はい、ビジネスの領域です。

こちらの記事が示しているように、株式市場の大幅な下落、原油など資源価格の高騰などで、ステークホルダー資本主義やESGなど悠長なことを言っている場合では無いという意見が盛り返してます。

「社会の問題を解決するのは政府の責任」であり「エリートの『越権行為』のに匂いが漂う」と記事が締めくくられています。
 このような反論に、「そんなことはあるまい。社会的課題を解決することこそ、ビジネスの存在意義である」と揺るがないスタンスを貫いた人物がいました。日本に資本主義を導入した渋沢栄一です。
 一滴一滴が大河なれば、より多くの人々の今日よりも良い明日を築く成長性ある資金を社会の隅々へと循環することができる。これが、渋沢栄一が目指していた「合本主義」、日本の資本主義の原点です。栄一が資本主義を日本で導入した理由というのは、一部の人たちの利益のためではなく、新しい時代を築く社会変革のためでした。
 渋沢栄一はおよそ500社の会社の設立に関与したと言われている人物であり、当時の「エリート」でした。ただ、栄一の目の前に多くの資本が寄り集まってきたとしても、たった一人で500の会社を設立できたわけありません。
 多くの方々が栄一の想いに共感して協力していただきました。そして、栄一も多くに共感して協力しました。つまり、一人ひとりの想い、一人ひとりの行い、という人的資本の滴が寄り集まり、大河として流れ始めることで新しい時代を切り拓くことができる。これが、合本主義、渋沢栄一自身が描いていた大河ドラマでした。
 「本」が滴のように集まって大河になる。つまり、ステークホルダー達がそれぞれの役割を果たして力を合わせるから企業価値が生じ、社会を変革させる。決して、政府任せだけに頼らない。現在の欧米社会で注目されているステークホルダー資本主義とは、実は150年前から、日本の資本主義の原点から既に存在していたのです。
 このドラマを、不確実性な世の中に突入している現在であるからこそ、再現させることが不可欠ではないでしょうか。

#日経COMEMO #NIKKEI

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