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福祉、向き合う勇気。

最近(でもないですが)、こんな漫画を読みました。

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『健康で文化的な最低限度の生活』柏木ハルコ

春、4月。東京都・東区役所に就職したばかりの新人公務員・義経えみる。彼女は福祉事務所で生活保護を担当するケースワーカー業務に就く。戸惑いながらも生活に困窮した人々を支援していく中で、えみるは今まで向き合ってこなかった人々の[生活]に踏み入る。
第1巻裏表紙より

今夏にドラマにもなっていたりとわりと有名な漫画ですね。聞くところによると、大学の講義でも使われてたりするみたいですよ!

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作中では、様々な「対象者」が登場するわけですが、ほとんどのケースが綺麗に完結するわけではなく、もどかしさを抱えながらも少しずつ前に進んでいく。そんな感じです。モヤモヤを感じながらも、ページはどんどん読み進んでいく。

福祉の課題は、この漫画を読めば読むほど、その分野の人に聞けば聞くほど、複雑に絡みあっている難しさを感じますし、解決に向けたきっぱりとした答えは存在しないんだなと思い知らされます。

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だからこそ、地道な活動が必要で、時間がかかる。

実際は・・・巻き込まれないと見えないことってあるんですよね。

義経の指導役でベテランのケースワーカーの半田さんの言葉。対象者に巻き込まれて、一緒に悩んで、悲しんで、腹を立てて、一緒に伴走することでできることがある、と。

スッキリとは終わらない。終わりがどこかは分からない。続けていかなければならない。ちゃんと向き合う勇気を、この漫画は教えてくれる。

あと、ルポライト的な要素もあって、とても勉強になります。


最新刊の第7巻では「子どもの貧困編」が始まっています。教育と福祉の課題は相互に絡み合っていて、お互いに課題を共有、連携していく必要があるとよく言われる。しかし、実際のところ、僕は福祉の分野に明るいわけでもなく、色々と勉強しないといけないなと思うばかりです。

同じようなことを考える教育学部の学生がいて、その学生たちが中心となって、教育と福祉の学生がお互いの価値観や感覚的な部分を共有する交流会を現在企画しています!

詳細はこちら

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この企画の紹介をしに、僕も初めて川崎医療福祉大学を訪れました。医療系の大学って感じで、とくに学内土足厳禁というのは個人的に新鮮でした。笑

お互い「卵」のときに、つながっておくことって大切だと思っていて、(教育と福祉の学生とで)教育に対する捉え方も違うはずで、そういう違いをお互い知ることで、自分の器やものさしを広げていけるのではないかと。

「自分のものさし」で計ることのできない人が「異端」というわけでは決してない。その人には、その人の世界があって、理解しようと耳を傾けていく必要がある。でも、これはとても勇気がいることで、時間がかかることで。なんていうか、とにかく考えさせられるわけです。

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