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"原木椎茸"と"菌床椎茸"の違いとは

こんにちは。㈱椎茸祭の竹村です。
普段、椎茸おだしの開発や、椎茸の栽培キットを販売しております。
半分趣味も兼ねて全国の椎茸を食べ歩いたりしてます。

椎茸の旬は秋...と思われる方が多いのですが、天然の椎茸の旬は冷え込む季節、11月~2月頃でして、今まさに椎茸の旬の始まりを告げるタイミングだったりします。

せっかくの椎茸の旬ですし、今回は、多くのお客さんとお話していてあまりご存知ないことの多い、原木椎茸と菌床椎茸の使い分けについてまとめてみました。

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原木椎茸と菌床椎茸の分類上の違い

まず、一般的に販売されている椎茸で、原木椎茸(げんぼくしいたけ)と菌床椎茸(きんしょうしいたけ)という種別をご存知でしょうか。

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↑スーパーで明確に表記される(菌床)と(原木)の椎茸たち。
実は、消費者庁が定める「しいたけ品質表示基準」があるため区分けされているのですが、そもそも気がついていないという方も少なくありません。

原木椎茸と菌床椎茸の主な違いは
①生育方法、②収穫までにかかる時間、③価格(①②に基づく)です。

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◯原木椎茸
原木の原木とは、木(主に広葉樹)を指しています。つまり木にシイタケ菌を打ち込んで椎茸を生やす方法なので、収穫までに1~2年半ほどかかります。時間がかかる方法ですので、そのぶん手間賃がかかるのと古くからある栽培方法(日本が初めて栽培方法を樹立したと言われています)なので、海外にはあまりなく国産のものが多いです。

◯菌床椎茸
それに対して菌床というのは、木を粉々にしたオガクズと栄養剤を混ぜた菌床(英語ではmushroom bed)に菌を入れて育てる方法で、収穫まで6ヶ月ほどで育ちます。こちらの栽培方法も日本発なのですが、その後海外でも広まり、海外では菌床栽培が主流となっております。
*詳しくは弊社の菌床椎茸栽培キットの作り方をどうぞ

なるほどなるほど〜。たしかに育成方法が変われば値段とかも変わりそう。
でも、、それぞれの椎茸を食べるときの違いはあるの??
と思われるように勝手に思いました。ので、
個人的に行っている、原木椎茸と菌床椎茸の使い分けについて更に詳しく記載してみました。

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食べる上での原木椎茸と菌床椎茸の使い分け

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原木椎茸の場合:
原木椎茸は生育に時間がかかるぶん香りが立ちやすく、乾椎茸にして出汁をひいたりするものや汁物の料理には向いていると思います。ただし香りが強すぎる場合も菌種によってはあり得るので、椎茸が苦手な方は原木椎茸の香りがダメ、という人が多いように思います。生の原木椎茸であればプリプリの食感を維持できますが、乾椎茸を戻したものだとプリプリ感は減ってしまうので、炒めものなどにするときはなるべく生の椎茸を使われるほうがおすすめです。

菌床椎茸の場合:
菌床椎茸は主に生椎茸なので、原木椎茸と同じく食感を活かすような炒めもの料理には向いています。また佃煮くらいじっくり味を入れるのであれば実は原木椎茸よりもちょうどいい味わいにある場合もあります。全体的に香りが強くはないので椎茸が苦手な人にも食べやすいです。ただし、乾椎茸にすることが不向きなぶん、生椎茸では出汁はほとんど出ません。なお原木椎茸、菌床椎茸問わず冷凍保存すると逆にうま味が出やすい、という話もあるので、余った椎茸は冷凍保存がおすすめです。

ざっくりとですが、なんとなくご理解頂けましたでしょうか。
原木椎茸は菌床椎茸に比べて水分量が少ないことが多いので、実際のものを見た上で料理の使い分けをされるのもアリです。水分量の多い菌床椎茸は味が滲みにくいので炒めて水分を飛ばす。水分量の少ない原木椎茸は煮込む。とか。なので、たまに誤解されていますが、原木椎茸が必ずしも品質最高というわけではなく、また菌床椎茸がコスパ最高なわけではなく、それぞれに向いた使い方があるのです。

最後に、本当の意味で、椎茸を考えるにあたって最も重要なことは
椎茸=菌種×木の種類×環境×[栽培方法]
なんですね。

だから、十把一絡げに原木椎茸や菌種椎茸を語ることはできないのですが、実は日本の椎茸は菌種ごとに売られておらず、栽培方法と産地だけで判断せざるを得ません。

(・・・・え、と思った方は最初のほうに貼ってあるスーパーの原木椎茸と菌床椎茸のラベルをご確認ください。)

ですので、まずは栽培方法と個性の違いを知っていただき、それぞれのお料理などの用途に応じてご判断いただき、少しでもハッピーな椎茸ライフを送っていただければと思います!🍄


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