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「永い言い訳」映画も小説も今イチオシ西川美和氏の傑作。

今イチオシの西川美和氏、映画作品6作「蛇イチゴ、ゆれる、ディアドクター、夢売るふたり、永い言い訳、すばらしき世界」は全て原作・脚本・監督。
これってすごくない? マジすごいって思う。

で、「永い言い訳」の映画を観やっと観た。小説とちょっと違うような気がして、観終わってすぐに小説後半をを開いて思い出した。原作は竹原ピストルが風俗店で風俗嬢に首を絞めさせて、苦しくなって突き飛ばして大怪我させて逮捕。でも映画では自動車事故にかえてた。18禁になるのを避けたかったのか。
これ本木雅弘が旅行中の妻・深津絵里が事故で死んだとき、黒木華を自宅に呼んでセックスしていて。死を悲しまず、涙も流さず。深津の同僚にも知らせもせず。マジひどいヤツだったんだが。
妻と一緒に旅行で死んだ竹原の子供の面倒をみているうちに、人間らしい心を取り戻し、深津を思い出して泣くという再生のハナシ。
普通の再生のドラマはひどく傷ついてどん底から立ち直るパターンだが。この本木はサイテーのヤツってところが違う。
こんなサイテーのヤツでも、ピュアな子供たちと過ごす時間の中で深津への愛、人間らしい心を蘇らせる。すごいって思った。

西川さんは実は是枝裕和氏が見い出した愛弟子。しかもオレと同じ広島県出身。まあそれはどうでも。とにかくすごいひとなんだ。

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