見出し画像

みえてきたアパレル業界の問題と、ブランドを支える工場の葛藤。


ここ最近、2件生地を織る工場の見学をした
そこでのお話を聞いて、感じたことを残しておこうと思う。

現場をみること、そこでつくている方々のお話を直接聞くことはすごくためになるし、いい経験だと思った。現場の音、匂い、熱量、ものづくりのかっこよさを感じられる。

実際HIKARIでもサンプルの打ち合わせのために京都に行って、
ほくほくした充実した感覚をしながら帰れたのを覚えている。
メールでも電話でもスカイプでも可能だけど、一度お会いして、相談したり話すことで、最低限の一問一答返しだけじゃないので、色々な情報や考え方や想いが聞ける。

今回お話を聞いた工場は、挑戦心がすごく柔軟性が高いと感じた。

まずアパレル業界の現状。
どちらも昔からアパレルの生産として盛んな地域。今でも盛んではあるが、昔は何十倍もの工場があり、あれよあれよと潰れてしまったらしい。

原因はいくつかあるが、大きく関わっている点はこのあたり。
・後継者問題(家族経営が多い)
・高齢化(若い人が入ってこない)
・時代の変化
・それに伴う事業の柔軟性やアップデート

多分もっといろいろ関わっていて複雑なので、あくまで今回話に出ていたり私が感じた点。

高齢化に関しては、正直子供ももう巣立っていて家族ができていて、自分たちが生活できればOKな状況だと思われる中、挑戦する意欲が薄れ、「もうそろやめてもいいかな、誰々さんがやめたらやめるわ」みたいな話がよく出るらしい。
だから5社くらい一気にやめていってしまうとかありえそう、、。(ひぃ)

100年以上続いている工場もあり、
やはりそういうところは、注文をもらったものを言われただけ作るだけじゃなく、自社で商品をもったり、特殊加工や特殊技術を研究・開発してガンガン提案したり、変化をし続けている。すごい、、。

超大手のブランドの名前も出ていて、
「あぁあのブランドもこういうところで、この人たちが作っているんだ」と思ったら、ブランドに対してすごく親しみを感じ愛おしくなった。



特に印象に残っているのは、生産工程に関する話。
(アパレルはグレーな部分が多くて、そもそもここが気になって現場をいろいろ見たいとも思ったきっかけ。)

HIKARIは「化学繊維・化学染料をできるだけ使わないで、下着を作ろう」とはじめに掲げていた。

本来、生地を白にするために漂白する漂白剤も超危ないし、
コットンを育てるために、危ない農薬を使うところはいまだにあるし、化学繊維でアレルギーや皮膚ガンになっている人もいる。
直接手で触っちゃだめな染料もあったりするけど、海外ではそういった知識や情報を何も知らずに素手でマスクなしで作業をして、体に影響があったり死人が出たりしている。

もちろん日本の工場でもそれは問題視されているし、
エシカルやオーガニックに興味があるお客さんやブランドが増えてきている。今回の工場さんは、生地を洗う洗剤を優しいものに変えたり少量で可能なものにしたり、人の体にも環境にもよくないとされている化学薬品の使用を減らしたり、エコ染料にしたり、廃材で商品を作ったりと、色々な取り組みをされていた。

アパレル業界は「材料を作る」「縫う」「裁断」など工程数が多いうえ、これが分業制なので、材料屋さん、縫製屋さん、裁断屋さん、整理加工屋さんなど、それぞれ会社がある。

1工程だけ環境配慮をしても、次の工程では劇薬を使っていたりする。全ての工程を自然にするって難しいんだなって思った。
化学を使うことによる便利さ、きれいさ、耐久性、ストレッチのある伸縮性、などなど化学繊維や化学染料でしかできないものもある。効率やコストも関係する。今のやり方を全て変えて新しく工程を変えたり設備を変えたりと作る側の負担はすさまじい。悩ましい葛藤。

同じように1つの工場が環境にいい作り方を選んでいるのに、そこでできたものが次の工場では化学薬品大量に使ったりしていては、なんだか意味がない気がしちゃう。同じ想いの工場と連携して行うことはまじで大事だと思った。


アメリカではこれが一社ですべて行なっているところが多い。
日本では分業で協力して行えているのは”信頼関係”が強いからだそう。
(これすべて一社でやるとかやばい、新規参入のハードル高すぎ、、)
だからこそ日本は開発や技術工場に時間を割けることもあって、海外に比べ種類が多かったり、難しいこともできるところが多いらしい。

こういう日本との違いを知って、海外のアパレルにも興味が湧いてきた。
日本をいくつか見て回ったら、海外の現場を見にいくことになりそう!


商品のデザインやスペックはもちろん大事だけど、
この会社の作っているものなら欲しいなって思う。
HIKARIでも、HIKARIの下着を作ってくれている方々の素晴らしさや想いを発信していきたいなと思った。個人的にも会社の成り立ちや歴史を深く知りたいので社長さんたち取材したい、、。

メンバー全員が願っていることなんだけど、
工場見学ツアーしたいよねって話はわりと最初から話が上がっているので、実現したい。商品ができる過程をみて、最終日に石徹白洋品店に行って、下着を染めて帰るっていうのやりたい。たのしそう。


では。


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

読んでくださってありがとうございます!! サポート代はnote書く時のコーヒー代にさせていただきます。