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振り出しに戻ったアフガン/アメリカの失敗、片棒を担いだ日本

 タリバンがアフガンの首都カブールに入った。アメリカのアフガン空爆から20年、アフガンは振り出しに戻った。
 
 アメリカの失敗は、欧米式価値観を押しつけたことだ。どの国にも、その国ならではの歴史や文化、価値観があある。

 それを無視して、「これだけが唯一の正義だ」として押しつけたのが間違い。近代化の道筋にしても、その地域ならではのやり方がある。

 欧米とは違う歩みもあるわけだ。それがジグザグの迂遠な足取りだったとしても、他国にできるのは、それを補助することだけ。自分たちが主導しようとするのは、ていのいい植民地化である。

 そういうことをされたから、日本はいまだに自前の民主主義を開花させることができないのだ。さらに問題は、教育を受けて欧米式近代化民主化を学んだ知識層やエリートが、また同じ間違いを犯すということである。

 自国の文化を見下して、欧米に近づこうとする。アフリカがなかなか問題を解決できないのも、そういう理由からである。日本にもたくさんいる。

 東京五輪の、情けない開閉会式を取り仕切った統括責任者が、まさにそういう人間。アメリカでMBAを取ったそうだ。

 そして「日本国内は相手にしていない」とグローバリストを気取り、「世界に多様性を示す」なんて言って見事に空振りした。日本とは何か、わかっていないからである。こういう人間には何も変えられない。

 それにしてもアメリカに指示されて、あるいは忖度してアフガン復興会議を開き、多大な資金を提供した日本。ばか丸出しである。
 
 アフガン攻撃の後はイラク戦争に賛同し、他国にまで働きかけてアメリカ支持を訴えた。ODAの額を増やすからと言って説得したらしい。そんな形で中東に介入するなんて、愚かの極みだ。

 アメリカはアフガンやイラクに傀儡政権を作った時、前例として日本モデルの「成功」を挙げていたけれど。別に民主化に成功などしていない。植民地になっただけ。

 故中村哲医師のように、現地に溶け込んで対話を重ね、信頼関係を築いて井戸を掘るような、非軍事の地道なやり方しか方法はない。

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