自分史的なクリッピング史料

いよいよ年末。視聴大好きな競馬も今年は終わり、C・ルメールがリーディング。女性騎手も活躍したかなぁ。話題性を含めて。
今日はアニマルセラピー的でもある話題を

2023年6月8日 朝日 急坂へ 馬たたき大声「虐待と言いきれないが不適切」

三重県桑名市の多度大社で5月にあった県無形民俗文化財「上げ馬神事」について、県が改善を指導する方針だと冒頭で。要は不適切だと判断したという。何が? 法被やロープで馬をたたくなどの行為を確認したらしい。

この神事は、武者姿の若者を背に、馬が1.5〜2メートル程度の土壁を乗り越えられるかどうかで農作物の出来を占うらしいけど、占いはもう少し神秘的なものを想像する一方で、地域に根ざした文化・神事とはこういうものだろうという意識はある。

県が問題視したのは、坂を駆け上がる馬を鼓舞するため、出走前に法被やロープで馬をたたいたり、大声をあげるような行為があったこと。この神事で、1 頭の馬が左脚を骨折し、その後殺処分されたとある。以前牧場主が可愛がっていた馬を安楽死させるドキュメンタリーを夜中にTVで観たことがあるけど、注射を打たれた馬は死ぬ間際に呻き鳴いていたことを思い出した。

県がツイッターでこの神事を紹介したところ、殺処分や馬の扱い、神事そのものを批判的にコメントした人がほとんどだったと。県は改善なく神事を継続することはもはや難しいと判断している様子で、今の風潮からいえば、動物との共生が大きなテーマにもなっているので仕方がないという所感しか持ちようがない。競馬でも鞭を入れる回数は制限されている。それでも必死のジョッキーは時にそれを超えてしまいペナルティーを受けることもある。また、競争中に骨折し後に安楽死させられた名馬たちもいた。

地元の住民によれば過去にはもっとひどいことを当たり前のようにしていたというコメントも記載されている。現在では随分と改善されているらしいけど、県教育委員会も2011年に動物愛護の精神に反する行為の根絶を勧告したとの記述も。

今では乗り子(騎手)以外は竹や棒などの道具を不必要に持たないよう申し合わせているらしいが、大社側は、「関係法規を守り、歴史的価値や文化的価値が損なわれることのないようにしたい」と結んでいる。

動物との共生、愛護というのは難しい問題だと思う。最近ではクマの駆除問題もあったし。特にこうした公的な催事においてそうした基準を遵守させるのは現場に入ればテキスト持ってやる訳でもないし。

自分たちの日常を振り返れば、動物への指示や檄を飛ばすことなどは頻繁に行われている。確かに愛犬にムチまで使う人はいないだろうけど。動物との信頼関係や絆があれば、より人間の心を理解してくれる筈という期待も大きい。動物は言葉を発しないがゆえに、どこまで許容されるのかは分からない。

こうした記事に触れるたび、大切なのは、人ごとのように思うのではなく、こうした神事を大切にしたいという気持ちと、それに動物の介在がどの程度まで許されるのかを考えることだと思う。この例だけでなく、本当に沢山の祭り事がある筈だから。

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