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ライオンのおやつ(小川糸)

ライオンのおやつ(小川糸)

数年前から漠然と四国へ行きたい気持ちがあって、
この本を読んでさらに瀬戸内海をみにいきたい気持ちに。

「晴れの日が多い」ということが、四国に行ってみたい気持ちの中に含まれていたことを思い出す。
「雨の日が少ない」だけでなく「晴れの日が多い」ということ。
そこに行けば気持ちの良い青空と空気が待ってるんじゃないかと思うと、なんだかすごいなぁと、行ってみたいなぁと、思いを馳せていました。

穏やかな気候のイメージと、穏やかな物語が溶け合って、胸の中がじんわりと温かくなる。
言葉で包まれているように、「大丈夫だよ」と背中をさすってくれるように、小川糸さんの作品はいつも温もりと栄養をくれる。
私も温もりと栄養を誰かに届けられるように、生きていきたい。
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幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。

私のこの、オーロラみたいに刻々と色を変える落ち着きのない感情を、脱脂綿のように吸い取ってくれる。

このまま、風に溶けてしまいたくなる。

おやつという言葉の響きには、独特のふくよかさというか、温もりがある。

スーツケースを開けると、その時流した涙の匂いがした、ように感じた。

タヒチ君にいろんなことを伝えたいのに、感情は光の速さで心を駆け巡っているのに、それを上手く言葉にできない。
だから、たくさん笑った。笑うことしか、できなかった。この感謝の気持ちが、少しでもタヒチ君に、そして六花にも伝わるようにと願いながら。

振り返ると、なんて味わい深い人生だったのだろう。
私はこの人生で、酸いも甘いも経験した。
きっと、私の人生は、生きることのままならなさを学ぶためにあったのかもしれない。
る。


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