自分史的なクリッピング史料

昨日も少々部屋の中にいると蒸し暑さを感じた。やはり20度を超えると爽やかでもあり、温暖化の影響で毎年暑さが増しているような気がする。暑さで体力維持も結構難題になってくる。家内の実家は青森。5月初旬には例年春らしさを迎え桜も満開になる。弘前城公園の桜は今でも鮮明に記憶に残っている。一方、いつも帰省すると気になるのがやはり少子化・高齢化に伴う街の変遷。五所川原に行けば大きなモールもあって、概ね東京のブランドを買うこともできる。そういう意味では平等・公平なのだろうか。でも原宿や下北沢、渋谷や新宿といった洒落た雰囲気などはないから、ブランド周辺にある空気を吸うことはできない。仕方がないことではあるけれど・・・。ユニクロの大きな店舗だってあるし、吉野家だってある。ワークマンもあるし、ケンタやマックもある。

2015年11月13日 日経 地方創生・移住
隠岐諸島 生徒受け入れ
集落の農家と企業連携

冒頭は、世界文化遺産の石見銀山で知られる島根県大田市の大森地区では人口わずか500人余りの山間集落にもかかわらず昨年(2014年)に6人の新生児が生まれたで始まり、その要因はこの地に本社を置く2つの企業がベビーラッシュに貢献していると。

2社とは、ファッションブランドの「郡言堂」を展開する石見銀山生活文化研究所と義手・義足で世界的知名度のある中村ブレイス。郡言堂は、家の近く(と言っても車で行かなければならない)のサイトに入居していて、かつては良く訪れた。最近は全く行ってないけど。中村ブレイスの中村社長は、「地方創生では若者に魅力を感じてもらえる働く場所を提供することが重要」と語っておられるが、これは若者にかかわらず、本来的な魅力をどう担保して行くのかという基本的な話。

次いで、都会の高校生を隠岐諸島にある寮で受け入れる「島留学」の海士町や「A級グルメ」の邑南町など、島根県では離島・中山間地でU・Iターンの流入が続く地域があると記されている。「島留学」は結構話題にもなったし、特に子供の体験・経験としてはその地でなければ味わえないものは大変貴重だと思う。識者のコメントとして、移住者の受け入れや起業支援でリーダー役となる人材育成がカギとなるとおっしゃられていて、教育というのは一つの要素であって、そこで吸収力の高い若い層を受け入れることで、安定的な人口数を確保して、更には将来的な地域への貢献を愛着持って考えてもらえたらとも思う。野球留学やサッカー留学で、激戦区では活躍が望めないと思う子供たちが、地方の高校へ流入して行くというのは今や当たり前だ。スカウティングも発達しているので、これは正にビジネス領域。

そんなのは根本的な解決にならないというご意見を持たれることも多いだろうし、夢を語ればキリがない。インフラだって首都圏とはだいぶ違うだろうし、何より圧倒的な違い・格差は解消するには相当な時間がかかる。それよりももっと根本的な解決方法を模索した方が良いのでは?と私見ながら思うことが多い。例えば教育の分野。勿論スポーツでもいいけど、よくよく考えてみれば、今後、クロスボーダーでの活躍は必定。だとすれば、やたらと東大を頂点とする教育だけにアプローチせず、語学だけを徹底的に磨いてみればよいのでは?或いはテクノロジーの徹底を追求してみてはどうだろうか?
語学があれば世界の文献を理解できるし知識を吸収できる。農業でも林業でもテクノロジーの導入はこれも必定。或いは地域独自の文化・歴史をもっと徹底的に掘り下げて知識を蓄え、それが将来どういう意味を持つのかなどを若いうちから考えてもらえればいいのではないか?等々、要は世界に目を向けて情報発信できるような基礎を磨いてほしいなぁと思う。自分たちができなかっただけに。

中段では、島根県が20年余り前から定住促進対策に着手してきたことが記されている。その成果がじわじわと表れ、2014年度にU・Iターンが873人に達したという。鳥取県も同様で、同年度には1246人がU・Iターンとなったとある。これを県では2018年度までに4000人獲得を目標にするという記載。果たして目標は達成できたのだろうか。

行政としてできることは、移住者に対しての手厚い助成と細やかな情報発信。特に子育て中の親の琴線に触れるだろう子育て環境の充実を訴えるところは多い。そのマーケティング費用は視察者のコストを行政側が持つというのも結構ある。また企業との連携を模索する様も記されている。当然、行政としても企業の進出は大歓迎の筈。ふるさと納税も然りだけど、行政による助成競争がいたずらに飛躍しすぎないことが大事だとは思う。また地域においては一体となってオープンネスを醸成することも必要だろうか。全くの他者を受け入れる素地も必要ではないか?

都会にいる人はとかく冷たいと思われがちだけど、近所付き合いもなくなった今、なるべく他者との関わりを避けたいと思う人が多いのも事実。互恵とか互助とかは無縁の部類に入っているだろうから。自分も近所付き合いは最低限でいいと思っている方だ。それは、親切心があだとなって返ってくるのではないかという懸念もあるからだ。人それぞれ考え方も違うし・・・。

そうこう色々考えているけど、地方創生のエレメンツは教育やクロスボーダー等をうたった思い切った施策を学べる地域を作り上げて行くというのはどうだろうかと相変わらずの結論に達する。皆さん必死になって考えているだろうから、改めて、言われなくてもそんなの分かってるよ!と返ってくることを承知しながら・・・。地域って捉えるとパブリック的、地方創生と言えばプライベート的、本来水と油なのだろうか?

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