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α波とβ波について知ろう!生活に密着した脳波の働き

脳波にはα(アルファ)波とβ(ベータ)波があります。なんとなく聞いたことはあるけど、どういうものなのかはよくわからない‥そんな方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、私たちの日常生活に大きく関係している脳波とその働き、そして子どもの頭はなぜ柔らかいといわれるのか、その理由についてお伝えします。


●子どもの頭が“柔軟”な理由

β波は、大人が覚醒状態にあるときに起こる脳波です。さまざまなことを考えたり、判断したりといった日常生活における大半の行動は、このβ波のもとに行われます。注意力や認識力が高い一方で、集中力は分散しやすい傾向があり、やや緊張した状態です。

一方で、落ち着いているとき、リラックスしているときや、ものすごく集中しているときに発生しているのがα波です。休んでいるときだけでなく、勉強や仕事など、一つの対象に集中しているときにも発生し、学習効果が非常に高い状態といえます。α波優位な状態においては、「読まなくちゃ」「覚えなくちゃ」と必死にならなくても、目の前の情報がすんなりと頭に入ってきて、しかも忘れにくいのです。

このように、一つのことにとても集中しているα波優位な状態においては、右脳が活発に働いていることも分かっています。

子どもがわずか数年という驚異のスピードで、言葉や人としての行動を学んでいくのは、常に右脳が活発に働いていて、α波が常に優位な状態にあるためです。一つの遊びに夢中になり、自分の世界に入り込んだような状態になって、周りの声が聞こえていないな、と感じたことはありませんか?

そして、成長に伴って少しずつ左脳を使うようになります。言葉を学び、言葉によって考えたり表現したりすることで、言語を司る機能を持つ左脳を頼るようになるからです。

つまり、大人に近づけば近づくほど、右脳優位な状態、すなわちα波優位の状態をつくることが難しくなってくるんですね。よく「子どもの頭は柔軟だ」といわれますが、集中力や創造力、ものごとの上達速度において大人よりも優れている理由は、こんなところにあるのです。

●α波とβ波、それぞれのメリットを理解しよう

α波とβ波の働きや、子どもの頭が“柔らかい”といわれる理由、右脳との関係についてお伝えしました。もしかすると、「β波は悪いものなの?」と思った方もいるかもしれません。

左脳が働いているベータ波優位な状態が悪いということでは決してありません。α波 が優位であるというのは「一つのことに没頭し、吸収力の良い状態」をもたらすのに対し、β波優位というのは「周囲のことにまんべんなく気を配ることのできる状態」ともいえます。これは大人になるためにはごく自然かつ必要な成長であり、だからこそ大人は子どもと異なり、さまざまな物事を同時に思考し、処理することができるのです。

α波とβ波のそれぞれにメリットがあり、α波寄りの状態においては記憶力や集中力、理解力において大きな能力を発揮する、というところがポイントです。