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イタリアひとり旅⑦ フィレンツェと、まちあるき。

絵本のページをめくる瞬間は、大人になってもわくわくするものである。

フィレンツェに到着したのはちょうど昼ごろであった。ホテルへチェックインを済ませ、中央市場を目指す。
前日、頭に入れた地図を思い出しながら歩みをすすめる。この街の道は、碁盤の目のように十字に走っているので、比較的地図は覚えやすかった。

ホテル近くの所狭しと露店が並ぶ道を抜けるとそこは中央市場であった。

一つの建物に様々な店がおもちゃ箱の中のようにぎっしり詰め込まれた市場だった。
昼食を求めてイートインスペースとなっている2階へ上がり、適当にパニーノを買う。人が多く座ることができないので手早く立ち食いをした。

そして再び町歩きを再開する。
街の真ん中を流れるアルノ川を目指し、人通りに沿って広場へ向かう。

大通りへ向かって角を曲がると、突如現れる巨大な建物。丸い屋根が有名な教会、ドゥオーモとジョットの鐘楼であった。
その大きさと存在感には圧倒された。今まで見た建物の中で一番の迫力がある。

巨大な建築物に壮大な歴史と威厳を感じつつ、道に沿って進む。
角を曲がると次はメリーゴーランドが現れる。なぜ街中の広場にメリーゴーランドが?という驚きはあるが、楽しげな音楽と雰囲気に心も踊る。

楽しい気分のまま、さらに進むと今度はなにやら煌びやかな宝飾店街にたどり着く。
ヴェッキオ橋と呼ばれる橋であった。
橋の上に彫金類の商店街がずらりと並ぶ。なにやら不思議な光景だ。ショーウィンドウには溢れんばかりの金銀宝石。圧巻である。眩しい。

橋を渡りきった先は、落ち着いた雰囲気の静かな通りであった。
よくよく見てみると、そこここに革細工の工房らしき装いの店が見える。なるほど、川向こうは下町風情が素敵な工房が多い地区らしい。

河口側へしばらく歩き、ヴェッキオ橋より下流にある橋を渡る。
すると先には、祭りのように道路の上に色とりどりの布がぶら下がっている。よくみるとなんだか建物からもモードな雰囲気が。そこはどうやら高級ブランド店が並ぶ通りのようだった。はためく布がなんとも美しい。

角を曲がるたびに違った顔を見せる。


フィレンツェの街はまるで絵本の中を歩いているようであった。

区画が変われば雰囲気が大きく変わる。
ページをめくるように街角を曲がる。
人が多く、建物が高いため、遠くが見通しづらいのだが、そのおかけで、次はなにが出てくるのかと、ワクワクしながら歩き続けることができた。


まだまだ歩いていたいが、フィレンツェ2日目は、この旅初のガイドツアーが待っている。
体力を温存しておかねば、と早めにスーパーで夕食を調達しホテルへと戻るのであった。