見出し画像

どうしたら上手くいきますか?という問いを一度引っ込めてみる

みなさんは「越境」という言葉を聞いたことありますか?
最近はいろんな場面でよく語られるので、聞いたことがあるよ、という人も多いと思いますが、読んで字のごとく「境界を越えていく」ってことで、単純な意味は「いつもと違うとこに行く」ということです。

最近ではこの価値がよく語られています。

これとは違いますがリスキリング、なんて言葉もよく言われていますよね。
新しいスキルを身につけなくては生き残れないぞ!とか
社員にリスキリングの機会を作るべきだ!とか
その流れで、会社の中でいつものメンバーといつもの仕事をしているだけじゃ、成長できないんじゃないか、視野が広がらないんじゃないか、なんてことをいう人もたくさんいて(私も言ってる笑)、そこから「越境しよう」「(若手に)越境させよう」なんて話が出てくるわけです。

さて、昨夜は月一開催の公務員人材開発研究会(という名前の自主勉強会、公務員であればだれでも無料で参加できます。ハイブリッドでやってます)、その場のテーマが「越境学習の効果」だったので、久しぶりにこの本も読み返して臨みました(一応私がアドバイザー的立ち位置)。
※めっちゃおススメです

昨夜はある公務員が仕事外で興味を持って活動していること(これも相当面白い&一生懸命やっている)がどんな広がりを生み、それが回り回って自分の本業に思いもよらないよい風を持ってきてくれた、という経験を共有してくれました。かなりいい成果を感じられたのと、「すごいなあ」って感じでしたが、何より本人がとても楽しそうでした。それを受けて他の参加者同士で対話をする中で出てきた代表的な声は、
「自分も趣味的にやっていることがある。最初は未知の不安でいっぱいだったが、いざやっていくと行動が軽くなって、結果として自分の力につながる感覚がある」というもの。

まあ、こうやって聞くと普通に考えたら
「やったらいいじゃん」しかないと思うのですが、実際にそうはなっていないんです。だから「越境しよう(させよう)」って話が出てくるわけで。
私もあちこちの職場でこの手の活動についての有無を聞いてみる機会があるのですが、見事に二手に分かれます。もちろん「何も特にしていない」という人が過半数です。
(念のため。ここで言うのは勉強とかカッチリしたことに限りませんよ)

では改めて越境ってやるべきなんでしょうか。
いや、やると何がどうよくなるんでしょうか。
自分の部下の育成のためにも背中を押すべきでしょうか。

…じゃないんです(笑)

意識高い成長意欲の高い人も(人こそ)良く間違えるのですが、
そんな目的を掲げたとたん、越境じゃなくなるんじゃないかなと。
それって「今の仕事にどう有効か、これやったら具体的に自分のスキルがどう高まるか」って事前に考えて、それやりに行くってことですよね。「有効性が事前にわかっていること」がダイジになりますよね。
それ、越境じゃないよね。境界の内側の話をしていますよね(笑)

先ほど紹介した本の中ではこんな風に書かれています。
私も賛同していますが

自分の思考とふるまいを狭い世界から解き放つ行動原理が「越境」
テリトリー外に飛び出すことで得られるドキドキ、モヤモヤ感、不安感を大事にしたい。
つまり、自分の中の常識を疑い自分を見つめ直す学習機会というプロセスなんだよ、脱予定調和、だよ、
と。

対話を進めていくと参加者からこんな声が出ました
・だからこそ日常に余白が必要
・(越境したら)活かさなきゃって考えるのは苦しい
・(周り、特に後輩を巻き込むには)本人が楽しそうにやってること

納得ですよ。

タイトルの「どうしたら上手くいきますか」という問いは日々職場で部下や後輩、若手から聞こえてきます。でもそれが本当に唯一の正解である、なんてものは、仕事の中ではほとんどありません。小学校の算数なら正解は一つかもしれない。でも、高等な数学になったら最終の解はあるとしてもそこに向かう道筋は幾通りもあることでしょう(私にはわからないが)。
自分が安心できるとは言い切れない場所で、モヤモヤしながらもその場でいろんな人と関わるとき生まれる「はっ」とか「ほお」とか「へ?」みたいなことが、あなたの頭の中に新しい回路を開いてくれます。ただね、それにはちょっと時間がかかるんだ(笑)。
それを最初に求めていくと(=問題解決症候群)動き出せなくなるだけじゃなく、新しい回路の見つけ方を目的にした「狭い視野と思考」の枠から抜け出せなくなってしまいます。もちろんそれで得られるもの(短期的成果=課題解決)もありますが、冒頭に書いたような「ぐるっとまわったら思いがけない扉が開いた」感は、やってこないんですよね。

そっちがたくさんある人生のほうが、多分心豊かで、
もちろん(後付けだけど)成長につながったり、可能性が開いたりしちゃうんだよねえ、って思うのです。
それこそが、偶発性のもたらすものの大きさであり、変化への適応力ではないか、とも思うのです。

ちなみに、ご自身は何もしていないけれど、部下や若手はなにやらいろいろやっている、という上司の方はぜひ、そのやってることに興味を持って話を聞いてみてください。そうやってあなたが聞くことであなたの部下は「自分のやっていることの意味が見えて」「それが目の前の仕事にもつながる力になってる」って気づくことができます。伸びます。
くれぐれも、「余分なことやってる暇があるなら、もっと仕事振ってやる」とか思っちゃだめですよ(笑)

【お仕事の問い合わせ&ご相談&お申込みは以下のフォームへ】
※3月から価格改定します。
キャリアコンサルティング 16500円(60分)※時間が短くなります
伴走コーチング 8800円(45分)×3回

23年12月,24年1,2月にご相談いただいた方については、その次のリピート1回目まで(3月以降含むいつでも)は旧価格でお受けします。

キャリアコンサルティング 対面orオンライン
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(90分) ※対面希望はご相談ください
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
7700円(45分)×3回 

【2月の予約可能日】
12日、15日、16日、18日、19日、25日、26日、28日、29日
※候補日になくても時間帯によって可能な日はあります。お問い合わせください。朝8時(始)~夜22時(終)まで可能です(原則はオンラインです)
お申込み・問い合わせはこちらです↓↓↓

サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡