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ソニーと僕のエモい想い出:フラーとTOPが業務提携に至ったストーリー

本日、ソニーの米国グループ会社であるTakeoff Point(以下、TOP)と、以下のようなプレスリリースを発表させていただきました。

フラーの米国展開を、TOPに支援していただくといった内容です。詳しくは、是非TechCrunchの記事をご覧ください。

今回の提携は、個人的に凄く感慨深くてエモーショナルな気分になっているので、その想いをこのnoteに書くことにしました。

小さい頃から大のソニー好きだった

「大きくなったら、ソニーで働きたい!」
これが、小さい頃(小・中学生)の僕の夢でした。家電とゲームが大好きな子供だったのですが、特に好きだったのはウォークマン・MDコンポ・プレステといった、いわゆるエンタメ系家電でした。
そんなこんなで、「将来は家電やゲームが創りたい!」と思った中学生の僕は、自然に高専という道に進むことを志したのです。
ちなみに、高専入学時に買った最初のパソコンは、もちろんVAIO。今でも、自分の家の中はSONYのロゴがついた製品(テレビ、サウンドバー、PS4・・・)であふれています。唯一、スマホだけはiPhoneを愛用していますが、これは逆に起業のキッカケだったりもします(あと、この記事もiPadで書いてます)。
ここで言いたいことは、小さい頃の夢も、中学生の時に決めた進路も、自分にとってはソニーが与えてくれたものだということです。

色々あって起業という道を選んだ今の自分には全く後悔していませんが、一つだけ心残りがあるとすれば、「お母さん、小さい頃はソニーで働きたいと言ってたのに、違う道になってごめんね。笑」ということくらいです。

井深さんの本を読んで夢をたくさんもらった

高専生のときに出会った井深さんの著書が、自分の人生を大きく変えました。

これ、実はあまり友人とか社内でも今まで言ってこなかった話ですが、自分が直接的に「会社を創りたい」と思うようになったキッカケはこの本です。会社を創ることの素晴らしさを教えてくれました。

技術の話や仲間達との情熱的な話は、高専生の自分にとって究極の刺激になりました。
それと同時に、幼い僕が最も感銘を受けたのは、障がい者を雇用するソニー・太陽の取り組みでした。

会社を創ることで、仲間と共に夢を持ってモノづくりができるということ、日本という国を豊かにすることができるということ、そして、社会への大きな貢献をして人を幸せにすることができるということを、高専生だった僕は学びました。

これが、僕の起業への原動力です。

大学生のとき、ソニーの動画を観て号泣した

この動画、死ぬほど好きなんですが、意外に再生回数が少ないので是非見ていただけたら嬉しいです。

ファウンダーの生の声が聴ける、しかもそれが、ソニーが発明したものによって録音されているということが、なんというか美し過ぎると思うのです。

「未来を予測することに意味はない。それよりも、未来を自分たちで創り出すことに意味がある。」

といった、名言がたくさん出てきます。何度見ても、鳥肌が立ちます。

ちなみに、ソニーの設立趣意書は何度も何度も読み返しました。

ソニーの歴史もこちらに良くまとまっているので、興味のある方は是非!

フラーがソニーからインスパイアされたもの

フラーという会社を自分が創る上で、大好きなソニーからインスパイアされたことはたくさんあります。

・創業理念
フラーの創業理念には、インスパイアされたことが直接的に書かれています。

僕は、車とか家電とか、いわゆる技術によって生み出された日本製品が大好きです。一方で、大学生の時シリコンバレーを訪れて、インターネット企業の驚異的な成長を目の当たりにしました。そこには、日本企業の存在感は皆無でした。本当に悔しい気持ちになったのを覚えています。一方で、トヨタを始め日本企業の自動車はたくさん走っているし、ソニーや任天堂のゲーム機はみんなが持っている。だから、自分は日本発の世界で使われるIT製品を創り出したいと強く思ったのです。

・コーポレートサイトの写真

フラーのコーポレートサイトに使われているこの写真は、ソニーの井深さんと盛田さんが腕相撲をしている写真のオマージュです。ちなみに相方の櫻井くんも、父親譲りのソニー好きです。笑
この写真、分かる人にはすぐ分かるので、あの写真いいよねと良く言ってもらえることがあります。(当然、今回提携に至ったTOP石川さんも見てくれていました。)

・自由闊達にして愉快なる理想工場

「真面目なる技術者の技能を最高度に発揮せしむべき、自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

こちらは先程紹介したソニーの設立趣意書にある会社設立の目的の一文なのですが、僕はこれを現代風に解釈しています。技術者という言葉が出てくるのですが(高専でも良く使われていた言葉)、僕はこれを現代に置き換えて、エンジニア・デザイナー・マーケターなど、全てのクリエイター達と捉えています。

フラーの価値観として定義している、「クリエイターシップ」にその想いが込められています。文章の端々に「創る」というワードを入れているのも、そういった想いによるものです。
一方で、「理想工場」の方も当然意識していて、フラーのオフィス立地(柏の葉・新潟)やユニークな?福利厚生(温泉に入れるとか!)もこういった考え方から来ている部分が大きいです。

・社名
これは色んなところで既出なのですが、社名を決める際に大事にしたこととして、ソニーのように「カタカナ2文字+伸ばし棒」の覚えやすい社名、英語で読める社名ということを意識しました。詳しくは以下をご覧いただけたら嬉しいです。

盛田さんのように、自分でアメリカを切り拓きたい

さて、少しづつリリース内容の本題に移っていきたいと思います。想いが強過ぎてここに至るまで大変でした。
僕にとって、「アメリカ展開」という言葉で一番最初に思い浮かぶのは、ずばりソニーの盛田さんです。盛田さんの著書「MADE IN JAPAN」は僕のバイブルです。

世界に日本製品の良さを伝えたのも、ソニー製品はもちろんこの盛田さんの著書の効果も大きいと思います。

そんな盛田さんに関するこちらの本

の中で印象に残っているのが、米国展開をする際に自分でアメリカに移り住んで、顧客開拓をするというシーンです。そのバイタリティが本当に凄くて、現地で泥臭く人脈を築いていくことの大切さを学びました。
なので、自分がもし海外展開をする際は、自ら先陣を切って開拓をするということを以前から決めていました。
ソニーは、そして盛田さんは、日本企業にとっての米国展開の先駆者なのです。

TOP石川さんとの出逢い

さて、今回ソニーの米国グループ会社であるTakeoff Pointにフラーの米国展開をご支援いただくことになったのですが、その出逢いについて少しまとめたいと思います。

・Takeoff Point(TOP)とは
TOPは、元々はソニーグループ内の新規事業の米国展開を支援する会社として設立されました。詳細は以下の記事をご覧いただきたいのですが、

代表の石川さんとお話ししている中で、フラーのような日本発スタートアップの米国展開も支援していただけないか?と直談判して実現したのが、今回の発表となります。

・とにかく笑顔が素敵な石川さん
石川さんは外資金融の出身ということで、最初はどんな話になるか少し緊張して伺ったのですが、出会った瞬間の素敵な笑顔に、一瞬で癒されました。笑
最初のお打ち合わせで石川さんのこれまでのご経歴の話、ハワード・ストリンガー元CEOと働いていた時の話、現在やられている事業の話など、たくさんお聞きしました。僕がソニー好き過ぎて石川さんを質問攻めにしたことが良い思い出です。笑

・フラーのことをとても良く理解していただけた
お会いした中で一番驚いたことは、フラーのコーポレートサイトを隅々までご覧いただいていたことです。そしてなんと、僕自身がサイトの文章を考えて書いたことをズバリ言い当てたのです!(想いが込められていると仰っていただけました。泣)
App Ape をはじめフラーの手掛けているアプリに関する事業のことはもちろん、我々の高専に関する取り組みについても話が盛り上がりました。石川さんも教育に関するお取り組みをされているので、大変共感しました。

これから米国でやっていくこと

さて、これから両社でどういったことをしていくのか?ということなのですが、簡潔にまとめます。

まず、TOPの石川さんは、幼い頃から日本と米国を行ったり来たりする生活をされており、日米両方の文化を理解されています。そんな石川さんに、様々な助言をいただいております。
具体的な取り組み内容としては、マーケティング・営業支援(すでに現地で複数社の顧客を獲得済み)をしていただくといった形なのですが、既存事業の米国でのローカライズというよりは、現地でゼロからのスタートアップを立ち上げるといった感覚で進めています。
展開を開始してからこんなにスピーディーに顧客獲得に至ったのは、TOPのサポートなしには不可能だったと思います。手続き・決済・契約・弁護士対応など、様々な助言とサポートをしていただいています。
もう少し突っ込んだ戦略的な話をすると、私は現在シリコンバレーだけでなく(米国でIT企業が展開というと基本的にはベイエリアのイメージ)、他の場所にも頻繁に足を運んでいます。これに関しては後日なぜ・どこに行ってるのかを記事にしたいと思います。

また一つ、ユメが叶いました。

さて、長くなってしまったのですが、今回の件はTwitterにも書いたように、自分にとって一つの大きな夢の実現になっています。

「いつか、フラーとソニーという2つの社名が並んでメディアに掲載されるのを見たい」

これは、創業時から想っていたことです。だって、小さい頃から憧れの会社ですから。

本件にちなんで、プロフィール画像(Twitter、Facebook、note)も全体的に新しくしました。

イチ企業の代表が、こんなに個人的な思いを(それも特定の会社に対する)綴って良いのかという突っ込みがあるかもしれませんが、僕はこういった強い想いこそが起業家の原動力であり、ユメであり、未来を創る大事な要素だと信じています。

ということで、ひたすら熱い想いに長らくお付き合いいただきありがとうございました!
良かったら、TechCrunch の記事もご覧いただけたら嬉しいです!

そして、App Ape は僕と同じように海外展開を志す人々のお役にきっと立てるプロダクトだと思います。是非米国のアプリ利用動向をご覧いただけたら幸いです!(韓国・インド・インドネシアなどのデータもあります!)


サポートいただいたお金は、母校である高専や故郷の新潟など、後世や地域のために活用したいと思います。 よろしくお願いいたします!