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美しく胸糞【ホラー映画を毎日観る人】(270日目)「マザー!」

「マザー!」(2017)
ダーレン・アロノフスキー監督

◆あらすじ
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家を修繕する若い妻とスランプに苦しむ詩人の夫。ある日、夫婦の元を訪ねてきた男性を招き入れたことから日常は崩壊する。次々と訪問者は増えていき、我が物顔で居座り、行動はさらにエスカレートしていく。一切拒む姿勢を見せない夫への不信感は募るばかり。これは現実なのか、それとも彼女の妄想なのか。
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日本では2018年公開予定でしたが、パラマウント映画の意向により公開中止となりました。

非常に宗教色が強く、聖書を題材にしているため予備知識がないとシーン毎の意味や理由が何もわからないまま“ただ厚かましい奴らが次から次へと押し寄せてきて生活が無茶苦茶になる”という内容の胸糞映画のまま終わってしまいます。
家を訪れる人々は全員もれなく傍若無人で、夫はそれに対して最後まで拒むことは無く「彼らを赦す道を見つけなくては」という始末。せっかくリフォームしている最中の我が家にズカズカと見ず知らずの人々が押し寄せ無茶苦茶にされてしまう妻があまりにも不憫で孤独で見ているのが本当に辛かったです。
終盤には赤ん坊が見るも無惨な姿にされその肉片を貪り食われるシーンもあり、途中で何度も見るのを辞めようかとも思いました。

解説を簡単にまとめてみると

夫→創造主であり神
妻→母なる大地(地球)
最初に訪れる夫婦→アダムとイブ
アダムの脇腹の傷→アダムの肋骨からイブが作られたという話を表している
書斎に入り込み、石を壊し追い出される→知恵の実を食べたことでエデンの園から追放されるアダムとイブ

シンプルに難しいです。

主演のジェニファー・ローレンス氏の前半の感情を抑えた芝居からの後半への振り幅が凄まじく、役者魂がビリビリと伝わってきます。

ジェニファー・ローレンス氏

完全にネタバレになってしまいますがこれは事前に解説や考察を読んでおいた方が良いと思います。


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