自分史的なクリッピング史料

読書好きではあるけど、まだ試していないものがある。それはオーディオブック。「ながら族」の典型的なパターンではあるけれど、耳にイヤホンを入れながら、別の運動や行動を行うことで、時間的にはセーブとなり効果的だということも理解している。ウォーキングをしながら読書体験を同時にという発想も健康プラス読書の組み合わせだからとても良さそうだ。

2023年2月16日 日経 価格は語る
オーディオブック 月1000円台、通勤・家事で
本「ながら聴き」お得感

以前というか30年以上前に、TBSの八木アナウンサーの朗読カセットテープ(「人間とは何か」的なようなもの)を購入し、ウォークマンで聴きながらという体験はあった。その他に無駄に時事英語のカセットを聴いたこともあった。「ながら族」の走り見たいなものだろうか。でも昨今では、さらに数段進化したオーディオブックなるものが世に行き渡っている。

冒頭で、オーディオブックが伸長していることが語られ、家事や作業などと並行して楽しめる点が支持の理由だ、ということから始まる。月1000円台での「ながら聴き」というのは結構なお得感を抱かせると共に、コロナ禍からの経済回復に歩調を合わせているようでもあると。

電車での通勤時間以外に家での掃除や皿洗いなどをしながら楽しむという女性が登場し、彼女はAmazonのオーディブルで月に3〜4冊を読むとコメントしている。ビジネス書は1.5倍や2倍速で聴き、哲学書や文学書などは繰り返し聴き直すらしい。倍速での聴くことなども可能だから、結構タイパが良いことも受けている理由だと。

こうした利用者は動画配信サービスも利用しているらしいけど、やはり動画では目の疲労が激しいという感想も。また、家事などの他の作業をしながら聴けるので可処分時間を有効に使える感じがいいというコメントも。そこで価格対比の問題で、動画サービスを解約したというコメントが載せられている。

日本のオーディオブックサービスは、視力の弱い人でも書籍を楽しめるようにとオトバンク(東京・文京区)が20年ほど前に始めたのが先駆けらしいけど、近年では、Amazon、DAZN、ネットフリックス、アップルミュージック等々錚々たるメンバーが参戦している市場となった。2022年には流行語大賞にノミネートされるほどに。

コロナ禍の巣ごもり生活がトリガーになったことは間違いないけど、こうしたサブスクが、大幅な値上げをしても会員数は伸びていることが記されている。

KDDI総合研究所の方は、行動制限の緩和で日常生活が戻り、可処分時間がコロナ禍の初期と比べて減少していることで、「ながら聴き」が時間効率という観点から優位に立ってきたと分析していらっしゃる。
またワイヤレスイヤホンの普及、伸展も大きい。コードを気にせずに動きながらスマホを活用できる点が「ながら族」の出現を加速化している様子。
60代の会社経営者は散歩をしながらオーディオブックを楽しみ、ビジネス書を中心に月10冊程度楽しむという。やはりここでも時間をセーブできることが大きなポイントだ。

ここでオトバンクの久保田社長のコメント。「もともと読書好きだった人の利用のみならず、それほど読書に親しまなかった人までをも巻き込んで音声で本を習慣化できるようになったという声がある」と語られている。新たな読者層の開拓だ。

こうした新しい読書の効率性を社員のリスキリングや、自己啓発に生かそうという企業も出てきていて、環境調査分析コンサルティングのオオスミでは福利厚生の一環としてオトバンクのサービスを会社の費用持ちとし、社員が利用できるという。素晴らしい!

同社では若手から役員まで全体の2割程度の人が活用していると。こうした動きは、時代の要請でもあり今後も流行りそうだ。日頃活字に不慣れな人でも書籍を楽しめるという機会が提供される。本のジャンルには制限がないそうで、利用する社員どうしで話題を共有するケースも増えて経営面での効果も出てきている様子で同社の社長は読書クラブの創設まで検討しているとコメントしている。

限られた時間でより多くを楽しみたいという欲求は、時間効率化を徹底する志向が強まり、事業者側ではこうした志向とコストのバランスを図ることで更なるサービスの伸展が期待できるのではと青山大の先生の分析。

自分も読書は大好きだから、当然時間効率的に読みたいと常々思っている。
なのに未だにオーディオブックを利用したことがない。同じ観点で本の要約サイトにも興味はあった。何せショートカットできるから。

普段は、AmazonやHONZ等の書評サイトも時折参考にしていて、結構要約的だなぁと評価しながらも、選書には生かしているけど、読書そのものに活用することは少ない。やはり紙の本が中心。何せバッテリーの心配がいらないから。そう、バッテリー代の観念の欠如とバッテリー切れによるリスク・フラストレーションはどうしても回避できないのでは?との思いが強い。

Kindleも所有してはいるけれど、なかなか利用が進まない。読んでいないからこそだけど、充電ばかりしている。結局、進化しきれないままでいて、これではいけないとは思っている。でもきっかけを作る為に、オーディオブックがもう少しカフェテリア的にサービスを選べたらなぁと思う。月300円で2冊程度でいいので・・・というのが本音。それだとビジネスサイドが困るのかもしれないと思いつつ。


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