イタリアひとり旅12 旅の形。
旅にも色々な形があって、楽しみ方も色々あるのだと思う。
ローマ2日目は旅行社で手配した日本語ツアーに参加した。
待ち合わせ場所に集合して、30人を超えるグループでの市内観光となった。
ちなみに一人で参加していたのは私だけであった。当然といえば当然である。
団体さんやカップルが多く、なんとなく疎外感を感じながらも観光を楽しんでいると、団体参加していたグループの女性が声をかけてくださった。
その方たちのおかげで、楽しく市内観光ができたので、感謝である。
ローマ市内観光ツアー中のあれこれは割愛するが、コロッセオやスペイン広場など、有名観光地はやはり美しかった。
ツアーが終わったのは午後5時。
ヴァチカン博物館を出たところでの解散となった。
ツアーで仲良くしてくださった方々はタクシーでホテルへ戻るとのことだったので、そこでお別れして、ひとり旅の再開である。
今回の旅で、教会や大聖堂の雰囲気が気に入っていた私は、その足でサン・ピエトロ大聖堂へ向かった。
大聖堂の中は、心地良いざわめきと、透き通った空気で満ちていた。
浄化されるような、すがすがしい雰囲気に、疲れも吹き飛ぶような感覚だった。
ヴァチカンを出て、サンタンジェロ城沿いの川に沿って歩く。
市街地から離れると、少し静かな雰囲気が漂っていて、ゆっくりとした時間の流れが心地よかった。
ホテルまでは歩いて1時間以上かかったが、ローマの街をのんびり散歩することが出来た。
偶然ツアーで乗り合わせた人たちと、有名な観光名所をまわったり、喜びを分かち合うのも、
ひとり気の向くままに、自由に歩き回るのも、どちらも旅の良い思い出だ。
ローマに到着した初日は、どうなることかと思ったが、ローマはやはり良い街だった。
この日はじめて、イタリアの夕日を見た。
日本で見る夕焼けとはまた違う、いつまでも青さの残る空だった。