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サルでもわかる資産運用① インフレであなたの資産が減ってしまう?

この記事は自分の家族や兄弟、まわりの友達たちに向けて書いている原稿です。今、経済には大きな変化がやってきています。そのためには適切な手を打っていかなくてはいけない。でも、経済のことは難しすぎてわからない、という人がほとんどです。何もしないならまだしも、不安に思ってしまって怪しい投資話に乗ってしまい資産を盗まれてしまっては、元も子もありません。

そこで、正しい経済の現状認識と対策をできるかぎりわかりやすく、書いてみることにしました。子どもでもわかるように、あえてサルでもわかるというタイトルにしています。複数回にわけて最終的には、実際の投資の方法まで書いていく予定です。

インフレとはなにか?

インフレ(物価上昇)とは、お買い物をするときに、同じ物が前よりも高くなっていることを意味します。例えば、あなたが好きなお菓子が100円だったとします。インフレが起きると、そのお菓子が120円になってしまうことがあります。同じだけのお金を持っていても、以前よりもすくないお菓子しか買えなくなります。

今、世界中でインフレがすすんでいる

物の値段がどんどん上がっていて困っているという人が増えています。電気代が去年の2倍になった、いつもいくスーパーの食品が値上げされたという話をニュースでよく聞きます。

国が発表している消費者物価指数という指標によれば、去年よりも物価は4%あがっています。去年には1000円で買えた商品が、1040円出さなければ買えなくなったということです。

日本では過去30年間物価は上がりませんでしたが、それが急激に変わってきているのです。

2つのタイプのインフレ

インフレは、2つのタイプに分類されます。

1つは、コストプッシュ型インフレです。これは、お店が売っている物を作るために必要な材料やエネルギーが高くなったり、労働者にはらうお金が上がったりすることで、お店が物を高くしないと利益を出せなくなるから生まれます。物を生産するためのコストが増えるからコストプッシュ型といいます。

もう1つは、ディマンドプル型インフレです。これは、お買い物をしたい人が増えたり、お金を出せる人が増えることによって、お店がもうすこし高い値段でも売れると考えることで、物の値段があがります。国が経済成長していたり、雇用が増加したり、賃金が増えたりなどの理由があります。

コストプッシュ型は悪いインフレ、ディマンドプル型は良いインフレと言われます。今、世界で起きているのはコストプッシュ型のインフレです。

なぜ今、物の値段が上がっているの?コロナとウクライナの2つの危機

現在のインフレは大きく2つの理由があります。コロナとウクライナの危機です。

コロナウイルスが広まると、人々は家の中に閉じこもって、給付金をもらって生活するようになりました。工場で働く人が少なくなると工場で生産できる商品がへり、世界に出回る物の数が減ります。さらに、企業は給料をアップして、なんとか人に働いて欲しいとお願いしなければいけなくなりました。

商品を欲しい人の数は変わらないのに、商品の数は少ないので奪い合いになり、商売をする人はもっと高くしても人々が買ってくれるだろうと考えるので、商品の値段は上がります。さらに、物を作るために給料をアップしているので、その分、物の値段もアップしないと利益が出なくなってしまいますね。

さらにウクライナ危機が起こりました。ロシアとヨーロッパの関係性が悪くなったので、ロシアで採れる原油やガスのような資源がヨーロッパに届かなくなりました。資源がへったので奪い合いになり、エネルギー価格が高騰しました。

工場を動かしたり製品をつくるには電気や石油が必要です。その価格があがった分だけ、商品を製造するコストもあがり、それが物の値段に反映されています。

このように今のインフレにはいろいろな原因が重なって起きています。日本のインフレはヨーロッパやアメリカに比べるとかなり落ち着いていますが、輸入品の値段があがることで、じわじわと日本も影響をうけています。

インフレは悪いこと?

日本では、過去30年間、物価や賃金は上がっていませんでした。これは、バブル崩壊のあと経済が成長していないためです。物価があがらない(下がる)状態を、インフレに対して、デフレといいます。

多くの人がデフレの状態になれると、企業は物価を上げることが難しくなります。例えば、あるスーパーで値上げをすると、他のスーパーでもっと安く買えるだろうと買い物客が考えて、お店から逃げてしまうからです。

しかし、お店で買い物をする人は、日中はサラリーマンやOLなどの仕事をする人でもあります。企業が物の値段を上げられなければ、利益を上げることができず、従業員の給料をアップすることもできません。このように、物価を上げられず、給料も上げられない状態が30年間つづいていました。

インフレは、この日本の状態をぶちこわしてくれるかもしれません。人々が物価が上がることをこれからの当たり前だと受け入れることで、スーパーで値上げをしてもほかのお店にいかずにその価格を受け入れて買い物をするようになれば、企業は安心して値上げをすることができます。

値上げをした分だけ利益が増えれば、給料もあがり、デフレから抜け出すことができるかもしれません。

インフレは一時的なもの?

ウクライナ危機とコロナウイルスが原因であるならば、危機がおさまればインフレは落ち着くかもしれません。しかし、今後も世界のインフレは続くという見方もあります。

今まで日本で安い商品を買えたのは、アメリカが世界で強いパワーを持っていたからです。アメリカは世界の半分に影響力を持っているため、その影響力のある国々の間では安全に行き来したり、安定して物を運んだりできます。これをグローバル化と呼びます。グローバル化によって安定して物の取引ができたり、国外の安い労働力を使って物の生産をできることは、物の値段をさげます。

しかし、今になってアメリカの支配体制がくずれる可能性があり、不安定な時代に移っていくかもしれないのです。そして、中国が新しく力をつけているために、今はアメリカと中国の間で覇権争いが起きています。数年以内にアメリカよりも中国の経済が勝つという予測もあります。(諸説あり)

もし、アメリカによるグローバル化が崩れていくと、国どうしの資源や商品の貿易が不安定になったり、国外の安い労働力を使えなくなったりするために、物の値段が上がり、今後も継続的にインフレがすすむかもしれません。

インフレにそなえて資産運用を

今後、インフレがすすむのか、一時的なものなのか、絶対こうなると断言することはできません。

しかし、僕はインフレが今後も進むのではないかと考えています。インフレが進むと現金で持っている資産の価値はどんどん減っていってしまいます。インフレが進んでも自分の持っている資産の価値を減らさないためには、ほかのものに変えておく必要があります。

たとえば、1万円分の金を今買っておいたとして、インフレが進んで1万5000円に値上がりをすれば、何か欲しいものがあるときにその金を売って今まで通りの買い物ができます。

資産運用はもうけるためだけにするのではありません。今持っているものを将来に減らさないためにも大切なのです。

でも、実際にそれをするにはどうやればいいの?難しくてわからないよ、という人がほとんどだと思います。僕もそうでした。

いろいろな人に教えてもらったり、証券会社の人に話を聞いたり、本を読んだりして、だんだんとわかってきたことがあります。

そのことを次回以降シェアしていきたいと思います。

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