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中国不況で大都市上海に起こった10の異変があるらしい 〜Part1〜

先日YouTubeを見ていたらどこぞの経済学者という方がどこぞのソースを引用する形で「中国経済不況上海に起こった10の異変!」という動画をあげていました。確かに上海でも不景気は感じますが、上海駐在歴16年目で毎日上海人や上海在住中国人、日本人、外国人とおしゃべりする仕事をしている私の肌感覚で前述の10の異変に物申したいと思います。

その1:サラリーマンが弁当持参で外食しなくなった。

私はそうは思わないですね、このYouTubeではランチが40元〜50元とおっしゃってましたが、それは高級な日本料理屋さんの話ですね、私上海のど真ん中で生活しておりますが、多くの日本料理屋さんのランチの相場が50元(日本円で1000円)前後です。ローカルなら30(日本円で600円)元前後、それこそローカルの麺なら20元くらいでお腹いっぱいになりますし、中華饅頭や餃子で済ます場合20元でお釣りがきます。
上海人で家族住みの方は昔から弁当持参する方も多いです。ちなみに弁当はだいたい旦那さんか、同居していたらおばあちゃんかおじいちゃんが作ります。仕事が終わると旦那さんはすぐ帰宅し、夕食の支度、共働きが基本の上海人夫婦は奥さんが仕事終わりで同僚とお茶をしている時に旦那が夕食の準備をしてできたら奥さんに「夕食出来たから帰っておいで」と電話します。これが上海スタイル。上海人以外は地方から単身赴任で上海に出てきている人が多く、1食20〜30元で食事出来るので自炊する方はそんなに多くないと思います。

その2:転職者が少なくなったどころか転職の話題も少なくなった

これはあるかもしれませんね、しかし、これは不景気だけが原因では無いような気がします。2010年頃以前の上海ではまだ「農民戸籍」というものが存在しておりまして、上海在住の中国人にも様々なヒエラルキーが存在しておりました。上から「上海人」「都市部出身外地人」「外地人」「農民」みたいな感じです。特筆すべきはこの農民戸籍の方々なんですが、企業側はこの農民戸籍の方を雇用した場合、社会保険等の福利厚生を行う必要はないということ、厳密にいうと一応奨励はするがかけなくとも罰則はないって感じでした。上位の上海人はすんげー手厚い保険や福利厚生を享受できるのにです。そのせいで少しでも雇用条件の良いところへの転職が相次いだのです。上海では万博以降労働法が猫の目のようにくるくると変わり、今では上海人でもど田舎出身中国人でも労働条件にさほど変わりは無くなりました。それがむやみやたらに転職しなくなった理由の一つです。もうひとつが外地人でも上海で家を買うと上海戸籍がもらえる政策が導入されたことです。上海戸籍を持っていると上海で生活する上で何かと有利です。子供を公立の学校に入れるにも上海戸籍が優先されます。上海ドリームを夢見た外地人はこぞって上海に家を買うようになりましたが、住宅ローンの審査であからさまではないにしろ転職をくりかえす人はローンが組めないという風潮も生まれ極力転職を控えるようになってきたと思います。

10の異変に物申すと意気込んで文章を書き始めましたが、中々説明に文字を要することになったので、その3からはまた別に書いていこうと思います。

でも中国の戸籍問題はまだまだ酷いですね、青森から家族で東京へ引っ越してきて、世田谷区に住民票を移したのに戸籍が青森だから子供は世田谷区の公立小学校に通うことが出来ないってことですから。すいません、青森に対して悪意は全くないです。

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