自傷性ベイツ型擬態
※偏見注意※
派手な服装や派手な髪色をしていると、なんとなく、危険人物感がでませんか?
感覚としては、有毒生物と同じでしょうか。彼らは鮮やかな警告色で、毒があることを周囲に知らせ、身を守ります。
しかし、警告色の生物だからといって、有毒であるとは限らないようです。
毒を持たない生物が警告色を身に纏い、有毒生物に擬態していることがあります。ベイツ型擬態というらしいです。
生物の生存戦略って面白い。
さて、私が初めて派手髪にしたのは大学4年生のころ。
青、黄色、緑、紫、ユニコーンカラー。
大学入学時に一度だけ、暗めの茶髪にして以来のカラーリングでした。
このハイトーンカラーリング、大学卒業時に一度はやめたものの、就職後に再度手を出しました。
髪色を派手にした当初、その最大の目的は“防御”。
そこには自傷性のトッピング付き。
それまでの人生を”真面目ちゃん”として歩んできた自分にとって、ハイトーンカラーで自らを彩るあの感覚は、自己を滅茶苦茶にしているかのようでした。
まぁ、だからこそ、防御になると考えたのでしょう。
数年たった今、あの頃を思い返しても、あの行為が本当に防御となっていたのかは甚だ疑問です。
全くの成果なしということは無かったはず。
しかし、中身の伴わない警告色をもったとて、他に身を守る術なんて何一つない、という明確な事実に怯えることもありました。
さらに、いつからかは、防御よりも自分自身をかき乱す目的のほうが、確実に強くなっていました。
当時、本当に守りたかったはずの自分は、自らに蔑ろにされ、擬態という名目の自傷にさらされていた。
私がしたかったことって何なのでしょうね。
先日、とある科学館でベイツ型擬態の説明を見ました。
(あぁ、あの頃の自分はこの生物たちと同じ…いや、似て非なるものか。)
そんなふうに考えながら、ブースを後にしました。
生存戦略、自傷性ベイツ型擬態。
これを必要としない今、今度は自分が好きな自分でいられるように、ハイトーンカラーにチャレンジしてみようかな。
擬態ではない、ただの自分として。
#髪を染めた日 #エッセイ #エッセイ部門 #創作大賞2023 #初投稿
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