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新潟、福井、広島。フルリモートしてみて、実際どうなのかを聞いてみました。

こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。

シフトブレインは2021年1月末にオフィスを縮小し、全社リモートワークへ移行しました。基本は在宅での仕事となるので、どこに住んでいても働くことができるようになりました。
今回の記事では、もともと東京に住んでいて中部地方や中国地方に移住したスタッフ3名を紹介します。

●新潟県へ移住したプロデューサー(40代)
●福井県へ移住したアートディレクター(30代)
●広島県へ移住したエンジニア(20代)

職種もライフステージも異なる3名に移住の理由や移住後の良かったこと、悪かったことを赤裸々に聞いてみました!地方移住を検討している方や「フルリモートって実際はどんな感じなの?」と気になっている方は、是非ご覧ください。


【1】家族で新潟にUターン

土屋 学(Producer / Marketing Director)
移住時期:2021年8月
移住先:新潟県

●移住の理由
フルリモート勤務になり、自宅で仕事場を確保することが難しく感じていました。子供にも新潟にいる祖父母と接する機会を増やしてあげたい気持ちがあって、もともと子供が小学校へ入学する前に地元へ戻る選択肢も考えていて。東京では下町で人情がある今でもとても好きな地域に住んでいましたが、これを機に家族で地元へUターンすることにしました。

●移住して良かったこと
新潟はご飯も美味しいですし、部屋も広くなりました。家賃も高くないので、相対的に見るとランニングコストも下がりました。自然が好きなので山川海が近くなったのも嬉しいです。住んでいるのは住宅街ですが、車で30分ほどで行くことができます。そんな環境のなか、子供と一緒に畑を作ったり、キャンプや自然での遊びを通して刃物や火の使い方の知識を伝えています。

新潟と東京で自然の優劣をつけるわけではないのですが、体験・体感できるものが少し違うなと思っていて。東京でも自然に触れることはできるけど、住んでいた地域の近くにあった自然はなるべく快適になるよう整備されている印象でした。もう少しありのままの自然にも触れ、楽しさはもちろん危険があることも知ってほしかった。「自然は楽しめるけど厳しい」みたいな、エンターテイメントじゃない自然を体験してもらいたくて。東京と田舎それぞれの良さを楽しみながら知って、将来どこに住むかを自分で選択してもらえるといいなと思っています。

●移住後の働き方
仕事については場所が違うだけで、進め方や時間の使い方は特に変わっていませんね。
先日、用事で市役所に行った際に、提出した書類の表記の本社が港区だったことで「コロナ禍でフルリモート勤務の方と初めて会いました。実在するんですね!」と言われました。県内の企業でフルリモートを許可している会社もあるようですが、それでも事務所に出社されている方が多いようです。自分と同じような働き方をしている人は周りにはほとんどいません。

東京には1.5ヶ月に1回程度の頻度で出張しています。その際には3〜5日間ほど滞在し、社内だけではなく社外の方やパートナーの方々とも積極的にコミュニケーションを取るようにしています。フルリモートで地方に住んでいると気軽には会いづらいので、機会があればお会いしたいと思っています。プロジェクトで辛い局面を迎えた時にこそ、人との繋がりや思いやりが重要になってくると考えているからです。

●移住後に感じた課題
Uターンも良いことばかりではありませんでした。自治体の対応や東京でも利用していた企業のサービスの質の違いに、東京との差を感じています。良くも悪くも東京の方がドライだけど丁寧な印象で、僕にはそれがちょうどよかったので、改めてなじむのに時間がかかりそうです。自治体によって書類の説明や対応に大きな違いがあったり、デジタルに関する知識や浸透度にも乖離を感じています。自分が当たり前だと思っていたことがそうじゃないことにも改めて気がつき、反省することもあります。

●移住先でチャレンジしたいこと
移住前に新潟県の行政の窓口となる方とお話をする機会があったのですが、自分と同じ危機感をもっていて「どうにかしたいけど、どうしていいかわからない」「なんとか発信したい」と口にされていました。新潟には世界に発信しているクリエイターもいるので、そういった方達と連携して素敵なものをつくり、発信していけたら面白いなと思っています。地元からの発信や人材の育成はもともとやりたいことでもあったので、これを機にチャレンジしたいですね。


【2】福井で『やりたいことができる場所』作り

宮本浩規(Art Director / Senior Designer)
移住した時期:2020年4月
移住した地域:福井県 越前市

●移住の理由
自分は2020年4月に1度目の​​緊急事態宣言が発令された際にすぐ地元の福井に帰っていました。その時は一時避難というような感じでしたが、半年後には会社がオフィスを縮小しフルリモート体制に移行することに。そのタイミングで迷わず移住しようと決めました。
もともといつかは地元で暮らしたいと思っていたけど、地元にはデジタル系の仕事があまりなかったこともあって。今は田舎で暮らしながら、東京に住んでいた時と変わらずに働けていて、理想の形になりました。

●移住して良かったこと
妻とは福井と東京で離れて暮らしていたので、家族と一緒に暮らせるようになったのが1番良かったことです。その他の大きな変化としては、以前は「仕事だけが充実していればいい」という考え方だったのがそれ以外の時間も楽しめるようになったこと。東京ではもともと趣味だったカメラ以外で、外出して何かをすることがあまりなかったんです。基本がめんどくさがりなので、例えば『準備をして山に行く』なんてことには非常に腰が重かった。それが今は山も川も海も近いし、自宅で出来ることもいっぱいあって。自宅にオフィス用の小さい空間も作ったので、そこではDIYをしたりもして.......そういったことが楽しくて、仕事以外にも色々と取り組む時間が増えてきました。何かをする為に電車に乗る必要もないし、すぐ近くで出来るのが自分に合っていると感じます。力をかけずになんでもやれるし、やりやすい環境になった。
あと、カメラ以外の趣味が増えたことで、好きなデザインの幅も変わりました。自然と触れ合ったりカフェに行ったり、色々な場所へ足を向けるようになったので、仕事にも良い影響が出ているかもしれません。

●移住後の働き方
家にいればいるほど、時には仕事がずるずると長引いちゃうこともありますよね。区切りがつけられないとき。そういう場合は強制的に場所を移動してみたりします。例えば、庭に出て薪に火をつけるなど。仕事を完全に忘れるわけではなく、手を動かす作業に集中しながら頭の片隅で仕事のことを考えるみたいな感じですね。

●フルリモートワークの課題
オフィスがあった頃は様々なお客さんが出入りをしていたので、カフェスペースで色々な人と自然に交流する機会が頻繁にありました。家ではそのような偶然的な出会いはなくなるので、自分から動かなくても自然な出会いがあった時から比べると人との接点が減ってしまったなぁと思います。自分は交流会が苦手なので、そういう機会が減ってしまったのはデメリットです。

●移住先でチャレンジしたいこと
実は自宅に仕事をする空間とコーヒーが飲める場所も作りました。前のシフトブレインのオフィスの雰囲気がとても好きだったので、地元でも同じような空間が作れるといいなって思ってます。

今は準備を進めている段階でこれから内装に着手するんですが、机やカウンターなどもDIYする予定です。そこから新しい出会いが増えたり、「とりあえずコーヒーでも飲みに来ませんか?」ってお誘いのネタにもできればいいなって。曜日限定でスパイスカレーとかを出してみるのも面白いですよね。売上とか細かいことは考えてないんですが、『自分のやりたいことができる場所』を作ったので、試しながら楽しみたいです。
簡単なロゴやパッケージも作ろう思っているので、完成したら社内にもシェアしたいと思います。


【3】きっかけは、広島サテライトオフィス

佐藤 高光(Developer)
移住した時期:2021年11月
移住した地域:広島県 広島市

●移住の理由
移住はもちろんフルリモートワークになったのがきっかけです。出社する必要がなくなったので、必然的に「どこで働いてもいいか」と思うようになって。フリーランス時代に色々な場所で仕事をしていた経験もあったので、業務自体にも影響はないと判断しました。
また、僕の場合は個人ではなく広島県の企業誘致制度(『広島ではたらく、という選択』)を利用したシフトブレインの拠点設置も兼ねた移住を検討していました。サテライトオフィス設置のための視察と個人の視察も兼ねて何度か広島へ足を運び、妻とも相談して夫婦で広島へ移住することに決めました。

●移住先は、どんなところ?
移住して半年、今のところ気候も良く最高です。地元のみなさんは「湿度が高くて蒸し暑い」と言われますが、東京からきた自分には風通しが良くて快適です。今住んでいる場所は、海は見えないけど山と川に囲まれていて、中心地にも近い立地の良いところ。自分は暑がりであまり家からは出たくないタイプでしたが、風が気持ち良いのでよく外出するようになりました。
それに中心地はほとんど自転車で回ることができるので、公共交通機関に全く乗らなくなりました。そういった面ではストレスも減りましたね。江田島のサテライトオフィスに行くための港へも、自宅から自転車で20分くらい。浜辺にも自転車で行けるので、そこでちょっとしたアウトドアもしています。

あと、広島って妙に海外っぽい雰囲気があるんですよね。知らない人でもちょっとしたコミュニケーションがあったり、フランクに声がけをしてくれたり。妻とは、以前に2人で留学していたオーストラリアっぽいねと話しています。地元の人曰く「よく言われるけど、自分達ではわからない」とのことです。
意外だったのが広島には東京でよく見かける車道と歩道をわけるガードレールがほとんどありません。大通りの歩道は車道くらいの幅があるし、それも窮屈さがなくて海外っぽく感じる要因のひとつなのかもしれません。

●移住して良かったこと
移住後は夫婦の時間が増えて、かつ2人とものんびりになりました。生鮮品が美味しくて安いので、自炊することも増えましたね。移住して自宅が広くなったので自分の仕事部屋ができたのは嬉しかったです。昇降デスクに変えたのでステッパーを踏みながら仕事するとか、腹筋ローラーでコロコロやったりもしてます。

仕事の休み時間にはいろんなカフェに行ったり、川が近いので夕暮れに散歩したり川辺で休んだり......ベランダに出るだけでも風が抜けるので気分転換になります。家から出ると何かしらあるので、リラックスするための選択肢が増えました。東京では何かするためには少し歩いたり、電車に乗らなきゃいけなくて。広島にきてからは、ちょっとした休憩の方法が大きく変わりました。

●移住後に感じたデメリット
広島に移住するまでは、ずっと東京在住だったので多くの友人が東京にいて...今は気軽には会ったり遊びには行けなくなりました。東京から遊びに来てくれる友人もまだ少なくて。
会社主催のイベント(ワーケーションなど)でも、予算の関係上東京に集まることが多く、自分に対してお金と時間が多くかかってしまいます。毎回なので遠慮するというか、気になってしまいますね。仕方がないことなのですが、デメリットに感じている点です。

●移住先でチャレンジしたいこと
東京でやったら怒られるようなことをやりたいです。広島はみんな河原でBBQをしていて、結構自由な雰囲気なんです。最近、燻製器を揃えたので、近々燻製のおつまみを大量生産する予定。家の裏の川で燻製して、そのままお酒を飲んだりしても楽しそうです。海も近いので、マリンスポーツや海釣りなんかにも興味があります。
あと、せっかく中国地方に移住したので、他県にも遊びに行きたいと思うようになりました。これから、免許を取ってドライブも楽しめるようになりたいです。


まとめ

移住の理由は三者三様ですが、いずれも移住後の生活をとても楽しんでいる様子が印象的ですね。図らずともシフトブレインが15周年に掲げたスローガン『WORKS GOOD!』、「 いい働き方をするために、いい生き方を考える」という思想をそれぞれが受け継いでいるように感じました。プライベートと仕事の両方に良い影響が出ているようです。

一方で、リモートワークや物理的な距離についての課題が全くないわけではありません。今後も会社として、未来の働き方の模索は続きます。

シフトブレインには今回ご紹介した3名以外にも移住したスタッフや、関東以外の地域で採用となったスタッフも増えてきて、場所を問わない働き方を実現しつつあります。今年の春には代表の加藤も福岡県へ移住しました。こちらはまた別の機会にご紹介したいと思います!


※全社リモートワークとなった経緯について、詳しくは代表 加藤のnoteをご覧ください。

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Illustration: Sunao Nakamura
Interview,Text: Mihoko Saka


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