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#157 抽象度をあげて「相手の深いところ」とつながる質問

竹内義晴です。この番組は組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


組織作りやコミュニケーションに関するお話をしています

いまですね、組織作りやコミュニケーションに関するお話をしています。特に質問に関するお話ですね。昨日はですね、解像度をあげてコミュケーションギャップを減らす「質問の基本」というお話をしましたね。

ここで「解像度をあげて」とは、コミュニケーションギャップが起こる原因を考えたとき、お互いの意見、あるいは考え、価値観、そういったものが分かり合えないときに、コミュニケーションギャップが起きるのではないかと思います。

もちろん、相手のことを「すべて分かる」ことはできないかもしれませんし、相手のことを受け入れることもできないかもしれません。けれども、もし相手が「何を言いたいのかが分からない」という状況であれば、まずは、相手の話を聞いて、分からなければ質問をして……としていけば、理解まではできないかもしれないけど、少なくとも、相手のことが「分かる」ことまでだったらできるかもしれない。

そこで、お互いのコミュニケーションギャップを減らすためには、言葉にできていない相手の考え、価値観、意見、情報、そういったものを質問して聞く必要があるよね、というお話でした。

質問の基本は5W1H

質問の基本について、昨日は5W1Hに関するお話を主にしました。

5W1Hって、ビジネスパーソンだったらほとんどの方が一度は聞いたことがあるんじゃないかなと思います。なので、「何だ、5W1Hか」って思われた方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

しかし、多くの場合、よほど意識的にしないと、質問をして聞き出すことは、通常あんまりしないので、意識的に「それは、いつからなんですか?」とか、「どうして、そういうような状況になったんでしょうか?」とか、「誰との関係の中で、そういったことが起こっているんでしょうか?」のように、相手が言葉にできていないことを意識的に質問して聞いていくことで、おたがいの解像度が上がって、コミュニケーションギャップが減らせますよというお話でした。

今日は「抽象度が高い質問」て、相手と深いつながりをつくるお話

今日のお話は、昨日お話した「具体的」とは、逆のお話をしようかなと思います。

一般的に解像度を上げるためには、具体的にすることが重要ですよね。一方で、相手の考えの背景や、思いの部分を聞いていくときに、具体的にする質問とは逆の質問をすると、かなり効果的に聞くことができます。

「具体的の逆」というと、言葉的には「抽象的」という言葉になりますよね。抽象的というと、「曖昧な」といった意味があるので、「じゃあ、ますますわかんなくなっちゃうんじゃないの?」と思われるかもしれません。

ここでは「抽象的」というよりも、「抽象度をあげる」というふうに置き換えたいと思います。

「抽象度をあげる」とは?

「抽象度をあげる」とは何かというと、「さらに大きな視点で捉える」ということですね。「さらに大きな視点で捉える」とは、ある事象、そこにある状況からちょっと離れて、客観的に物事を捉えるっていうことです。

たとえば、抽象度を上げる質問で、僕がとても好きな質問は「そもそも」という質問です。「そもそも、何のためにそれが必要なのか?」っていうのは、ある事象からちょっと上の視点で物事を俯瞰して、大きな視点で捉える質問です。

この、「抽象度をあげる」ためには、ほかにどんな質問があるか? というと、「それをすると、どうなりますか?」とか、「それによって、どうなりますか?」っていう質問も抽象度を上げる質問です。

この「抽象度を上げる」っていうのは、具体的にお話した方がわかると思うので、ちょっと実際にやってみたいと思います。

「スマートフォンを買う」に対して、抽象度をあげると……

たとえば「新しいスマートフォンが欲しい」ということに対して抽象度を上げると、どんな感じになるでしょうか? そこで、「新しいスマートフォンを手に入れることによって、どうなるか?」ということを考えてみます。

「新しいスマートフォンを手に入れることによって、どうなるか?」
  ↓
「スムーズな操作が手に入る」

じゃあ、スムーズで高性能なスマートフォンが手に入ることによって、どうなるのか? 

「スムーズな操作が手に入る」
  ↓
「ストレスなく情報を知ることができる」
「データを保存することができる」

みたいな感じかな。では、ストレスなく情報にアクセスしたり、保存することによって何が得られるのか?

「ストレスなく情報を知ることができる」
「データを保存することができる」
  ↓
「快適に操作できる」
「何の心配もなしに、スマートフォンを操作できる」

みたいな感じかな。さらに行きましょうか。「ストレスなく快適に情報に触れることができることによって、何が得られるんだろう?」……このぐらいになってくると、答えるのは難しくなってきますよね。

なぜなら、「そもそもの、目的」を考えることになるからです。

抽象度があがった状態とは?

抽象度が上がれば、上がるほど、どういう風になっていくか……というと、「幸せ」とか、「満たされている」といった感じになっていきます。「幸福感」とか「存在意義」とか「平和」とか「愛」とかね。こういった状態が、抽象度が最大まであがった状態。

「そもそも、何のために?」を考えていくと、それをする目的自体にアプローチすることになるし、「そもそも、何のために?」という、抽象度の高いところって、人は普段、あまり考えないことが多いので、抽象度がたかい質問をていねいに聞いていくと、「何のためにそれをするのか?」とか、「何のためにそれをしなければならないのか?」とか、その存在意義や哲学的なことも考えるような感じになるわけです。

スマートフォンぐらいだったら、そこまで深く考えなくてもいいんでしょうけど、何か「新しいことをやりたい」という方などに対しては、「そもそも、それを行うとどうなるんでしょうか?」とか、「〇〇さんにとって、それを行う意味は何ですか?」とか、「それによって、どうなれるんでしょうか?」とか、「それによって、どんな状況が新たに得られるんでしょうか?」というような、抽象度の高い領域にアプローチしていくことができると、人は普段、そこまで深く考えることがないので、深い部分で相手とつながることができるということです。

ということで、今日は、抽象度の高い質問によって、相手とつながるということについてお話ししてみました。じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね。バイバ~イ!

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