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ただほめるだけではダメ。“わが家のルール”で子どもの自由と責任が育つ

ほめて育てることは、とても大切なことです。しかし、ほめることだけにとらわれて、叱ってはいけないと思っていませんか?
ルールで成り立つ社会のなかで、子どもが何をしても、人に迷惑をかけていてもほめるだけというのは、もちろんいけないことです。叱るべき場面では、きちんと叱らなければなりません。

では、どんな場面でどういう叱り方をしたらよいのでしょうか?そこでおすすめしたいのが、“わが家の憲法づくり”です。

●まずは家のルールを家族で決めよう

子どもの意思のおもむくまま、したくないときはしなくてよい、というのは本当の自由ではありません。それはわがままになってしまいます。
子どもにしたい通りにさせて、わがままな子どもを育てることは、わざわざ人生の敗残者にするような子育てをしていることになります。

したくなくても、せねばねらないときは自分の気持ちに打ち勝ってするというのが自由です。

社会に出て大切なことは、ルールにきちんと従うという習慣が身についていることです。それが身についていないと、周りの人に迷惑をかけることになります。ルールを守ることが、本当の意味での自由の基本なのです。

自分勝手で、何をしても責任がなく、他人にばかり責任があると思い込むような子どもを育てることがないようにすべきです。

そのためには、まず家の中のルールからしっかり守る習慣づけをしましょう。社会のルールがわかるようにするには、まず家の中できちんとルールをつくり、そのルールを守らせることで、自由と責任が育ちます。

子どもも一緒になり、わが家のルールづくり、わが家の憲法づくりをしましょう。 国を治めるのに憲法があるように、都市を治めるには都市条例があります。わが家をうまく治めるにも、わが家の憲法があると、子育てはとてもうまくいきます。

わが家の憲法では、次の3つを折り込んでおけば充分でしょう。

①人を傷つけてはいけない。
②人に迷惑をかけない。
③自分でしなくてはならないことはきちんと責任を持ってする。

この決まりに反したときは、きつく叱るという約束をするとよいでしょう。子どもがルール違反をしたときは、まずそれがルール違反であり、いけないというこ とを教えます。それでもわからないときは叱るとよいのです。いえ、そんなときこそ叱らなくてはならないのです。

●子どもが自ら反省する叱り方のコツ

叱り方にもコツがあります。それを心得て叱りましょう。

①叱る時間は1分以内。 それ以上やかましく言うと逆効果になります。
②そのことだけを叱り、昨日のこと、1週間前のことなども持ち出して叱らない。
③ 子どもの人格を叱らないで、子どもがした間違った行為を叱る。

以上のことについて、子どもとわが家の憲法づくりのときに約束をしておくとよいでしょう。すると快適な〝わが家〟ができ上がります。

親が感情に任せて叱ることもなくなり、何を叱ればよいか基準がはっきりしているので、無用な親子の摩擦がなくなります。 

子どもはいけないことをしたときに、叱られるという体験が必要です。 叱られたことのない子どもは、叱られることに耐性がなく、社会に出てひどく傷つきます。そして上司に叱られるとすぐ挫折してしまうストレスに弱い大人に育ってしまいます。
自分の悪かったことは、素直に悪かったと反省できる子どもに育てておかなくてはいけません。それができないとストレスを溜め込みやすくなってしまいます。

叱ったあとで、忘れてはいけないことがあります。それは決して叱りっ放しにせず、子どもが謝ったあと、あるいは反省したあとには、謝れたこと、反省できたことを心からほめてあげるということです。