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伝説の安心感 小田原急行編

「伝説の安心感」について知りたいと? そうですかお話しても構いませんよ。でも私としてはあまり思い出したくない話なんです。あれは学生時代に遡ります。友だちが体調を崩して冬休みの「伝説」アルバイトを代わってくれと。今のようにアプリでチャチャっと人を充填できない時代でした。行ってみると伝説とはなんのことはない駅伝説明会の略称でした。しかもですよ、駅伝とはほぼ無関係でそれが開催される時期にその場所で「説明会場→」の札を持ってずっと立ち続けるというものなのです。直に引き受けた私のバカ、疾走する選手や何台もの中継車や見物人とぶつかりそうで臓に悪いし、挙句が感冒インフルです。バッチリメイクを決めた薄いゴスロリ姿の私とその看板はちょろっとカメラに収まっていたようです。それだけ語ると毎年新年をセカンドハウスのかけ流し温泉付きマンションで過ごす有閑マダムはセキュリティ完備のメゾン・レジェンド最上階の自室に戻った。

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たらはかに様のお題に参加しています。

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