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#273 キャリア安全性・主体性を深堀る1ー社員の個人事業主化

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、ゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


今日から、キャリア安全性・主体性についてお話してみる

今日から、特に後ろは決めてませんが、キャリア安全性、主体性について「どう高めていけばいいのか?」という観点について深掘りしたいと思っています。

このテーマを扱いたい理由、2023年の年末に『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』という本を読んだことが1つのきっかけです。

この本には、若手を育てるためには、大きくわけると「2つの安全性が必要だ」と書かれています。1つは「心理的安全性」。もう1つは「キャリア安全性」。こういった安全性をいろんな組織で高めていく必要があるよね、というお話でした。

キャリア安全性とは、「わたしは将来、この会社にいても大丈夫だ」っていう安全性。安全性とは、安心感というよりも「わたしはこの会社にいても成長していける」とか、「この会社にいてもキャリアとして、社会に通用できる」みたいなことですね。

キャリア安全性・主体性を高めることの難しさ

この、キャリア安全性を高めるって、現時点の、日本の会社の中では、結構難しいことだなと思っています。

もちろん、何かしらの手立てはね、あるとは思います。ですが、それを体系化して、制度化して、社員みんなのキャリア安全性・主体性を高めていくのって、ちゃんと「育つ」「高まる」状態にできるか? というのは、難しい課題だなと思っています。

※テキストのみ追加:なぜなら、多くの企業では、これまで、社員のキャリア安全性・主体性を高める施策を行った経験がないからです。

僕自身は、キャリア安全性・主体性が比較的高いほうだと思う

僕はどちらかというと、自身のキャリアについては比較的主体性がある方で、かつ安全性を自身で担保している方だと思います。

複数の仕事をすることによって、複数の収入源があるから「どれかがこけても、なんとか生活はできるだろう」という環境をある程度確保できていたり、キャリア主体性については、「自分が今後困らないように、こういう力をつけておこう」とか、「社内だけではなくて、社会との関係性も構築しておこう」とか。

あと、複業しているAという仕事と、Bという仕事を関連付けて、いっしょに取り組めるようにしたり。そういったことを、日々実践しているタイプだと思っています。なので、キャリア安全性・主体性は、まあある方だとは思うんです。

僕がキャリア安全性・主体性を身に付けたのは「大変な想いをした結果」

ただ、僕がキャリア安全性・主体性を高めてきたのは、僕の場合、30代の時に不覚にも起業して、食うに食えない状況に置かれて、「さすがに、これじゃまずい。なんとかしないと」という状況に置かれたから、死に物狂いでなんとか身につけてきた経緯があります。

その結果として、周囲との関係性や収入、いま置かれている環境を身につけてきたので、キャリア安全性・主体性は身にはついたけれど、結構大変だったんですよ。

だから、その大変さを、すべての人に求めるのは無理だし、危険すぎるとも思っています。だから、僕は自分の経験を、ほかの人にしてほしいとは思わないんですよね。大変だから。

また、これを会社に求めるのも、やっぱり無理だなと思うので、僕の経験値をそのまま、キャリア安全性・主体性を高める方法として適用するのは、ちょっと違うよなって思うわけですよ。

でも、キャリア安全性・主体性は絶対に必要になる

だけど、これから人生100年時代を迎え、先日の震災もそうですし、これから人口減少時代に入り、今後社会が、いままでのように「将来は、大体こうなるな」「何年後には、〇〇になっているな」という見通しが立てにくくなっているいまの時代には、自分で、自身のキャリアに主体性を持ち、安全性を担保して、キャリアを歩んでいくことは、すごく重要なことだと思うんですよね。

だから、それは個人としてもそうだし、企業としてもそうですが、身につけていく必要があると思っています。

そこで、企業の場合だったら、いまいっしょに仕事をしている社員のみなさんが主体性を持てるように、何かしらの手段で育てていく、高めていく必要があるときに、「じゃあ、何をすればいいのか?」というのは、深掘ってみたいですよね。

企業として、手っ取り早く社員のキャリア安全性・主体性を高める方法

話は少しずれますが、もっとも簡単に、社員のキャリア主体性を高める1つの方法は「社員を個人事業主化すること」です。

タニタさんは、いままで社員としての契約だったのを、個人事業主として契約して、キャリア主体性を高める取り組みをしていますよね。

この取り組みを始まった2020年当時、SNS等で「体のいい首切りじゃないか?」みたいな意見も散見されました。

ただ、改めて当時の記事を見ると、キャリア主体性を高めるために、この取り組みをされてるんですよね。

「いまのままで、10年、20年後、自分はちゃんと活躍できるのだろうか?」と思っている社員の方々が個人事業主になりながらも、仕事の関係はいままで通りという形で、タニタさんの場合は取り組まれています。この、個人事業主化は、キャリア安全性・主体性を高める1つの形だと思います。

個人事業主になれば、業績がさがった時には、ひょっとしたら「ごめんなさい。会社苦しんで……」と言われる、一番最初の人になり得るかもしれませんが、そもそも、会社というのは、商売というのはそういうものみたいなところがありますし、そういう、リスク含みの環境に常々身を置くから、身につくこともあると思います。

何もない、ゼロの状態から起業するのは本当に大変です。でも、会社との仕事の関係が、いままでの状態を担保したまま、キャリア主体性を高める1つの方法であることは、間違いないと思いますね。

ほかの方法もありそう

個人事業主は1つの方法だとは思いますが、それ以外にも、できる方法があるんじゃないかと思います。

明日以降も、キャリア安全性・主体性を高めるために「こういう方法がいいんじゃないか」といった内容について、もうちょっと深掘ってみたいと思います。

じゃあ今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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