資産運用には文化が必要

期待していた大事な政策で、多くの立案者、関係者の皆さまが設立にご尽力されてると思います。が、これでは、上手く行かないと思います。色々とありますが、そもそも建付けのところが大きな課題です。

投資、特に大学ファンドの要となる長期投資には「文化」が必要です。その文化が、科学技術振興機構が長年築いてこられた組織内にあるとは思いません。資産運用会社に、科学技術振興の「文化」がないことと同じように。

「文化」とは理屈ではなく、肌で感じて、腹に落ちてる存在だと思いいます。理屈でわかっていても、肌で感じていなければ、腹に落ちていなければ、確信が持てません。そして、確信がなければ、長期投資はできません。科学技術も同じです。

また、運用責任者を「金融機関から招く」ことも案外、上手くいきません。特にベテランだと。日本の機関投資家で長年蓄積されるリスク・リターンの経験値では、大学ファンドに必要な科学技術研究のリターンと資金運用のリターンの融合の「文化」がない。

大学ファンド構想で大事なことはパーツを集めて組み立てる機械論ではなく、日本の科学技術研究を促すエコシステム(生命体)を養う必要があります。じっくりと。

と考えると、科学技術振興機構の組織内の「管理の下」ではなく、別の独立行政法人という設立して、エコシステムに重要な新たな「文化」をつくることが重要です。GPIFが独立行政法人として年金基金の運用の「文化」を築いているように。 

大きな金額の国民の税金(あるいは借金)を使って設立するファンドですから。しっかりと建付けから考えていただきたいです。

現状の大学ファンド構想の「批判」ではなく、「提案」ですが、聞いていただける方、いらっしゃいますかね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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