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果たして体にとって良いのか・・・を考えてみる

『乳酸菌と食物繊維が腸を壊す』宇野 良治・著 / 宝島社新書(2022)


医師で過敏性腸症候群(IBS)に詳しく、低フォドマップ食を推進している著者による腸にとって何が良いのか考え直す一冊です。

私自身は特に腸に問題を抱えているわけではないですが、身近に潰瘍性大腸炎を患っている人やIBSの予備軍のような人がいますので、一緒になって考えて調べているうちに、ひとまず本書に辿り着いたわけです。

タイトルの通り、一般的に良いとされるもの(乳酸菌や食物繊維)が、特定の環境(腸に疾患を抱えている人)においては逆に悪いもので、実は遠ざける必要があるということを教えてくれています。

これは、仮に病気ではなくて健康な人であっても、そのように片寄った食事や嗜好を続けていると、病気になってしまうことがあるということも示唆しています。

そして、本書では低フォドマップ(それが何かは本書を)の食事を提唱しているのですが、なるほど、冒頭に挙げた二人の食事の嗜好性に照らし合わせると、どちらも高フォドマップ、つまり腸にとって良くない食べ物を好んでいることが分かりました。であるならば、それらを意識してコントロールすることによって、お腹が痛くなったり調子が悪くなったりする症状を改善することが出来る可能性があるわけです。

また、本書では「良いとされるものが本当にそうなのか?」ということに疑ってかかることも示唆してくれています。すなわち、第4章で書かれてる『ピロリ菌を除菌しても胃ガンは減らない』です。

このピロリ菌除菌についても、「見つかったら除菌しなければ胃ガンになる」「だから抗生物質でやっつける必要がある」と思っている人が圧倒的に多いでしょう。国や病院がそう言えば、そう従うのが正しいという思考です。先のコロナワクチンやインフルエンザワクチンと同じと言えば同じですね。人々は医療やその背後にある経済的思惑にうまく乗せられている事実があると思います。

実はピロリ菌を除菌することで他のガンや病気が増えることが分かってきています。本書でも書かれていますが、人間の体内にいる微生物の多様性、その働きはそう単純かつ簡単なものではなく、何か一つの菌をやっつければ解決するということでもないということことです。どうしようもない胃の症状が出ていてそれが確かにピロリ菌の仕業だから除菌するというならまだしも、特にどこも悪い症状が出てもいないのに定期的に行っている健康診断でピロリ菌が見つかったから即除菌というのは、考え直した方が良いかもしれません。これも「~しなければ胃ガンになるよ」という脅し、つまりは不安をあおって行動に至らされているということになろうかと思います。

このピロリ菌除菌については、本書を読む以前にすでに知っていましたので驚きはありませんでした。『薬のやめ方』事典の第9章「健康診断が病気を作る」の中でも書かれています。

また、このように「実は真逆の方が正しいのでは」というのは他にもたくさんあって、たとえば血圧はそんなに低くなくて良い(降圧剤を飲まされている)とかコレステロールには善玉も悪玉もない(下げるための薬を飲まされている)とか、必要なワクチンなんてほとんどない(ワクチンを打たされている)など、挙げれば二つや三つではありません。

つまり、広く当たり前や正しいとされることに一旦疑いを持って、それとは異なる意見の在りかを見つけて知ろうとしてみることが大事かと思います。後の判断は、もちろん各々がすれば良いことです。


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