凄まじい。

          本広克行監督「踊る大捜査線」6作品。たっぷり楽しめました。

          本広克行監督の「踊る大捜査線」シリーズ&スピンオフ6作品ぜんぶ観た。 「THE MOVIE」(1998)、「レインボーブリッジを封鎖せよ」(2003)、「交渉人 真下正義」(2005)、「容疑者 室井慎次」(2005)、「ヤツらを解放せよ」(2010)、「THE FINAL 新たなる希望」(2012)。 面白かったぁ。 映画って、世紀の名画とか大傑作見ようなんて思っちゃ、だめだな、楽しめないって思った。 キホン警察サスペンスだから、ハラハラドキドキ。警察社会でのおなじみの競

          本広克行監督「踊る大捜査線」6作品。たっぷり楽しめました。

          連続ドラマ「密告はうたう」小説よりすごいんじゃないかな。

          連続ドラマW「密告はうたう 警視庁監察ファイル」(2021年)を見たくなったのは、このところ横山秀夫を続けて読んでいるせいだ。 原作は伊兼源太郎「密告はうたう」。警視庁警務部人事一課監察係主任の佐良が警察幹部の不正を暴くハナシ。 大ヒットだったってことで、続編の制作が決定したという。ストーリーは重厚ですスリリング。アクションシーンなどは大迫力。登場人物たちの葛藤、確執、苦悩もリアルに描かれている。松岡昌宏、仲村トオル、池田鉄らの演技がすごい。 原作は読んでないからかもしれな

          連続ドラマ「密告はうたう」小説よりすごいんじゃないかな。

          「陰の季節」「顔」と続けて横山秀夫にハマってる。

          「64(ロクヨン)」が素晴らしかったので「陰の季節」「顔」と続けて読んで横山秀夫にハマった。 陰の季節は4編だが人事屋のニ渡が主役でハナシも繋がっている。短編というより4編合わせてて長編を読んでいるようだった。スジが見えないサスペンスであると同時に、警察内での確執、妬み、葛藤等々ドロドロの人間模様に止められない。 顔は連作短編ではないが、7編は独立しているともいえ陰の季節と似ている。こういうのが初期のスタイルだったのかな。 こちらの方は鑑識課の平野婦警がさまざまな事件にぶち当

          「陰の季節」「顔」と続けて横山秀夫にハマってる。

          「64(ロクヨン)」横山秀夫がこんなすごい作品を書いていたとは。

          横山秀夫「64(ロクヨン)」2012年出版。このミス1位、本大2位など多数受賞は当然だろう。警察内部の刑事部と警務部、キャリアとノンキャリの対立の中での主人公の葛藤。二つの誘拐事件が収斂していく重厚なストーリー、緊迫感がすごい。ミステリーというにはあまりにも人間の心理を奥深く描いている。横山秀夫は半落ち等初期の短編・中編は読んでいたが、こんなすごい作品を書いていたとは。もっと早く読めばよかった。

          「64(ロクヨン)」横山秀夫がこんなすごい作品を書いていたとは。

          「キネマの神様」山田映画は原田マハの書いた奇跡の物語じゃない。

          原田マハの「美しき愚かのたちのタブロー」に大感動したから「キネマの神様」を手にとったらもう止まらなかった。すごい、これも傑作。最後は泣きそうになったよ。 で、あまりに感動が大きくて冷めないものだから、我慢できずに山田洋次の映画化作品を観たんだけど。 うーん、唸ってしまった。 原田マハ、なんでこんな映画化に同意しちゃったの? いや原田の映画化作品じゃないってことなら、いい、面白かった、って言える。まさに山田映画だ。ジュリーも寺島しのぶも宮本信子も他のひともみんないいし。 しかし

          「キネマの神様」山田映画は原田マハの書いた奇跡の物語じゃない。

          「ザ・メイヤー 特別市民」リアリティかどうか分からないが面白かった。

          「ザ・メイヤー 特別市民」(2017年)韓国のポリティカルサスペンス。ソウル市長選をめぐる候補者たちの信じ難い闘いのハナシだが、これにリアリティがあるのかどうか、わたしにはわからないが。とても面白かった。監督も俳優も知らないけど、韓国映画ってレベル高いんだなぁ。 それはともかく東京都知事選では、こんなことがありうるとは思えない。それはいいことだよね。 もしホントに韓国でこんなことがあるとすれば、韓国という国も韓国の人たちも、わたしには理解不能だ。

          「ザ・メイヤー 特別市民」リアリティかどうか分からないが面白かった。