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未来に向けた撤退戦がはじまった

増えてきた私たち

2001年、私は結婚しました。
結婚からほどなく妻は妊娠し、2002年には長男に恵まれました。
2005年、次男が家族に加わりました。
ふたりの子どもが大きくなって、2018年に犬を迎え入れました

夫婦2人から、子どもが生まれて3人に。
親子3人から、子どもが増えて4人に。
小さかった子どもたちは、どんどん大きくなって妻の背を抜くほどに。
犬が家族に加わり、笑顔がさらにふえて。

ずっと、成長してきました。
ずっと、増えてきました。
幸せが大きくなっていくことを感じていました。

長男がひとり暮らしを始めました

「学校の近くでひとり暮らしを始めたい」
と言われて、否はありませんでした。

大学まで2時間半の通学路を、1年半がんばって通いました。しかしコロナ禍で自粛されていたサークル活動が再開されるに従い、気軽に、もっと学校にいたいと感じ始めたようです。そう思える場を得たこと、そう思える仲間を得たことを嬉しく思いました。

私も大学生の頃には、色々な経験をしました。妻と会ったのも、大学生の頃でした。子どもにも色々な経験をしてもらいたいと思う気持ちは、以前からあったのです。

2022年秋、長男はひとり暮らしを始めました。
9月1日に、荷物と長男を送り届けてきました。

初めて減りました

自分の家族を持って、増えて、成長してきました。
輪が大きくなることを感じていました。

それが、初めて減りました。

もちろん、長男にとっては門出であり、新しい世代の第一歩です。
でも親として初めて、現実をつきつけられた日でもあります。

子どもの成長とは
世代を新たにすることとは
未来を創るということとは

親が見送らなければならないということ
私たちが最前線ではないと自覚しなければならないということ
そして、既存コミュニティを支える人が減るということ。

我々は未来に向けて、正しく減っていきながら、撤退戦を維持するステージへと進んだのです。未来に向けた行動であることは理性ではわかっていても、それでも減れば寂しいものです。

ああ、子どもが育っていくのなんてあっという間だなあ。
子どもが生まれたときに「3歳までのかわいさを胸に、その後の育児をするんだ」なんて言った人がいたけど、20歳までかわいいままだよ。

古い世代が減るということは、新しい世代が増えるということ

長男の巣立ちを伝えると、母はこのような内容のメッセージを送ってきました。

彼はこれから1人の生活が始まる。
そこから増える生活が待っている。
そのプラスを楽しみにしている。

母らしいメッセージです。

母は3人の子どもを育て、送り出しました。それぞれが家族をもち、母にとっての孫が生まれました。子どもたちを送り出して夫婦ふたりと犬だけになって実家は、機会ごとに十数人が集まる場所になったのです。その過程を経験してきた母だからこそ、減った寂しさの先にある、さらに増える楽しみに目が向いたのでしょう。

母に倣い、私も長男が新しい世界に羽ばたくことを楽しみとしましょう。彼の世界が広がり、色々な経験をした彼が帰ってくる場所を用意しながら。




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