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「うちの子は人見知り…」マイナスのラベリングに要注意!

先生やママ友と子どもについて話すとき、「うちの子は人見知りで」「乱暴者で困っています」など、ついついわが子にネガティブなレッテルを貼って紹介していませんか?

レッテルを貼るという行為は、心理学用語で「ラベリング」と言います。ラベリングとは、勝手な思い込みで判断した基準を人やものごとに貼り付けることです。私たちは自分に対しても、他人に対しても、ありのままに認めることを忘れて、勝手なレッテルを貼りがちです。

しかし、子どもにマイナスのレベリングをすると成長を阻害しかねないので、注意が必要です。


●親のマイナスなラベリングは子どもの自信を奪う

なかなか挨拶のできない子どもに「この子は人見知りで挨拶が苦手」というレッテルを貼ったとします。その子が「今日は挨拶をしよう」と決心していたとしても、親が先回りして「ほら挨拶は?この子は人見知りで挨拶もできないんですよ」などと言うと、せっかくの子どもの決心がしぼんでしまうでしょう。

それどころか、「私(ぼく)は挨拶が苦手」と、子ども自身が、自分にマイナスのラべリンクをすることにもつながります。親の些細なひと言が子どもから自信を奪うことがあるので注意してください。

●プラスのラベリングで子どもの能力を引き出す

しかし、このラベリングはプラスの効果を与える方法としても使うことができます。ノースウェスタン大学の心理学者、リチャード・ミラーの有名な実験をご紹介しましょう。

ある小学校5年生の2つのクラスを選び、一方のクラスでは「みんなはとてもきれい好きだね」「このクラスは整理整頓が行き届いているね」と繰り返しほめ、もう一方のクラスでは、整理整頓とごみを片づけることの大切さについて繰り返し話をしました。

その結果、片づけることの大切さを説いただけのクラスでは何も変わらなかったのに対し、「きれい好き」とラベリングしたクラスは、約8割の生徒がごみを自分から拾ってごみ箱に捨てるようになったのです。

口やかましく小言を言い続けると、親子の信頼関係は壊れていきます。一度二度なら反省につながるかもしれませんが、くどくど言われると「お母さんはぼくをダメな子だと思っている」「お父さんは私が嫌いなんだ」と思ってしまうからです。しかし、認めてほめてあげると、子どもは自信がつきます。そして力を引き出せるようになるのです。

●親が子どもの能力を信じること

子どもに自信を持たせる魔法の言葉があります。「本当はできるんだよね!」という言葉です。片づけができなくても、「どうしてできないの?!」などと言わず、「ママ知ってるよ、本当はできるもんね。ちょっとやってみせてよ」と言ってみてください。案外うまくいくものです。

たとえ下手でも、できたところを認めて、しっかり抱きしめてほめてあげましょう。子どもは親のプラスの思いと言葉で変わります。子どもを無理やり変えようとするのではなく、まず、親の見方、接する態度を変えていけるといいですね。