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大人の言う「成功の秘訣」は話半分以下で聞くことをおすすめする理由

まあこのnoteを小中高大学生が読んでいるとは思わないですが、ま、どこかで誰かに届けば…というのと、ロールモデルを求める人にも少し読んでいただければ幸いです。

大人がみなさんに語ってくれる成功の秘訣、ってやつ(自分はあのころ、こうやってきたから今がある、みたいなやつ)は話半分以下で聞いたほうがいいです。
イマドキだとよく、学校にいろんな大人が話をしにきてくれるでしょ?そうすると学校からも要望されるので「中学時代の自分は~だったけれども、そのあと◎◎に気づいて取り組んでいたことが今の自分につながっています」みたいな話をすると思うんです。
それは間違いではないんでしょうけれど「じゃあそうしなくちゃいけない!」って考えるのは、ちょっと待ってねと。(そうしちゃダメなわけではなくてね)

学校ではなくネット上にもそんな話はあふれています。
大学生だとよく遭遇するんじゃないかな。「大学時代に◎◎はしておけ」とかそういうやつ(就活絡みだともっと多いよね)。

実際私もたまに聞かれます。
「学生時代に何をしておいたらいいですか?」とか、内定が出ている子で「入社までに何をしておくのがいいですか」とか。
聞かれると思わず「なんかいいこと言わなくちゃ」と思ってしまうわけですが、まあそういうやつも「話半分以下」でOKです(だから私は「別に何でもいいんじゃない」とか言います・笑)

なぜこんなことを書いているのか。
大人の言う一見確からしい成功談、ってやつが本当にそうだったとは言えないことが多い、からです。なんていうか「後知恵バイアス」っぽいんです。

人は、自分の物語を都合よく書き換える生き物です。
嘘をつくのではありません。本気でそう思い込むんです。

酷い暴君だった人が「自分はリーダーシップがあり、厳しいことをいってもみんなが信じてついてきてくれた」と真顔で語る、みたいなことは普通にあります。嘘はついてないんですよ。思い出が美しく変わるだけで(笑)。
その頃にはたいして考えてやったわけでもなければ、その後の展開もまったく単なる偶然にすぎないことでさえ「自分がそうやって考えて行動し、工夫した結果」みたいな話に頭の中ですり替わります。「今から思えば」と頭につけばまだいいですが「やっぱり本はたくさん読んだかなあ。特に◎◎の関連とか。そういうのがのちのち生きてくるんだよ」って言ってても実際には「ゼミの課題でいやいや読んだだけで、存在も忘れてた」ってことだったりします(それを会社に入って10年後に職場でその本をまた見て「ああ、昔読んだな。覚えてないけど」って認識したレベルだったりもします)。

大人が成功体験とか成功の秘訣を語るとき、よくそういうことが起きているなとおもいます。そんな大それた成功、でなくても、ですよ。

ナニカ特定の職業についている人を学校に招いてお話を聞く、という場面が最近はよくあります。先生や生徒さんからは「その仕事に就くにあたって、今から心がけていたほうがいいことは?」みたいなことを聞かれたりします。聞かれるとうっかり考えてしまうのが「質問」のもつ作用なので、当時まったく考えていなくても「やはり高校時代に部活で◎◎をやって、そこで~~だったことがよかったと思うので、みなさんもぜひ何か打ち込めるものを見つけてください」とか答えるわけです(笑)。深い意味はありません。でも受け止めた側は「将来ナニナニになるには、部活で~~を頑張ることが重要だというお話を聞きました」ってまとめるわけですよ(笑)。単なる一人の思い出を無理やり繋げただけの話が、あたかも因果関係のある話に変わるんですね。そうすると「特に部活とかやってない自分はダメなんだ」って思い違いをする人も出てきちゃったりするんですよ。違うのに。

社会人同士でも同じです。
先輩の話、ロールモデルの話、あるいはどこかの偉い人の話。多くがどこかで「都合よく本人の頭の中で再構成されている」ものです。だって、ほんとに15歳の自分がどう考えていたかなんて、わかんないんですよ。ただ今の完成された自分が改めて思い出せば「きっとそうだったのだろう」と現実につなげてしまうだけなので。そしてそれは嘘をつこうと思っているわけではないですし。そういう物語になった、としても、それは一面の真実でもあるのです(真実の物語ではなく、物語的真実、と言います)。

でもね、
それを真面目に「~すべきなんだ」と受けとめてしまうような構造の場にしないことは大切だと思っています。キャリア教育、というものの中では特に。と同時に、そういう場で大人はもっと「失敗談」をまっすぐ語るほうを多めにしたいなあと思っているのです。つい大人は「いい話をしなくちゃ」と考えてしまいがちですが、学びが多くて聞く子どもたちの勇気につながるのは、失敗談のほうじゃないかなって思うのですよ。

そういうわけで、みなさん、
大人の言う「成功の秘訣」にどれほど感銘を受けたとしても、話半分以下で聞き、そして「自分には別のやり方もあるんだ」ってことも覚えておいてくださいね。

成功の秘訣を聞いて真似したくなるのはよくわかるし、やればいいけれど、再現確率はそんなに高くないので、それは覚悟してやってみてください(これは大人にも言っておきたい)。実際にそのやり方でうまくいった人は、そのやり方を「めちゃめちゃしつこくやった」ってことだったりして、ポイントはやり方よりしつこさ、のほうかもしれないですからね(笑)



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