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二億斎藤 ①

「斎藤ゲームやらないか」
「何だそれ」
「誰でも一人くらい斎藤を知っているだろ?」「もし知らなかったらどうするんだ。玩具店で斎藤カードを買えばいいのか?」
「とにかく斎藤同士を戦わせるんだ。知名度でも腕力でも年収でもいいから、強いカードを出した方が相手のカードを取る」
「まずはカードを手に入れないと」
「ただし注意してくれ。実在の人物のプライバシーとかで問題を起こさないこと。著作権侵害もナシだぞ」
「困ったなあ、芸能人も歌人も昆虫も政治家も野球選手みんなオレの親戚だけど使えないじゃん」
「いつものハッタリだな」
「おれは斎藤なんて一人も知らん」
「そんなこと言ってて大丈夫か? 今は戦国時代だぞ?」
 七人は玩具店で手に入れた斎藤カードで遊び始めた。斉藤、楚藤、秦藤、燕藤、韓藤、魏藤、趙藤はしばらく仲良く対戦していたが斉藤が言った。
「なあ、この先もしもオレらの民が十四億になったら、キッカリ等分しようぜ」
「ああいいよ」
その約束が守ら

410文字

れたのかはともかく、
全国の斎藤さんからの抗議と某国からの抗議が来ませんように。


たらはかに様の裏お題に参加しています。

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