【小説】山の中(第3話)
囲炉裏の火が点いても部屋は冷えており寒かったです。囲炉裏端に座り、火に近づくと「ああ、あたたかい」と、生きた心地がしました。年配の男性が労わりの言葉をかけてくれました。
「おまえさん、大変だったな。どっから来たガダ?」
「はあ、僕は川中市から来ました。」
「カワナカシ?なんだエ、聞いたことねえなあ。」
若い男性が「外国か?」と聞きました。
「えっ?ここから車で一時間半くらいの場所ですけど。」
「車?おまえ、車で来たガアか?」
「はい。ええと、一番広くなっている道に停めました