新宿
新宿を歩く。
最近、自分が何に対しても無関心になっているのを感じる。
何が楽しくて、辛くて、悲しいのか。
それすらもよく分からない。
確かに僕は新宿を歩いている。
だが、僕は本当にこの場に存在するのか危うくなってくる。
新宿を歩く。
突然体が透明になっても誰も気づかないのではないだろうか。
新宿を歩く人たちは誰も僕のことを見ていないのだから。
自分自身ですら自分のことが見えていない。
掴みきれていない。
自分がどこにいるのか分からない。
体は新宿にいても心はどこか遠くにいる。
着実に前へ進んでいるのに、心はずっと後ろを振り返ったまま。
歩むことなく立ち止まっている。
新宿を歩く。
そのたびに自分の存在がいかに無意味で無価値でどうでもいいかを実感する。
誰も僕のことを見ていないし、気にも留めていない。
人はみな冷たい眼差しをどこへ向けるのでもなく歩く。
新宿を歩く人たちは降りしきる雨のよう。
冷たくて不規則で止めどない。
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