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こうして仕事資料は再利用できる。効率的な企画書や提案書の作成①

『企画書を作れない・作るのに時間がかかる』問題

筆者は30年近くの職務経歴の中で多様な業界の仕事を経験しているが、
頻繁な転職で大企業を渡り歩いてる人とはちょっと違い、
フリーランス(個人事業)⇒自分が創業した会社の経営者、
という立場がその8割くらいを占めている。
なので、かなり過去からの自分の作成した仕事ドキュメント(企画書、分析レポート、戦略レポート、事業計画書など)を個人として蓄積してきている。

仮に資料の電子データが残っていなかったとしても…その“作り”はほぼ頭のなかにはいってるので、再現することは割と簡単だ。
これは普通の企業人であっても視点を変えればできることで、社内には無数の過去の賢人の作った資料が転がってる。
なのに、なぜ企画や提案の資料作るのに時間がかかるのだろうか?

『企画書の書き方』ガイドブックとかを見ると、色々気づくことがある。それは書き方のノウハウというよりは、ビジネスドキュメントの作成に不慣れな人が、なんで書けないのか?書くのに時間がかかるのか?…についてだ。

ちなみに書けない理由の最も底辺にあるのは以下のような問題だと思っている。

【企画書や分析レポートや提案書が書けない理由 その1】
●そもそもビジネスの組み立て方・進め方がわかっていない
●マーケティングの構造と方法論がわかっていない。
●該当する市場やビジネス環境に関する情報不足・理解不足。
●人の書いた企画書やレポートを理解できない、善し悪しやクオリティを評価できない。
●レポート(提案)する相手のレベルだとかメンタリティをわかっていない、想像できない。
●人にモノを伝える…伝達スキルが低い。
●ビジネスのボキャブラリーや多様な概念認識が貧困。

ここに挙げたのはビジネス資料の作成スキルの問題というより、
”ビジネススキルそのものの問題。
実は書けない理由の7割くらいはこれ…という気もするが……そのテーマだと『資料作り』という問題から逸脱するので、今回は『上記の知見はある』という前提で『それでも書けない問題』を検討したい。

その際に良く引き合いに出されるのが
①フレームワーク問題、➁アイディア創出問題、③伝達・表現問題、の三つだ。

①フレームワーク問題
モノを考えて整理して結論を導くための枠組み・手法が自分の中にない。知らない。
➁アイディア創出問題
アイディアの出し方・導き方の方法論がわかってない。
③伝達・表現問題
整理された課題や創出したアイディアを効果的にわかりやすく伝える・アピールするシナリオや表現を組み立てられない。

筆者は、30年近くのコンサルタント職の結果として上記の問題を解決してきたが、その過程で過去資料を再利用したり、高速で作るための汎用化やパタン化、メタ化をしてきたと思ってる。
そして、20数年にわたる過去資料を思い出したようにピックアップして今のプロジェクト資料のベースとして再利用する癖がついた。


そしてもう一つポイントがある……。
受託型ビジネスの場合においての、稼働に対してクライアントに課金できない提案書、そして受託後にお金をもらって稼働する資料作成の違いだ。広告代理店などの場合はこの辺が結構あいまい(資料作成費や企画費を広告代金に乗せて回収したりしてる…)だが、コンサルティング会社の場合は、『資料作成』にきちんとお金をいただくので、この違いは明確になる。

①提案書(未受託・課金してない)
提案内容はそのまま使える(パクれる)レベルまで書かないが、期待感を醸成し、『この仕事はこの会社にしかできそうにない』という印象を持たせる。
➁企画書(受託済み・課金している)
顧客企業の社内事情やニーズ・保有課題に対して徹底して寄り添い、その条件の中での中長期ビジョンや直近のアクションをイメージできるレベルでシナリオメーキングを施す。

というところまで書いたら、
かなりの文章量になってしまったので、
具体的な資料も引用しつつの続きは次回に譲ります。

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